当社子会社元従業員による不正行為及び同行為の調査結果、再発防止策の策定ならびに関係者処分に関するお知らせ(PDFファイル)
ミロク情報サービス(東証プライム)のプレスリリース(2023年7月31日)。
連結子会社である Miroku Webcash International 株式会社における、元従業員による不正行為に関するものです。
少し珍しい例なのでは。
「当該子会社において、当該元従業員は、2021 年 10 月から 2023 年 3 月までの間、当該子会社が契約していた他社(以下、A 社)運営に係る福利厚生サービス(会社の負担により、個々の従業員に対し、福利厚生の一環として、金券類等に交換できるポイントを付与するもの)における自らの権限を悪用し、私的動機に基づき、自身に上記ポイントを著しく過大に付与等しておりました。当該元従業員は自身に付与したポイントを金券類と交換後、金券ショップ等で換金し、一部
は不正取得したポイントの対価の支払いに充当しつつ、その余は私的に費消していました。本件行為における当該子会社への損害は 1 億 4,000 万円相当となります。
2023 年 3 月、A 社より当社に対し、当該子会社の企業規模に鑑みるとポイントの消費が多額である旨が伝えられました。当社は同報告をきっかけに、A 社からの関連資料の提供や説明を受けるなどして内部調査を実施した上、当社の担当者及び当該子会社前社長が当該元従業員へのヒアリングを実施したところ、同人が本件行為を自認したことなどから本件行為発覚に至りました。」
弁護士法人に調査を依頼し、調査報告書を受領したそうです。
原因分析は...
「(1) 人的要因
・当該子会社の経理業務や福利厚生業務の最終決裁権限を有する当該子会社前社長の適切な確認・対応の不足
・当該元従業員の部下による、当該元従業員の業務の適切な確認・対応・報告の不足
(2) 制度的・体制的要因
・当該子会社の業務にかかる権限が事実上、当該元従業員に集中
・当該子会社における、業務が適切に行われているか監視・監督する体制や内部統制上の規程類の不備
・当社における、子会社の不正リスクに対する問題意識が希薄
・当社から子会社への内部統制基本方針の周知徹底や教育の不足
(3) 環境的要因
・当該子会社におけるコロナ禍によるリモートワークの推進の結果、当該元従業員への他の従業員の関与機会が減少したこと」
決算への影響は軽微とのことです。
「本件行為による損失については、2023 年 3 月期決算において既に全額経理処理済みであるため、今期の連結業績に与える影響は軽微です。」
直近の四半期決算発表も実施済みで、四半期報告書の提出も期限までに行われたようです。