1月17日に行われた岸田首相の施政方針演説全文です。
企業開示ほか、会計・税務に関係しそうなところをピックアップすると...
「単なる規制緩和ではなく、新しいルールを作ることで、地域社会に新たなサービスを生み出し、日々の暮らしを豊かにすることを目指します。...
例えば、企業版ふるさと納税のルールを明確化することで、企業の支援による、地方のサテライトオフィス整備の取組を後押しし、企業や個人の都市から地方への流れを加速させます。」
「マイナンバーカードは、デジタル社会の安全安心のための「パスポート」であり、その利便性を改善させます。
例えば、二〇二四年度までに、運転免許証とマイナンバーカードの一体化を進めます。転居時、住所変更手続を市役所で行えば、警察署での手続を不要とします。」
「リアルとネットが密接不可分となる中、サイバー攻撃等への対処体制を整備するとともに、企業のセキュリティ強化に取り組み、デジタル社会のリスクに対し、正面から向き合います。」
「本年をスタートアップ創出元年とし、五か年計画を設定して、大規模なスタートアップの創出に取り組み、戦後の創業期に次ぐ、日本の「第二創業期」を実現します。」
「賃上げ税制の拡充、公的価格の引き上げに加え、中小企業が原材料費の高騰で苦しむ中、適正な価格転嫁を行えるよう、環境整備を進めます。」
「今後、官民の人への投資を、早期に、少なくとも倍増し、さらにその上を目指していくことで、企業の持続的価値創造と、賃上げを両立させていきます。」
「人的投資が、企業の持続的な価値創造の基盤であるという点について、株主と共通の理解を作っていくため、今年中に非財務情報の開示ルールを策定します。
あわせて、四半期開示の見直しを行います。」
「世帯所得の向上を考えるとき、男女の賃金格差も大きなテーマです。
この問題の是正に向け、企業の開示ルールを見直します。」
「新たな官民連携を進めるにあたっては、公共施設の運営を民間に任せるコンセッションの一層の活用、ベンチャー・フィランソロフィーによるNPOや社会的企業への支援、社会的インパクト投資など、民による公的機能の補完も重要な論点です。」
「気候変動問題への対応」も大きな項目として取り上げていますが、そこでは開示についてはふれていません。金融庁の審議会の動きなどを見ていると、非財務情報拡充は、気候変動関連を優先してやるようですが、岸田首相のこの演説では、人的投資や男女賃金格差との関連で開示にふれていて、優先順位が違うように見えます。また、演説では「四半期開示の見直し」にふれていますが、これに対応する具体的な動きはまだみられません。
岸田首相が施政方針演説、「賃上げ率一気に反転」 四半期開示を見直し(ロイター)
「通常国会が17日開会し、岸田文雄首相は衆院本会議で施政方針演説を行い、賃上げなど人への投資の重要性を訴え、春闘に向けて「賃上げ率の低下トレンドを一気に反転させたい」と期待感を表明した。年内に非財務情報の開示ルールを策定する。新型コロナワクチンの3回目接種の前倒しや、脱炭素に向けた投資加速などを唱えるとともに、企業の四半期開示の見直しを行うと改めて表明した。」
岸田首相が初の施政方針演説 コロナ対策を強調、統計不正問題は謝罪(朝日)
岸田首相の施政方針演説要旨(時事)
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