会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

【オリンパス損失隠し】ジャイラス買収で425億円損失計上へ 過剰のれん代で財務悪化(産経より)

【オリンパス損失隠し】ジャイラス買収で425億円損失計上へ 過剰のれん代で財務悪化

オリンパスが、ジャイラス社の優先株買い取りによって計上していたのれんを損失計上するという記事。

「同社(注:オリンパス)が設けた第三者委員会と同社を担当する新日本監査法人は、英医療器具会社ジャイラスの買収時に助言会社に支払ったジャイラスの優先株の買い取り費425億円について、「飛ばし損失」の穴埋めに流用したと認定し、損失計上を求める方向で調整している。」

「平成20年のジャイラス買収には、当時のレートで約2100億円を投入。この結果、20年3月期ののれん代は、2998億円まで増えた。同社買収では、仲介した助言会社に報酬として235億円、ジャイラスが助言会社に発行した優先株の買い取り費用として425億円の計660億円を支出。その大部分を還流させ、飛ばし損失を穴埋めしたとみられている。

 優先株買い取り費用は、のれん代として計上されているとみられ、監査法人は、一括償却が必要と判断している。問題は、残る1千億円規模とみられる、のれん代の扱いだ。関係者によると、監査法人は買収額は正当と判断し、一括償却は求めない方針という。」

こののれんは通常ののれんではなく、水増しされたアドバイザリー報酬を支払うために仕組まれた優先株買い取りスキームによって発生したものですので、減損処理ではなく、そもそも計上すべきでなかったものということでしょう。当期の会計処理というよりは、過年度の決算の修正(監査ミス?)と考えるべきです。

不正なアドバイザリー報酬以外の部分(ジャイラスのもともとの株主に支払った金額)から生じているのれんについては、なんとも言えません。

架空の書類で巨額支払い オリンパスの損失隠し(時事)

「新光証券は法律違反だとして算定書の作成を拒否した。しかし、損失隠しを調べた大手会計事務所の報告書や関係者の証言などによると、この幹部は08年に新光証券が作成したとする架空の算定書を偽造。これを根拠にオリンパスは、数百億円規模の巨額資金の捻出を決定した。」

監査人は偽造された算定書にだまされてしまったのでしょうか。

これら2つは国内3社の買収に関する記事です。

オリンパス、試算時点で3社を過大評価(TBS)(音声が出ます。)

会計士による株価算定書を取り上げています。

「買収3社の上場検討」=取締役会で反対封じる-オリンパス前副社長(時事)

「関係者によると、森前副社長は08年2月の取締役会で買収計画を説明。これに対し、高山修一・現社長ら複数の役員が、買収金額が高過ぎると指摘。強硬に反対した役員も一部にいたという。」

現社長就任の際の記者会見では、買収は問題ないと言っていたのでは・・・。
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