ニーバーの祈り
「神よ,
変えることのできるものについて,
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては,
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして,
変えることのできるものと,
変えることのできないものとを,
識別する知恵を与えたまえ。
いっときに,一日だけを生き
いっときに,一瞬だけを喜ぶ。
苦しみも平和へ続く道として受け入れ
イエスの如く,
この罪深い世界をあるがままに理解して後悔せず
主の意志に身をゆだねれば,
すべてをあるべき姿にしてくれると信じて
そして,現世では適度の幸福を
来世では,
主と共に至高の幸福を感じることができるように。
アーメン」
ラインホールド・ニーバー(大木英夫 訳)
解 説
アメリカの神学者,倫理学者ラインホールド・ニーバー(1892-1971)が,
マサチューセッツ州西部の山村の小さな教会で1943年の夏に説教したときの祈り。
礼拝の後,ハワード・チャンドラー・ロビンズという人がこの祈りの原稿をもらった。
彼は,祈りを集めた小冊子を編集発行していた。
ロビンズは翌年,彼が編集した祈りの本の中に加えて出版した。
その時は,ニーバーの名は付されてはいなかった。
第二次世界大戦の中,この祈りが書かれたカードが兵士たちに配られた。
戦後になると,今度はアルコール依存症患者の断酒会のメンバーの目に留まり,
その断酒会のモットーとして採用された。
ニーバー自身がこの祈りを書物に著したのは1951年のことである。
このころには,この祈りはすでに広く知れ渡っていた。
そして,1961年,グリーティング・カードを出版しているホールマーク・カード社が
この祈りの版権をニーバーから取得している。
God, grant me the SERENITY to accept the things I cannot change;
COURAGE to change the things I can;
and WISDOM to know the difference.
Living one day at a time,
Enjoying one moment at a time;
Accepting hardship as the pathway to peace.
Taking, as He did, this sinful world as it is, not as I would have it.
Trusting that He will make all things right if I surrender to His Will;
That I may be reasonably happy in this life, and
supremely happy with Him forever in the next.
Amen
2014-04-05