使徒の働き 2018.11.23
口語訳
○
使徒1章
約束の聖霊
(使徒1:3-5)
「イエスは苦難を受けたのち,
自分の生きていることを
数々の確かな証拠によって示し,
四十日にわたって
たびたび彼らに現れて,
神の国のことを語られた。
そして食事を共にしているとき,
彼らにお命じになった,
『エルサレムから離れないで,
かねてわたしから聞いていた
父の約束を待っているがよい。
すなわち,
ヨハネは水で
バプテスマを授けたが,
あなたがたは
間もなく聖霊によって,
バプテスマを
授けられるであろう』」。
イエス・キリストは復活し,
弟子たちに現れ,
弟子たちに聖霊のバプテスマを授けると
約束してくださいました。
○
使徒2章 聖霊が降る
(使徒2:1-4)
「五旬節の日がきて,
みんなの者が
一緒に集まっていると,
突然,激しい風が吹いてきたような
音が天から起ってきて,
一同がすわっていた
家いっぱいに響きわたった。
また,舌のようなものが,
炎のように分れて現れ,
ひとりびとりの上にとどまった。
すると,一同は聖霊に満たされ,
御霊が語らせるままに,
いろいろの他国の言葉で
語り出した。」
イエスは十字架の死から
3日目に復活されたがましたが,
聖霊降誕(ペンテコステ)は,
それから50日目にあたります。
聖霊は,父なる神から,
御子キリストを通して
私たちに注がれた霊です。
聖霊がイエスを信じる者の心を満たし,
異言を語りだしました。
☆
ペテロは,
聖霊のバプテスマの業を見て,
あざける人々に,
次のように説教をします。
(使徒2:14-22)
「そこで,ペテロが
十一人の者と共に立ちあがり,
声をあげて人々に語りかけた。
『ユダヤの人たち,
ならびにエルサレムに住む
すべてのかたがた,
どうか,この事を知っていただきたい。
わたしの言うことに
耳を傾けていただきたい。
今は朝の九時であるから,
この人たちは,
あなたがたが思っているように,
酒に酔っているのではない。
そうではなく,
これは預言者ヨエルが
預言していたことに
外ならないのである。
すなわち,
『神がこう仰せになる。
終りの時には,
わたしの霊をすべての人に注ごう。
そして,
あなたがたのむすこ娘は預言をし,
若者たちは幻を見,
老人たちは夢を見るであろう。
その時には,
わたしの男女の僕たちにも
わたしの霊を注ごう。
そして彼らも預言をするであろう。
また,上では,天に奇跡を見せ,
下では,地にしるしを,
すなわち,
血と火と立ちこめる煙とを,
見せるであろう。
主の大いなる輝かしい日が来る前に,
日はやみに
月は血に変るであろう。
そのとき,
主の名を呼び求める者は,
みな救われるであろう』。
イスラエルの人たちよ,
今わたしの語ることを聞きなさい。
あなたがたが
よく知っているとおり,
ナザレ人イエスは,
神が彼をとおして,
あなたがたの中で行われた
数々の力あるわざと
奇跡としるしとにより,
神からつかわされた者であることを,
あなたがたに示されたかたであった。』」
☆
聖霊が下ると,弟子たちの交わりから,
教会が出来ます。
(使徒2:41,42口語訳)
「そこで,
彼の勧めの言葉を受けいれた者たちは,
バプテスマを受けたが,
その日,仲間に加わったものが三千人ほどあった。
そして一同はひたすら,使徒たちの教を守り,
信徒の交わりをなし,
共にパンをさき,祈をしていた。」
○
使徒の働き3章
ペテロ,足の不自由な男をいやす
(使徒3:6-10)
「さて,ペテロとヨハネとが,
午後三時の祈のときに
宮に上ろうとしていると,
生れながら足のきかない男が,
かかえられてきた。
この男は,
宮もうでに来る人々に
施しをこうため,
毎日,
「美しの門」と呼ばれる
宮の門のところに,
置かれていた者である。
彼は,ペテロとヨハネとが,
宮にはいって行こうとしているのを見て,
施しをこうた。
ペテロとヨハネとは彼をじっと見て,
「わたしたちを見なさい」と言った。
彼は何かもらえるのだろうと期待して,
ふたりに注目していると,
ペテロが言った,
「金銀はわたしには無い。
しかし,
わたしにあるものをあげよう。
ナザレ人イエス・キリストの名によって
歩きなさい」。
こう言って彼の右手を取って起してやると,
足と,くるぶしとが,
立ちどころに強くなって,
踊りあがって立ち,歩き出した。
そして,歩き回ったり踊ったりして
神をさんびしながら,
彼らと共に宮にはいって行った。
民衆はみな,彼が歩き回り,
また神をさんびしているのを見,
これが宮の「美しの門」のそばにすわって,
施しをこうていた者であると知り,
彼の身に起ったことについて,
驚き怪しんだ。」
弟子のペテロたちは
聖霊のバプテスマを受け,
確信に満ちた説教をします。
そして,いやしの業がなされました。
使徒ペテロがイエスの御名によって
いやした男は,
「生まれつき足のきかない男」でした。
ペンテコステの日の異言を伴う
「聖霊のバプテスマ」に続く
この出来事をきっかけとして,
ペテロたちの宣教は拡大していきました。
○
使徒の働き4章
持物を共有する
(使徒4:32)
「信じた者の群れは,
心を一つにし思いを一つにして,
だれひとりその持ち物を
自分のものだと主張する者がなく,
いっさいの物を共有にしていた。」
弟子たちが聖霊のバプテスマを受け,
信じる者は増えます。
信じた人々は財産を出しあい,
共有にしました。
教会の始まりでした。
○
使徒5章
アナニヤとサッピラ
(使徒5:1,2)
「ところが,
アナニヤという人と
その妻サッピラとは
共に資産を売ったが,
共謀して,その代金をごまかし,
一部だけを持ってきて,
使徒たちの足もとに置いた。」
アナニヤとサッピラの罪は,
代金の一部しか持ってこなかったことでは
ありませんでした。
彼らは,持ってきたお金が,
土地の代金の全部であるかのような
偽りの態度をとったことに
問題がありました。
○
使徒6章
ステパノたち7人の選出
(使徒6:1-4)
「そのころ,
弟子の数がふえてくるにつれて,
ギリシヤ語を使うユダヤ人たちから,
ヘブル語を使うユダヤ人たちに対して,
自分たちのやもめらが,
日々の配給で,
おろそかにされがちだと,
苦情を申し立てた。
そこで,
十二使徒は弟子全体を
呼び集めて言った,
『わたしたちが
神の言をさしおいて,
食卓のことに携わるのは
おもしろくない。
そこで,兄弟たちよ,
あなたがたの中から,
御霊と知恵とに満ちた,
評判のよい人たち七人を
捜し出してほしい。
その人たちにこの仕事をまかせ,
わたしたちは,
もっぱら祈と
御言のご用に当ることにしよう』」。
7人を選びますが,
このうちにはステパノとピリポがいました。
○
使徒7章
ステパノの殉教
(使徒7:59,60)
「こうして,
彼らがステパノに石を
投げつけている間,
ステパノは祈りつづけて言った,
『主イエスよ,
わたしの霊をお受け下さい』。
そして,ひざまずいて,
大声で叫んだ,
『主よ,どうぞ,
この罪を彼らに
負わせないで下さい。』
こう言って,彼は眠りについた。」
「石で打ち殺した」とは,
当時のユダヤの死刑の方法でありました。
ステパノの殉教の際の態度は,
十字架上のイエスのようでした。
彼は,迫害する者のために
とりなしの祈りをしたのです。
○
使徒の働き8章
サマリヤで聖霊が下る。
(使徒8:14-17)
「エルサレムにいる使徒たちは,
サマリヤの人々が,
神の言を受け入れたと聞いて,
ペテロとヨハネとを,
そこにつかわした。
ふたりはサマリヤに下って行って,
みんなが聖霊を受けるようにと,
彼らのために祈った。
それは,彼らはただ主イエスの名によって
バプテスマを受けていただけで,
聖霊はまだだれにも
下っていなかったからである。
そこで,
ふたりが手を彼らの上においたところ,
彼らは聖霊を受けた。」
エルサレムでの教会に対しての
迫害によって,
使徒たちは散らされます。
そして,ユダヤとサマリヤに
福音は広がっていきます。
ペテロとヨハネはサマリヤに行き,
イエスを信じた者に
聖霊のバプテスマを授けました。
○
使徒の働き9章 サウロの回心
(使徒9:3-5)
「ところが,
道を急いでダマスコの近くにきたとき,
突然,天から光がさして,
彼をめぐり照した。
彼は地に倒れたが,
その時
『サウロ,サウロ,
なぜわたしを迫害するのか』と
呼びかける声を聞いた。
そこで彼は
『主よ,あなたは,どなたですか』
と尋ねた。
すると答があった,
「わたしは,
あなたが迫害しているイエスである。
さあ立って,
町にはいって行きなさい。
そうすれば,
そこであなたのなすべき事が
告げられるであろう」。
サウロの同行者たちは
物も言えずに立っていて,
声だけは聞えたが,
だれも見えなかった。」
サウロ,のちの名をパウロは,
クリスチャンたちを迫害していました。
彼はパリサイ派ユダヤ教徒でありました。
サウロ自身は,
イエス・キリストに会ったことは
なかったようです。
彼にはイエス・キリストを迫害しているという
意識はありませんでした。
彼はただ,クリスチャンたちを
迫害していたと思っていました。
ところが,ダマスコへの途上で
イエス・キリストがサウロに現われ,
「サウロ,サウロ,
なぜわたしを迫害するのか」
と言います。
キリスト者(クリスチャン)たちを
迫害することは,
イエスご自身を迫害することでした。
サウロは,このとき初めて,
復活したイエスに会ったのです。
そして、サウロは,
目が3日間,見えなくなります。
(使徒9:17-20)
「そこでアナニヤは,
出かけて行ってその家にはいり,
手をサウロの上において言った,
『兄弟サウロよ,
あなたが来る途中で
現れた主イエスは,
あなたが再び見えるようになるため,
そして聖霊に満たされるために,
わたしをここに
おつかわしになったのです』。
するとたちどころに,
サウロの目から,
うろこのようなものが落ちて,
元どおり見えるようになった。
そこで彼は立ってバプテスマを受け,
また食事をとって元気を取りもどした。
サウロは,
ダマスコにいる弟子たちと共に
数日間を過ごしてから,
ただちに諸会堂で
イエスのことを宣べ伝え,
このイエスこそ
神の子であると説きはじめた。」
○
使徒10章
異邦人も聖霊を受ける
(使徒10:44-47)
「ペテロがこれらの言葉を
まだ語り終えないうちに,
それを聞いていたみんなの人たちに,
聖霊がくだった。
割礼を受けている信者で,
ペテロについてきた人たちは,
異邦人たちにも聖霊の賜物が
注がれたのを見て,驚いた。
それは,彼らが異言を語って
神をさんびしているのを
聞いたからである。
そこで,ペテロが言い出した,
『この人たちが
わたしたちと同じように
聖霊を受けたからには,
彼らに水で
バプテスマを授けるのを,
だれがこばみ得ようか』」。
このときまで,
キリスト教伝道は
ユダヤ人に限られていました。
神は,敬虔な異邦人コルネリオと,
ユダヤ人の使徒ペテロの二人に幻を見せ,
二人を出会わせます。
これによって神は,
異邦人伝道のみこころを示されました。
異邦人伝道が始まったのです。
○
使徒11章
アンテオケの教会
(使徒11:26)
「彼を見つけたうえ,
アンテオケに連れて帰った。
ふたりは,まる一年,
ともどもに教会で集まりをし,
大ぜいの人々を教えた。
このアンテオケで初めて,
弟子たちがクリスチャンと
呼ばれるようになった。」
「キリスト者」すなわち
クリスチャンという名は,
自分たちがつけた名ではなく,
町の人が彼らを見ての呼び名でした。
○
使徒12章
ペテロ,牢から救い出される
(使徒12:7,8)
「すると,突然,
主の使がそばに立ち,
光が獄内を照した。
そして御使は
ペテロのわき腹をつついて起し,
『早く起きあがりなさい』と言った。
すると鎖が彼の両手から,
はずれ落ちた。
御使が
『帯をしめ,くつをはきなさい』
と言ったので,
彼はそのとおりにした。
それから
『上着を着て,ついてきなさい』
と言われたので,
ペテロはついて出て行った。」
教会への迫害は強まり,
ついに初めての殉教者が出ます。
12使徒の一人ヤコブが殺されました。
迫害者たちは,
さらにペテロを捕らえ,監禁しました。
このとき教会は,ペテロのために
「熱心に祈り続けていた」とあります。
主はその祈りに答え,
御使いを遣わしてペテロを
助け出しました。
○
使徒13章
パウロのアンテオケでの説教
(使徒13:1-3)
「さて,
アンテオケにある教会には,
バルナバ,ニゲルと呼ばれるシメオン,
クレネ人ルキオ,
領主ヘロデの乳兄弟マナエン,
およびサウロなどの
預言者や教師がいた。
一同が主に礼拝をささげ,
断食をしていると,
聖霊が
『さあ,バルナバとサウロとを,
わたしのために聖別して,
彼らに授けておいた仕事に
当らせなさい』と告げた。
そこで一同は,断食と祈とをして,
手をふたりの上においた後,
出発させた。」
パウロの第一回の伝道旅行が始まります。
この頃から,サウロ 別名でパウロは,
アンテオケの教会から
宣教のために送り出されます。
サウロはユダヤ名であり,
パウロはローマ名です。
彼はアンテオケで説教をして,
多くの人々を信仰に導いていました。
彼の語った内容は,
キリストの降誕に至る神のご計画,
預言の成就,キリストの十字架,
復活,罪の赦しと解放などでした。
このときの,
パウロのアンテオケでの説教は,
次のようでした。
(使徒13:28,29)
「なんら死に当る理由が
見いだせなかったのに,
ピラトに強要して
イエスを殺してしまった。
そして,
イエスについて書いてあることを,
皆なし遂げてから,
人々はイエスを
木から取りおろして墓に葬った。」
(使徒13:33)
「神は,イエスをよみがえらせて,
わたしたち子孫にこの約束を,
お果しになった。
それは詩篇の第二篇にも,
『あなたこそは,わたしの子。
きょう,わたしはあなたを生んだ』
と書いてあるとおりである。」
○
使徒14章
リストラでの説教
(使徒14:15-17)
(バルナバとパウロは,)
言った,
「皆さん,
なぜこんな事をするのか。
わたしたちとても,
あなたがたと同じような
人間である。
そして,
あなたがたがこのような
愚にもつかぬものを捨てて,
天と地と海と,
その中のすべてのものを
お造りになった
生ける神に立ち帰るようにと,
福音を説いているものである。
神は過ぎ去った時代には,
すべての国々の人が,
それぞれの道を行くままに
しておかれたが,
それでも,
ご自分のことを
あかししないでおられたわけではない。
すなわち,
あなたがたのために
天から雨を降らせ,
実りの季節を与え,
食物と喜びとで,
あなたがたの心を満たすなど,
いろいろのめぐみを
お与えになっているのである。」
パウロによって奇跡が起こされると,
人々はパウロとバルナバを,
人間の姿をとって来た神々と思い,
いけにえを捧げようとします。
そこはギリシャ文化の地域だったから,
人々はギリシャ神話によって,
バルナバをゼウス,
パウロをヘルメスと呼んだのです。
そこで,パウロたちは,
この人たちの行為を止めます。
○
使徒15章
エルサレムの使徒会議
(使徒15:19,20)
「そこで,わたしの意見では,
異邦人の中から
神に帰依している人たちに,
わずらいをかけてはいけない。
ただ,偶像に供えて汚れた物と,
不品行と,絞め殺したものと,
血とを,避けるようにと,
彼らに書き送ることにしたい。」
ユダヤ教徒から
クリスチャンに改宗した人々の中には,
「割礼を受けなければ救われない」
と説く者がいました。
そこで混乱が起きました。
混乱を治めるため,
エルサレムで会議が開かれ。
激しい論争では,
ペテロ,バルナバ,パウロらが語ります。
そして,イエスの弟の「ヤコブ」(ヤコブの手紙の著者)が
このような結論を出しました。
(ローマ15:19,20)
○
使徒16章
マケドニア人の幻
(使徒16:7-10)
「そして,
ムシヤのあたりにきてから,
ビテニヤに進んで
行こうとしたところ,
イエスの御霊が
これを許さなかった。
それで,ムシヤを通過して,
トロアスに下って行った。
ここで夜,
パウロは一つの幻を見た。
ひとりのマケドニヤ人が立って,
『マケドニヤに渡ってきて,
わたしたちを助けて下さい』と,
彼に懇願するのであった。
パウロがこの幻を見た時,
これは彼らに福音を伝えるために,
神がわたしたちを
お招きになったのだと確信して,
わたしたちは,
ただちにマケドニヤに
渡って行くことにした。」
パウロたちは,ムシヤ
(現在のトルコ共和国西部)
のあたりから,
東方のビテニヤへ行こうとした。
しかし,イエスの御霊によって
禁じられました。
そこで彼らは,
西方の海岸都市トロアスに下って行きます。
トロアスでパウロは夢を見ました。
その夢により彼らは,
船でマケドニアに渡って行きます。
こうして,
最初のヨーロッパ伝道が始まりました。
☆
パウロはピリピで,牢獄に入れられます。
彼らは,神に祈り,賛美しました
彼らの祈りと賛美は,
神の慰めの深さと確かさを,
牢獄全体に満たします。
他の囚人たちも,聞き入っていました。
すると,神は「大地震」を起し,
全囚人の鎖を解きました。
(使徒16:25,26)
「真夜中ごろ,
パウロとシラスとは,
神に祈り,
さんびを歌いつづけたが,
囚人たちは耳をすまして
聞きいっていた。
ところが突然,
大地震が起って,
獄の土台が揺れ動き,
戸は全部たちまち開いて,
みんなの者の鎖が
解けてしまった。」
☆
つづいて,
獄吏に次のようなことが起きます。
(使徒16:29-31)
「すると,獄吏は,
あかりを手に入れた上,
獄に駆け込んできて,
おののきながら
パウロとシラスの前にひれ伏した。
それから,
ふたりを外に連れ出して言った,
『先生がた,
わたしは救われるために,
何をすべきでしょうか』。
ふたりが言った,
『主イエスを信じなさい。
そうしたら,
あなたもあなたの家族も
救われます。』」
この時,獄吏は信仰に入ります。
○
使徒17章
アテネでのパウロの説教
(使徒17:22-24)
「そこでパウロは,
アレオパゴスの評議所の
まん中に立って言った。
『アテネの人たちよ,
あなたがたは,
あらゆる点において,
すこぶる宗教心に
富んでおられると,
わたしは見ている。
実は,わたしが道を通りながら,
あなたがたの拝む
いろいろなものを,
よく見ているうちに,
『知られない神に』と
刻まれた祭壇もあるのに気がついた。
そこで,あなたがたが
知らずに拝んでいるものを,
いま知らせてあげよう。
この世界と,
その中にある万物とを造った神は,
天地の主であるのだから,
手で造った宮などには
お住みにならない。』」
使徒パウロは,
ユダヤ人にはユダヤ人向けの説教を,
ギリシャ人には
ギリシャ人向けの説教をしました。
パウロは自分を「異邦人の使徒」と呼んで,
異邦人に福音を伝えます。
○
使徒18章
パウロ,アンテオケに戻る
(使徒18:18)
「さてパウロは,
なお幾日ものあいだ滞在した後,
兄弟たちに別れを告げて,
シリヤへ向け出帆した。
プリスキラとアクラも同行した。
パウロは,かねてから,
ある誓願を立てていたので,
ケンクレヤで頭をそった。」
パウロは,ケンクレヤで髪をそりました。
これは,ナジル人の誓願です。
ナジル人の誓願は,
自分の生涯を神にささげることを
表すものです。
○
使徒19章
エペソでの宣教
(使徒19:1,2)
「アポロがコリントにいた時,
パウロは奥地を
とおってエペソにきた。
そして,ある弟子たちに出会って,
彼らに
『あなたがたは,
信仰にはいった時に,
聖霊を受けたのか』と尋ねたところ,
『いいえ,
聖霊なるものがあることさえ,
聞いたことがありません』
と答えた。」
使徒18:24からパウロによる
第3回の伝道旅行が始まります。
パウロはエペソで,
12人の弟子たちに出会いました。
彼らはアポロから伝道を受け,
キリストを信じていたものの,
聖霊についてはまだ何も知りませんでした。
彼らはまた,
ヨハネの悔改めのバプテスマを
受けていましたが,
イエスの御名による
バプテスマを受けていませんでした。
パウロがこの人たちに手を置くと,
この人たちは聖霊のバプテスマを受けます。
聖霊が下ったことは,異言を語り,
預言をしたことによって,わかりました。
(使徒19:6)
「そして,
パウロが彼らの上に手をおくと,
聖霊が彼らにくだり,
それから彼らは異言を語ったり,
預言をしたりし出した。」
○
使徒20章
パウロ,エペソの長老たちに別れを告げる
(使徒20:35)
「わたしは,
あなたがたもこのように働いて,
弱い者を
助けなければならないこと,
また『受けるよりは与える方が,
さいわいである』
と言われた主イエスの言葉を
記憶しているべきことを,
万事について
教え示したのである。」
パウロは,
ミレトスからエペソに使いを送って,
教会の長老たちを呼び,
エペソの長老に最後の説教をしました。
○
使徒の働き(使徒21-28章) 口語訳
使徒21章
パウロ,エルサレムに帰る
(使徒21:13)
「その時パウロは答えた,
『あなたがたは,泣いたり,
わたしの心をくじいたりして,
いったい,
どうしようとするのか。
わたしは,
主イエスの名のためなら,
エルサレムで縛られるだけでなく,
死ぬことをも
覚悟しているのだ。』」
パウロは迫害をものともせず,
むしろ迫害を,
福音を語るための機会ととらえ,
エルサレムに行きます。
○
使徒22章
パウロと千人隊長
(使徒21:30-33)
「そこで,市全体が騒ぎ出し,
民衆が駆け集まってきて,
パウロを捕え,
宮の外に引きずり出した。
そして,
すぐそのあとに
宮の門が閉ざされた。
彼らがパウロを
殺そうとしていた時に,
エルサレム全体が
混乱状態に陥っているとの情報が,
守備隊の千卒長にとどいた。
そこで,彼はさっそく,
兵卒や百卒長たちを率いて,
その場に駆けつけた。
人々は千卒長や兵卒たちを見て,
パウロを打ちたたくのをやめた。
千卒長は近寄ってきて
パウロを捕え,
彼を二重の鎖で縛
っておくように命じた上,
パウロは何者か,
また何をしたのか,と尋ねた。」
エルサレムで人々はパウロを捕らえ,
千人隊長に引き渡します。
○
使徒23章
パウロ,最高法院で取り調べを受ける
(使徒23:11)
「その夜,
主がパウロに臨んで言われた,
『しっかりせよ。
あなたは,
エルサレムでわたしのことを
あかししたように,
ローマでも
あかしをしなくてはならない。』」
主イエスが夜,
パウロのそばに立って,
この言葉を語りました。
パウロがローマに導かれたのは,
迫害を通してでした。
○
使徒24章
パウロ,ペリクスの前で弁明する
(使徒24:21)
「ただ,
わたしは,彼らの中に立って,
『わたしは,
死人のよみがえりのことで,
きょう,
あなたがたの前で
さばきを受けているのだ』
と叫んだだけのことです」。
○
使徒25章
パウロ,皇帝に上訴する
(使徒25:10,11)
「パウロは言った,
『わたしは今,
カイザルの法廷に立っています。
わたしはこの法廷で
裁判されるべきです。
よくご承知のとおり,
わたしはユダヤ人たちに,
何も悪いことをしてはいません。
もしわたしが悪いことをし,
死に当るようなことを
しているのなら,
死を免れようとはしません。
しかし,もし彼らの訴えることに,
なんの根拠もないとすれば,
だれもわたしを
彼らに引き渡す権利はありません。
わたしは
カイザルに上訴します。』」
フェストは,
ローマの州総督ペリクスの後任でした。
このとき,
ユダヤ人はパウロを殺そうと謀ります。
一方でフェストは
ユダヤ人の歓心を買おうとしていました。
○
使徒26章
パウロの宣教の内容
(使徒26:1)
「アグリッパはパウロに,
『おまえ自身のことを話してもよい』
と言った。
そこでパウロは,
手をさし伸べて,
弁明をし始めた。」
パウロはアグリッパ王に弁明しました。
(使徒26:22,23)
「わたしは
今日に至るまで神の加護を受け,
このように立って,
小さい者にも大きい者にも
あかしをなし,
預言者たちやモーセが,
今後起るべきだと語ったことを,
そのまま述べてきました。
すなわち,
キリストが苦難を受けること,
また,死人の中から
最初によみがえって,
この国民と異邦人とに,
光を宣べ伝えるに至ることを,
あかししたのです。」
○
使徒27章
パウロ,ローマへ向かって船出する
(使徒27:9-11)
「長い時が経過し,
断食期も過ぎてしまい,
すでに航海が危険な
季節になったので,
パウロは人々に警告して言った,
『皆さん,
わたしの見るところでは,
この航海では,
積荷や船体ばかりでなく,
われわれの生命にも,
危害と大きな損失が及ぶであろう』。
しかし百卒長は,
パウロの意見よりも,
船長や船主の方を信頼した。」
パウロはローマ皇帝に上訴していたので,
ローマへ向かうことになります。
パウロは船が遭難すると言います。
○
使徒の働き28章
マルタ島で
(使徒28:3-6)
「そのとき,
パウロはひとかかえの柴を
たばねて火にくべたところ,
熱気のためにまむしが出てきて,
彼の手にかみついた。
土地の人々は,
この生きものがパウロの手から
ぶら下がっているのを見て,
互に言った,
『この人は,
きっと人殺しに違いない。
海からはのがれたが,
ディケーの神様が
彼を生かしてはおかないのだ』。
ところがパウロは,
まむしを火の中に振り落して,
なんの害も被らなかった。
彼らは,
彼が間もなくはれ上がるか,
あるいは,
たちまち倒れて死ぬだろうと,
様子をうかがっていた。
しかし,長い間うかがっていても,
彼の身になんの変ったことも
起らないのを見て,
彼らは考えを変えて,
『この人は神様だ』
と言い出した。」
パウロたちはマルタ島に着きます。
パウロは,まむしに取り付かれましたが,
「振り落として何の害も受けなかった」のです。
○
ローマで
(使徒28:30,31)
「パウロは,
自分の借りた家に
満二年のあいだ住んで,
たずねて来る人々をみな迎え入れ,
はばからず,
また妨げられることもなく,
神の国を宣べ伝え,
主イエス・キリストのことを
教えつづけた。」
パウロはローマに着き,裁判を待ちます。
2年間,ローマで宣教できました。
2018.11.23