贖いの蓋
(出エジプト25:21,22)
「その『贖いのふた』を
箱の上に載せる。
箱の中には,
わたしが与えるさとしを
納めなければならない。
わたしはそこであなたと会見し,
その『贖いのふた』の上から,
すなわちあかしの箱の上の
二つのケルビムの間から,
イスラエル人について,
あなたに命じることを
ことごとくあなたに語ろう。」
聖所の中でも一番重要な「箱」(10)
とそのふたである「贖いのふた」
についての指示が与えられます。
聖所のキュビトは,
1キュビト44.5㎝です。
箱の大きさは
1.1m×66.8㎝×66.8㎝で,
持ち運びに便利なように
工夫されています。
「箱」は物を入れるという目的と
同時に神の御座です。
その中に入れられるのは,
「あかしの板」(16)です。
それは神の契約と同じ意味です。
それは十戒を中心とする
契約の言葉です。
「あかし」とも言われます。
幕屋は「あかしの幕屋」(38:21),
箱は「あかしの箱」(25:22)
と言われます。
17‐22節は,
「贖いのふた」(17)
に関する部分です。
このふたの上には
「ケルビム」(18)が置かれています。
「あかしの箱の上にある
二つのケルビムの間から……語る」
(22)とあるように,
「あかしの箱」と
「あがないのふた」は,
神の臨在の場です。
このふたが
「贖いのふた」と呼ばれるのは,
幕屋がイスラエルの罪の贖いのために
存在することと深い関係があります。
「箱」は幕屋の一番奥の
至聖所に置かれていて,
礼拝者の目には入りません。
出エジプトの神は
その民にご自身を啓示される
神でありますが,
同時に聖なる神であり,
御前に出るにはまず罪の贖いが
なされなければなりません。
ふたはそのことを示しています。
「箱」と「贖いのふた」の2つは,
神の臨在を最もよく示すものです。
☆彡
あかしの箱
(出エジプト25:10-22 口語訳)
彼らはアカシヤ材で箱を造らなければならない。
長さは二キュビト半,
幅は一キュビト半,
高さは一キュビト半。
(25:10)
あなたは純金でこれをおおわなければならない。
すなわち内外ともにこれをおおい,
その上の周囲に金の飾り縁を
造らなければならない。(11)
また金の環四つを鋳て,
その四すみに取り付けなければならない。
すなわち二つの環をこちら側に,
二つの環をあちら側に付けなければならない。
(12)
またアカシヤ材のさおを造り,
金でこれをおおわなければならない。
(13)
そしてそのさおを箱の側面の環に通し,
それで箱をかつがなければならない。
(14)
さおは箱の環に差して置き,
それを抜き放してはならない。(15)
そしてその箱に,
わたしがあなたに与える
あかしの板を納めなければならない。
(16)
また純金の贖罪所を造らなければならない。
長さは二キュビト半,幅は一キュビト半。
(17)
また二つの金のケルビムを
造らなければならない。
これを打物造りとし,
贖罪所の両端に置かなければならない。
(18)
一つのケルブをこの端に,
一つのケルブをかの端に造り,
ケルビムを贖罪所の一部として
その両端に造らなければならない。(19)
ケルビムは翼を高く伸べ,
その翼をもって贖罪所をおおい,
顔は互にむかい合い,
ケルビムの顔は贖罪所に
むかわなければならない。
(20)
あなたは贖罪所を箱の上に置き,
箱の中にはわたしが授ける
あかしの板を納めなければならない。
(21)
その所でわたしはあなたに会い,
贖罪所の上から,
あかしの箱の上にある
二つのケルビムの間から,
イスラエルの人々のために,
わたしが命じようとするもろもろの事を,
あなたに語るであろう。
(22)
○
(ローマ3:25)
「神は,キリスト・イエスを,
その血による,
また信仰による,
なだめの供え物として,
公にお示しになりました。
それは,
ご自身の義を現わすためです。
というのは,
今までに犯されて来た罪を
神の忍耐をもって
見のがして来られたからです。」
「なだめの供え物」は,
「贖いの蓋」とも訳せます。
○
(ヘブル9:5)
「また,箱の上には,
贖罪蓋を翼でおおっている
栄光のケルビムがありました。
しかしこれらについては,
今いちいち述べることができません。」
2020-09-21