泌尿器科が好きなタダのおっさん

_とある医局の風景をつづります_

阿呆という心意気

2012年06月02日 22時51分10秒 | 学会

「くりぼう」です。6月1日~2日の2日間にわたり「老年泌尿器科学会」が開催され、私も参加してまいりましたので、今回は学会見聞録の形式でお届けしたいと思います。若干長くなりますが、お暇な方は最後までお付き合いくださいませ。

 

今回の開催地は徳島市。5月31日に神戸で前泊し、開催当日の朝にバスで徳島へ向かいました。北陸からみた四国というのは、飛行機や新幹線で直行できないという時間的距離のためか、随分遠いイメージがありました。しかし実際には、神戸市内中心部から高速バスで1時間40分と、思ったほど遠くありません。淡路島を横断(縦断?)し、渦潮で有名な鳴門海峡を越えれば開催地はもう目の前です。

お昼前に徳島駅に到着し、ホテルに荷物を預けてから学会場へ。駅前のヤシの木は南国ムードを漂わせ、たまに本物のお遍路さんとすれ違ったりして、徐々にテンションも上がってまいります。

今回は老年泌尿器科学会ということで、特定の領域に限られない幅広い分野の発表を聴くことができましたが、内容は決して広く浅くではありません。高齢者への泌尿器科診療という共通のテーマの中で高齢者特有のトラブルや注意点について議論がなされ、認識を新たにさせられます。他にも、高齢者への治療介入の是非、つまり比較的若い患者さんに対しては普通になされている治療が、例えば70代後半くらいの高齢者に対しても妥当かどうか、といった切り口でも議論が交わされ、非常に興味深く拝聴しておりました。

 

その後、同行メンバーである病棟看護師さんの発表もつつがなく終わり、会場を移して懇親会へ。

期待通りの豪華な食事、酒。肉も魚も旨い。あと、初めて食べたのですが、どこか懐かしくてほっとする味の徳島ラーメン。素晴らしい懇親会です。

そして、徳島、阿波といえば何と言っても阿波おどりですね。

地元には「連」とよばれる踊り手の集団がたくさんあり、例えば医学部ひとつとっても、各診療科ごとに連をつくって練習しているそうです。

ちなみに、今回学会を開催・運営なさった徳島大学泌尿器科のスタッフが形成している連は、その名も「珍宝連」。その強烈なネーミングセンスから地元でも結構有名な連らしいですが、発足が昭和39年ということですから、半世紀近い歴史です。

写真は地元の有名連のひとつ「蜂須賀連」のみなさんによる阿波おどりの一幕。軽快な伴奏に乗って、女性は艶っぽく上品に、男性はときに勇猛ときに滑稽に踊ります。踊り手の表情がいいんですよ。誇り高い阿呆ってやつで、粋ですよね。

 

やがて懇親会会場全体が独特なムードに包まれ、誰もが知っているあの教授もこの先生も「同じ阿呆なら踊らな損々」とばかりに踊りの列に加わっていくのですが、こんな熱気に満ち溢れた懇親会はちょっと記憶にありません。来た甲斐があったというものです。

 

翌日、阿波おどりにすっかり魅せられた私「くりぼう」は、今回のメンバーのリーダーであるK先生の勧めで、観光スポットのひとつである「阿波おどり会館」へと赴き、ふたりで踊りの講習を受けてまいりました。

「手を上げて足を運べば阿波おどり」という言い伝えのとおり、運動センスゼロの私でも何となくそれっぽく踊れます。パットゴルフ以外、あらゆるスポーツがモノにならなかった私にとって、これは励みになります。また、連長のおじさんの指導がとても上手で、観光客の心を惹きつけます。これは医師として見習わねば。

最後、舞台で一生懸命踊った3名が表彰されたのですが、実はそのうちのひとりが私。表彰状なんて随分久しぶりです。以前に本ブログで投稿したように、おそらく小学校1年生のときの版画コンクール以来でしょう。

 

そんなわけで、阿呆であることに誇りを持って毎日練習を重ねる地元の踊り手の心意気に刺激され、また四半世紀ぶりの表彰状にすっかり気分を良くして、5時間程度かかる帰路も心軽やかでありました。今でも、気がついたら足が2拍子踏んで、そのまま思わず手も上がってしまいそうな状態の私ですが・・・・たまには、学会に行って阿呆になって帰ってくるのも悪くありませんよね!

 

 

 

 

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Uryyyyyyyyyyy (コロコロピン)
2012-06-04 07:25:41
おつかれさん
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Unknown (つぶやき)
2012-06-04 13:31:16
懇親会で阿波踊り、いいですね!

そのうち、飲み会で披露してください~
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Unknown (使徒)
2012-06-04 21:42:01
阿波踊りいいですよね。過去に一度見に行ったことがありますが、女性の踊りは特に色っぽくて魅了されました。また機会があれば見に行きたい踊りの一つです。
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Unknown (くりぼう)
2012-06-05 13:13:06
踊りの列に加わるのは簡単ですが、衆人環視の中で下手な踊りをするのはなかなか難しいです。

その場合、多少酒の力も借りることになりますが、酩酊状態で粋な阿呆とただのアホとの境界線を見出すことができるかどうかですね(自分には無理やろな)。

まあ、伴奏も重要なので、使徒先生の言うように本物を見に行って自分も踊るのがベストでしょうか。
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くりぼう先生へ (白衣の天々)
2012-07-07 21:13:06
学会、ご苦労様でした。
ものすごく楽しい懇親会でしたね。
すっかり阿波踊り好きになっちゃいました。
何気なく観た、徳島TVの『みんなで踊ろう阿波サンバ』では、幼稚園児の高いクオリティーの踊りに驚かされました。くりぼう先生の軽やかなステップには、もっと驚かされました。さすがに表彰状をもらうだけのことはありますね。
徳島の学会では、見事な『引率のお兄ちゃん』ぶりを発揮して下さり、ありがとうございました。早めに到着して入念に下見をしてくださっていたと知り感激しました。
もし、くりぼう先生2号が旅行会社に就職していたら、トップセールスマンになっていると思います。
また学会でご一緒することがありましたら、『引率のお兄ちゃん』をよろしくお願いします。
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コメント有難うございます (くりぼう)
2012-07-08 11:11:21
白衣の天々さま

心のこもったコメント、有難うございます。
それにしても今回の学会、本当に楽しかったですね!

今頃徳島では、1か月後に控えた本番に向けて、みなさん必死に(だけど笑顔で)練習に励んでいることでしょう。

観る人の心を惹きつけるというのは、その裏に、我々の想像以上の苦労や練習があればこそ。
学ぶことの多い学会だったと回顧しております。我々も、今後の日常診療に生かしていきたいものですね。
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