米ウィーワーク、事業継続に疑義=ソフトバンクGが出資、株価急落
米国のウィーワークが、SECへの提出書類で、事業継続能力に疑義があることを開示したという記事。
「ソフトバンクグループ(SBG)が出資する米共用オフィス大手ウィーワークは8日、米証券取引委員会(SEC)への提出書類で、事業を継続する能力に「かなりの疑義」が生じているとの見方を示した。これを受け、同社株は時間外取引で27%急落した。」
債務削減で債権者と合意しているが、幹部が相次いで辞任し、経営が混乱しているとのことです。
ウィーワーク株急落、事業継続能力「かなり不安」-赤字や解約で(ブルームバーグ)
(記事原文→WeWork Tumbles After Raising ‘Substantial Doubt’ About Future(冒頭のみ))
「ソフトバンクグループの出資先で、シェアオフィス事業を展開する米ウィーワークは8日、持続的な赤字とオフィススペースのメンバーシップ解約に言及し、事業継続能力に「かなりの不安」があるとの認識を示した。」
「かなりの不安」は原文では...
WeWork Inc. shares plummeted more than 25% in extended trading after saying there’s “substantial doubt” about its ability to continue operating.
正式には、SEC提出書類で開示されているのでしょうが、会社の決算発表プレスリリースでもふれています。
WeWork Reports Second Quarter 2023 Results(2023年8月8日)
In addition, as disclosed in WeWork’s Quarterly Report for the three and six months ended June 30, 2023 (the “Second Quarter 10-Q”), as a result of the Company’s losses and projected cash needs, combined with increased member churn and current liquidity levels, substantial doubt exists about the Company’s ability to continue as a going concern. The Company’s ability to continue as a going concern is contingent upon successful execution of management’s plan to improve liquidity and profitability over the next 12 months, which includes, without limitation:
・Reducing rent and tenancy costs via restructuring actions and negotiation of more favorable lease terms;
・Increasing revenue by reducing member churn and increasing new sales;
・Controlling expenses and limiting capital expenditures; and
・Seeking additional capital via issuance of debt or equity securities or asset sales.
関連記事。
コラム:ウィーワークの経営難、慎重さ欠く事業多角化が裏目に(ロイター)
「空いているオフィススペースを借り上げてサブリースするという事業は、慎重に行えばうまくいくはずだ。だが創業者のアダム・ニューマン氏と、最大の支援者であるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長の辞書に「慎重」の文字は無い。」
「ウィーワークはこのほど、「事業継続の前提」に疑義があることを認めた。同社が、もっと保守的な競合企業に比べて困難な仕事に手を出してきたことだけは確かだ。
経営難の兆候は至るところに現れている。8日発表の第2・四半期決算は、またしても悲惨だった。稼働率は下がり、さらに3000億ドルを食いつぶした。流動性は6億8000万ドルに減少。新たな最高経営責任者(CEO)探しの指揮を執っていたダニエル・ハーウィッツ会長は辞任した。」(「3000億ドル」は間違い?誤訳?)
「事業運営は下手だ。ウィーワークは主に誇大宣伝によってのし上がり、不動産会社というよりもIT企業並みの企業価値評価を享受した。学校から人工的に波を立てる「ウェーブプール」に至るまで、多方面に手を出したことで中核事業に専念できなくなった。多くのオフィススペースを買収したのは、売上高が毎年倍増し、料金が今よりずっと高かった時期だ。そのため今では29億ドルの債務を抱え、高金利が不動産市場全体を直撃する中で長期リースが130億ドルを超えている。現在のリース料は安すぎて債務返済を賄えない。」
当サイトの関連記事(国際監査基準570(改訂)「継続企業」の公開草案の翻訳について)(訳語の問題にもふれています。)