フルマラソン当日朝の過ごし方(ウォームアップ)

2013年12月20日 | Competitor Running
…という"Competitor Running"誌の記事です。

吾輩も3日後は宝塚ハーフマラソンです。この記事の内容を実践してその効果を確かめてみます。

フルマラソン当日のウォームアップ
by Jeff Gaudette, Dec. 02, 2013


 レースは、スタートラインに立つ前から既に始まっている

 大半のランナーは、レース前にウォームアップする重要性を理解している。ウォームアップをすることで、深部体温が上昇し、その結果
・血流が促進され、身体の隅々まで酸素が供給される
・下肢の筋緊張が緩和される
・神経系が活性化され、筋肉の収縮能/パワー発揮能が向上する
となり、身体能力を最大限発揮する準備が整う。

 しかし、ウォームアップを完璧に実行するにはエネルギーを必要とする。距離が短いレースであれば、グリコーゲンが枯渇することを心配する必要は無いので、この点は問題にならない。だがフルマラソンでは、エネルギー源(特に筋肉/肝臓に貯蔵されているグリコーゲン)を温存することが大切となる。

 ではこれから、フルマラソンに備えてエネルギー源を温存しつつ、身体能力を最大限発揮する為の準備を整えるウォームアップ方法について見ていこう。

起床直後からウォームアップを始める


 フルマラソンに備えたウォームアップは、スタートの数時間前から始める。まず、少なくともスタートの2時間30分前には起床すること。ちょっと早過ぎるように思うかもしれないが、睡眠時間が1時間位短くても、身体能力には悪影響は出ない。それ以上に大事なのは、体温を上げて体をきちんと目覚めさせるには数時間を要することだ。

 起床したら直ぐに、ランニングウェアに着替え、ランニングシューズを履き、玄関を開けて軽くジョグしに行こう(ウォーキングでも可)。

 ここでは、強度を上げて走る必要は無い。ジョグの目的は、血流を促進し、身体の隅々まで血液(と酸素)を送り込む事である。なので、本当に軽いジョグで充分である。時間は10分間程度とし、身体が硬いなと思えば途中でストレッチングする。済んだら宿舎に戻り、朝食を摂り、シャワーを浴び、レース会場へ行く準備を整えよう。

 この「朝ジョグ」では
・中枢神経系が刺激される
・筋肉へ血液が供給される
・神経系の興奮が収まる
といった効果が期待出来る。そしてより重要なのは、朝早く起きることで、ウォームアップ後に休養/栄養補給する時間が確保出来、体内に貯蔵されているグリコーゲンを消費せずに済むことである。

 「朝ジョグ」が済んだら軽く朝食を摂り、シャワーを浴び、リラックスしよう。朝早く起きたらそれでも時間が余るだろうので、ストレスを感じずにスタート地点に向かえる。

レース会場でやるウォームアップ


 恐らく、スタート時間よりかなり早くレース会場に到着しているだろうので、ここで一番気になるのは、身体を冷やさないようにし、エネルギーを温存することであろう。出来れば、使い捨ての上着を着用するのがベストである。身体が温まっている程、体温を維持する為にエネルギーを消費する必要は無くなる。

 次に重要なのは、両脚を最適な状態にすることである。臀筋群に働きかける動的ストレッチ(ランジ等)をすることで、拮抗筋の抵抗を減らし、ランニング効率が向上する。これはレース前半の準備というだけでなく、レース後半での筋痙攣を防止する上でも重要である。

 また、レース会場で静的ストレッチをするだけの場所を確保するのは大変な場合が多いので、その点でも動的ストレッチはレース前のウォームアップとして最適である。動的ストレッチは5分間程度で完結するし、場所もそれ程必要としない。

 ウォームアップとしてどの種目が最適か、ということは人それぞれである。確かにランジ群(フロントランジ、サイドランジ、ランジ+体幹捻り等)は有効な種目であるが、足首を捻る/脚を前後に振る/スキップするといった種目も役に立つ。

 ここで大事なのは、レース当日になって初めて動的ストレッチをやる、というのではダメだということである。そんなことをすると、筋肉痛が発生する危険性がある。なので、普段のトレーニング時から動的ストレッチ種目に親しんでおこう。

 代謝系(循環器系/呼吸器系など)については、距離の短いレースのようにしっかり準備する必要は無い。フルマラソンでは、最初の3km程度をそれらのウォームアップに充てられるからである。また、フルマラソンでは最初はゆっくりしたペースで走るのが望ましい。最初から速過ぎるペースで走るのは、よくやりがちな誤りである。

 フルマラソンでのウォームアップを軽んじてはならない。レースの為に、これまで数ヶ月間頑張ってきたのである。貯蔵エネルギーを温存しつつ、運動能力を最大限発揮出来るようにする為に、身体全体を調整しよう。


 
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「身体を回復させる」を考える前に出来る事

2013年12月20日 | Competitor Running
…という"Competitor Running"誌の記事です。

なんだか、弊堂の商売敵みたいな内容ですが、お客様のお役に立てるなら掲載します。

特に、コンプレッション・ソックスを履いておられる方、感想を御教示頂ければ幸いです。

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明日のトレーニングのために、今日やっておくこと
by Matt Fitzgerald


 回復させる必要性を低減出来る時に、どうして回復手法のことを考えるのか?。

 ラントレーニング後の回復が重要であることは、全てのランナーが理解している。次のトレーニングをきちんと遂行する為には、今日のトレーニングで発生した脱水状態/筋グリコーゲンの枯渇状態/筋組織の破壊/その他トレーニングのストレスによってもたらされる負の状態を元に戻す必要がある。

 ランナーが回復について考える際、最初に頭に思い浮かぶのは「上記の状態は不可避なもの」という事である。その結果、既に至ってしまった状態を元に戻す為の手法(アイスバスで冷却する/プロテインドリンクを摂取する等)を実践し、次のトレーニングに備えようと考える。ここで、回復の必要性を最小限とする方向で今日のトレーニングを工夫することで、翌日のトレーニングでの運動能力を増大させようという考え方は、普通は頭に浮かんでこない。しかしながら、それは可能なのだ。

 ラントレーニング後の回復の必要性を最小限とする最も簡単な方法は、今日のラントレーニングを低強度で行うことである。仮に、高強度の16km走の代わりに低強度で1.6kmを走ったら、身体は直ぐに回復するだろう。しかしそんなことを毎日続けていたら、運動能力は向上しない。筆者がここで言いたいのは、そんなことではない。筆者がここで言いたいのは、高強度のラントレーニングの実践中に出来る、トレーニングによってもたらされるストレスの効果を最小限とするための方法について、である。

 高強度のラントレーニング(に伴い地面から受ける衝撃)によってもたらされる筋損傷を低減させ得る手法の一つは、ウォームアップである。高強度のラントレーニングを行う前にきちんとウォームアップをしておけば、筋損傷の程度は軽微となり、ラントレーニング終了から24時間後の筋肉痛も軽度となる。この理由としては、高強度のラントレーニング前にきちんとウォームアップを行うことにより、筋繊維の伸展性が増大し、その結果トレーニングによってもたらされるストレスによる筋損傷が軽減される為と考えられている。

 トレーニングで筋肉が被る損傷を低減させる為の栄養摂取方法としては、トレーニング中に(炭水化物+タンパク質)を摂取することが有効とされている。例えば、2006年に発表された研究結果によると、高強度の自転車ロード練習中に(炭水化物+タンパク質)を摂取したサイクリストは、炭水化物のみを摂取したサイクリストに比べ筋肉の損傷が有意に軽度であった事が示されている(摂取物のエネルギー量は同一)。また、自転車ロード練習翌日にレッグエクステンションをさせた場合、(炭水化物+タンパク質)を摂取したサイクリストは、炭水化物のみを摂取したサイクリストに比べ有意により多くの回数をこなせた。この結果から、トレーニング中に(炭水化物+タンパク質)を摂取すると、トレーニングに伴う身体機能の喪失を低減させられると考えられる。

 普通のランナーは一般的に、回復と言えば、筋肉の損傷修復/筋グリコーゲンの再充填といった生理的な過程のことを考えるだろう。しかし、真に問題とすべきは、運動能力そのものである。仮にトレーニングの翌日に運動能力が低下しているのであれば、いくら筋肉が修復した/筋グリコーゲンが再充填されたとしても、身体がキチンと回復したとは言えない。トレーニングに伴う身体機能の低下は何としても避けねばならない。ならば、回復自体に重点を置くより、身体を回復させる必要性そのものを下げる方が得策である。

 身体を回復させる必要性そのものを下げるのに用いられ得る手法に付け加えたい物がもう一つある。Massey大学(オーストラリア)の研究グループは、ランニング能力/ランニング後の筋肉の機能に対する、段階的に着圧が変化するコンプレッション・ソックスの効果を調査した。12名のランナーを被験者とし、トラックで10,000mのタイムトライアルを4回実施した。その内3回は、コンプレッション・ソックスを履いて走らせた(計3種類のコンプレッション・ソックスを試したことになる)。残りの1回は、コンプレッション・ソックスを履かずに走らせた。その結果、コンプレッション・ソックスを履いても10,000m走の成績は変化しなかった。 

 しかしながら、コンプレッション・ソックスを履いて走った後では、跳躍力の低下が若干マシであった。この結果から、コンプレッション・ソックスを履いてラントレーニングをした場合、翌日のラントレーニングでも好成績を収められる=実りあるものとなる可能性が示唆された。また、常時コンプレッション・ソックスを履いてトレーニングすると、そうでない場合に比べ10,000m走の成績が向上する可能性も有ると推測される。
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ラントレーニングと筋力トレーニングの両立について

2013年12月19日 | Competitor Running
…という課題について、"Competitor Running"誌の記事が一つのアイデアを提案しています。

確かに、この考え方はメリハリを付けるという意味で合理的だと考えます。

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きついラントレーニングをこなした日に、きつい筋力トレーニングをする
by Jeff Gaudette, Dec. 13, 2013


 きついラントレーニングをこなした日に、筋力トレーニングをする効果について学ぼう

 筋力トレーニングに取り組む目的は、総合的な体力向上/爆発的パワーの養成/ランニング効率の改善/故障予防と人それぞれであろうが、大半のランナーは筋力トレーニングに取り組む重要性を理解している。しかし、筋力トレーニングの潜在的な効果は明確に理解していても、それをトレーニング計画の中にきちんと組み込んでいるランナーは殆どいない。

 なぜ筋力トレーニングをトレーニング計画の中にきちんと組み込んでいないのか?と尋ねられれば、大半のランナーは、その効果を最大限にする為にはどうやってトレーニング計画の中に組み込んだら良いのか分からないからだ、と渋々認める。特に、最大の疑問は、筋力トレーニングはラントレーニングがハードな日にやるのが良いのか、それともイージーな日にやるのが良いのか、ということであろう。ここがはっきりしていないから、ラントレーニングの後にわざわざ筋力トレーニングをやる意欲が沸かなくなる。

 この疑問に対する解答は単純である。つまり、「ハードに追い込む日は徹底的にハードに追い込み、身体を休める日は徹底的に身体を休める」である。この解答をどうやって実践すればいいのかを見ていこう。

ハードに追い込む日は、徹底的にハードに追い込む


 「ハードに追い込む日は徹底的にハードに追い込み、身体を休める日は徹底的に身体を休める」という考えの背景となる考え方は単純である。ハードに追い込む日に徹底的にハードに追い込むからこそ、身体を休める日に徹底的に身体を休められる、というものである。

 逆に、ラントレーニングがイージーレベルな日に筋力トレーニング(特に下半身)をハードにやると、身体が休まる時が無くなってしまう。だから、ラントレーニングがハードな日に筋力トレーニングもハードにやるのだ。

 ラントレーニングがハードな日に筋力トレーニングもハードにやることは、身体を休める時間を作り出すだけでなく、幾つかの利点もある。

利点(1):筋力トレーニングで身体に過剰な負荷をかけられなくなる
 トレーニング計画全体で最も大切なのはラントレーニングなので、ラントレーニングに全てのエネルギーを注ぎ、意識を向けるべきである。その結果、筋力トレーニングを行う時点では既に疲労しきっていて、身体に必要以上の過剰な負荷を掛けようとは思わなくなっていることだろう。

利点(2):より多くのカロリーが消費されると共に、回復が促進される
 ブリガムヤング大学の研究グループによると、(強度の高い有酸素運動→筋力トレーニング)という順番でトレーニングを行う場合で、トレーニング後の代謝が最も活性化される=カロリーが消費されるのだそうだ。
 同様に、ニュージャージー短大の研究グループによると、有酸素運動の後に筋力トレーニングを行うことで、心拍数/血中乳酸濃度はより速やかに安静時のレベルに戻る≒身体がより速やかに回復するとのことである。

「ハードな日は徹底的にハードに追い込む」事の欠点

 「ハードな日は徹底的にハードに、イージーな日は徹底的にイージーに」という考え方は、筋力トレーニングをトレーニング計画に組み込むのに最適なものではあるが、注意すべき幾つかの欠点もある。

欠点(1):筋力トレーニング種目のフォームに特別の注意を払う必要がある
 上述の通り、ハードなラントレーニングの後に筋力トレーニングを行う場合、筋力トレーニングの開始時には既に身体は疲労している。その結果、筋力トレーニングのフォームに特別の注意を払う必要が生じる。疲労が激しい程、つい手抜きをしてしまい、その結果怪我/故障が生じる危険性がある。
 この問題に対処するには、筋力トレーニング各種目を行う際には、正しいフォームを意識し、ゆっくりと身体を動かし、軽い負荷から始めるべきである。そうすることが、身体に最大限の負荷を勢い良く掛けるより、結果としてはずっと有効である。コーチや同伴者にフォームを見てもらうのは良い考えである。

欠点(2):ハードに追い込む日は時間がかかる
 大半のランナーは、ハードなラントレーニングには長い時間を掛けている。8kmを走るといっても、LSDなら単にゆっくり走るだけでいいが、インターバル走ならウォームアップ→ストレッチ→インターバル走8km(=1.6km×5本)→クールダウンとやることが多い。従って、その後にハードな筋力トレーニングを行うとなると、更に時間を要することになる。

 これについては、ラントレーニングと筋力トレーニングを別個に行うのが一つの解決方法である。つまり、ラントレーニングを午前中に、筋力トレーニングを午後/夕方にやるという具合に、である。一般的には、筋力トレーニングにはラントレーニング程長時間を必要としないので、仕事からの帰宅後/就寝前に何とか時間を捻出するのは可能であろう。

結論

 それでは、これから「ハードな日は徹底的にハードに、イージーな日は徹底的にイージーに」という考えを具体化しよう。以下のプランは、

・最もハードなラントレーニングの後に、ランニングに特化した/最もハードな筋力トレーニング種目を行う
・通常のラントレーニングの後に、中程度の強度の筋力トレーニング(基本的な体幹トレーニング/臀筋強化トレーニング等)を行う
・ラントレーニングの休養日/回復日に、故障予防の為の筋力トレーニング種目を行う

事を前提に設計している。 

トレーニング計画(例)
月曜日:イージーラン/体幹トレーニング(中強度)
火曜日:スピード練習/下肢トレーニング(高強度)
水曜日:オフor回復ラン/故障予防トレーニング(低強度)
木曜日:イージーラン/体幹トレーニング(中強度)
金曜日:テンポ走/爆発的パワーの養成トレーニング(高強度)
土曜日:ラン/自体重を負荷としたトレーニング(中強度)
日曜日:長距離ラン+スピード練習+フォームチェック/(特に記載なし、休み?)

 ラントレーニングと筋力トレーニングを両立するのに苦労しているのであれば、一度この「ハードな日は徹底的にハードに、イージーな日は徹底的にイージーに」の考え方を参考にしてみてはどうだろうか。筋力トレーニングの効果を最大限に享受しつつ、次の強度の高いラントレーニング迄に身体を回復させられることが可能となるのだから。


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今日「も」朝稽古休み/長距離ランナー向けのサーキット筋力トレーニング

2013年12月19日 | Competitor Running
もともとスケジュールとしても休養日でしたし、起床時の天気も小雨だったので、今日も朝稽古を休みました。

週明けの23日(月・祝日)に宝塚ハーフマラソンがあるので、明日と明後日に走り、22日(日)は休んで本番に臨みます。

※※
自体重を負荷とした筋力トレーニングに関する”Competitor Running”誌の記事です。

コンパクトにまとまっています。ご参考になれば幸いです。

長距離ランナー向けの、サーキット筋力トレーニング
by Mario Fraioli, Dec. 11, 2013


 これら8種目の筋力トレーニングによって、包括的な筋力/身体バランスが向上する

 ランニングを継続することで、脚力/心肺能力は向上する。しかし、ランニングでは身体の他の部位の筋肉は鍛えられない。30~45分間/回×1~2回/週のペースで基本的な筋力トレーニングをすることで、全身の筋力バランスが整うと共に、オーバーユースによる故障が発生する危険率が低減する。特に道具は不要である。自体重/ダンベル一組/バランスボールがあれば十分である。基礎的持久力養成期間に於いてランニングをしない日に筋力トレーニングを行うのが望ましい。

 各種目間の休養時間は1~2分間とする。最初は各種目を1セットするところから始め、馴れるに従って3セットまで増やしていこう。

(1)懸垂(pull-ups):動画はこちら
 鉄棒を利用する。両手の間隔は肩幅よりやや広めとする。腕は伸ばす。顎が鉄棒と並行になるまで身体を引っ張り上げる。3~5回/セット行う。

(2)片脚でのデッドリフト(Single-Leg Deadlifts):動画はこちら
 右手に4.5~9.0kgのダンベルを持ち、左脚だけで立つ(膝は軽く曲げておく)。右腕を伸ばしたまま、左脚の股関節を屈曲させてダンベルを床に近づける。この時、右足は後方に伸ばし、背筋は伸ばしておくことに留意する。視線は前に向ける。ダンベルが床に触れるか触れないかまで下ろしたら、左股関節を伸展して元の立位に戻る。左脚に付き10回/セット行ったら、右脚についても同様に行う。

(3)腕立て伏せ(Pushup Matrix):動画はこちら
 この種目には、3つのポジションがある。つまり、
1:両手を肩幅程度拡げる(普通の腕立て伏せ姿勢)
2:右手と左手を、右手を上にして重ねる
3:右手と左手を、左手を上にして重ねる
である。各ポジション毎に5回/セット行う。より高度な方法としては、バランスボールの上に手を置いて行う方法もある。

(4)プランク(Plank Matrix):動画はこちら
 この種目でも、3つのポジションを行う。つまり、
1:うつ伏せになり、両腕の前腕を床に着ける(両腕の幅≒肩幅)。この姿勢を1分間維持する。
2:胴体の右側面を下に向け、右前腕を床に着ける。この姿勢を30秒間維持する。
3:胴体の左側面を下に向け、左前腕を床に着ける。この姿勢を30秒間維持する。

(5)ハムストリング・カール(Hamstring Curls):動画はこちら
 床に仰向けに寝て、両足の踵をバランスボールの上に載せる。踵でバランスボールを押すようにして、両脚が伸び切るまで腰を持ち上げる。数秒間その姿勢を維持し、元の姿勢に戻る。これを20回/セット繰り返す。

(6)バーピー(Burpees):連続写真はこちら
 立位になる。そこから床にしゃがみ、脚を伸ばして腕立て伏せの姿勢になる。この姿勢を2秒間維持し、そこから床にしゃがんだ姿勢に戻り、ジャンプして元の立位に戻る。

(7)自体重を負荷としたスクワット(Bodyweight Squat):連続写真はこちら
 両足を肩幅に開き立つ。踵に重心を置く。両腕を体の前に伸ばし、座るイメージで腰を下ろす。この時、背中は伸ばし、踵に体重を載せる。膝関節が90°となった状態を3秒間維持し、その後元の姿勢に戻る。10~15回/セット行う。より重い負荷を掛ける場合は、4.5~6.75kg程度のダンベルを両手に持って行う。
 
(8)リバース・ディップ(Reverse Dips)
 座面の高さが90cm程度の椅子を背に立つ。両手を座面に置き(手の幅≒肩幅)、両足を60~90cm程度前に出す(この時、踵が床に着き、爪先は上を向いている)。ここから両肘の関節が90°屈曲位となる迄上体を下ろし、元の姿勢に戻る。これを10~15回/セット繰り返す。

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脚に優しい着地方法を覚え、故障を減らす

2013年12月16日 | Competitor Running
…という"Competitor Running"誌の記事です。

「急がば回れ」と言う通り、故障の少ないフォームを体得し、それを守って練習を重ねればその内に自然と速く走られるようになる、というのが大切ですね。

この裏返しである「痛みをこらえて頑張っても仕方ない」という考えには同意します。

優しく着地すると、故障し難くなる
by Matt Fitzgerald, Dec. 12, 2013


 故障しがちな人は、歩幅を狭めて優しく着地してみよう

 ランナーが着地時に地面から受ける衝撃は人によって様々である。この着地時の衝撃の大小に関与する主な要因は2つ(体重とランニングスピード)であるが、これを一定としても、やはり着地時の衝撃は個人差が大きい。これについては、着地の仕方に問題があることが考えられる。

 ランニング動作を見ても着地時の衝撃が大きいかどうかはわからないが、故障歴を見たら大体のことは分かる。ある研究では、着地時の衝撃が大きい人はオーバーユースによる故障(足底筋膜炎/シンスプリント等)が発生する危険率が大きい事が明らかとなっている。

 一方で、着地時の衝撃が少なくなるような走り方は学習によって獲得出来ることが明らかにされている。例えば、2010年に発表された研究結果によると、デラウェア大学(University of Delaware)のIrene Davisは視覚的に結果をフィードバック出来る装置を利用し、着地時の衝撃が大きい被験者10名をトレーニングした。トレーニング終了から1か月後に調査してみると、学習した「着地時の衝撃が少ない走り方」はちゃんと再現出来ていた。

 Davisによると、着地時の衝撃が少ない走り方を学習するのに、上述のような装置を利用する必要は無いとのことである。
 
 彼女は「ランニングスピードを変えずに、単位時間当たりの歩数を多くすれば良い」と語る。

 例えば、1分間当りの歩数(以下”歩/分”と表記)が75歩/分だったとすると、まずはそれを10%増しの82~83歩/分にしてみる。結果的に歩幅は短くなり、着地の仕方もそれまでの踵着地から足底全体で着地するようになる。

 勿論、余り故障しない人はこのようなフォームの変更に取り組む必要は無い。というのも、自然に体得したフォームを変えるのは必然的にランニング効率の低下につながるからである。

 筆者の経験を紹介する。2年前に左アキレス腱を痛めた時、筆者はより優しく着地するようにフォームを変えたが、その結果としてそれ迄の「自然な」フォームを失ってしまった。そこで筆者は東ミシガン大学(Eastern Michigan University)のStephen McGregorの研究室を訪問した。McGregorは私に、トレッドミル上で新旧それぞれのフォームで走るように指示した。その結果、着地時の衝撃はかなり減少した一方、同時にランニング効率も低下したことがグラフで示された。

 McGregorは「最適な身体能力という視点からすると、最も速く走る方法が最も適切な方法とは限らない。故障が無い状態が続いた結果として身体能力が向上すれば、その結果としてランニングスピードは自然と向上する」といい、私を励ました。
 
 あなたもそうなりますように。
 

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食べ過ぎていませんか?

2013年12月16日 | Competitor Running
…という"Competitor Running"誌の記事です。

確かに、それこそ宣伝広告は氾濫しています。
今、改めて食欲に向き合うことは大切でしょうね。

「ちょっと減らしてみる」のがキモです。

まだ食べ過ぎていませんか?
By Matt Fitzgerald, Dec. 10, 2013


 「快楽の為の食事」によって、ランナーを含め多くの人が健康的な体重を実現出来ていない。

 食事の量は、人の内在的な要因(例:空腹ホルモンの影響など)だけでなく、外在的な要因(食物の入手し易さ/宣伝広告など)にも影響されるというのは周知の事実である。専門家達は、アメリカ社会における安価な食材の氾濫/宣伝広告の遍在等が人をして過食に走らせていると考えている。

 ランナーは、そうでない人に比べこれらの要因に対し敏感である。事実、ランナーの一部は、高レベルのトレーニングの結果としての食欲の亢進/快楽の追求としての食事に対し過剰なほど反応しがちである。ランナーは一般人に比べトレーニングのお陰でそれ程肥満には成り難いが、ランナーとしての目標は単に痩せるより高尚である。つまり、ランナーとしての目標はレーシング・ウェイト(訳者注:レースという場における理想的な体重のことです)を実現することであり、その為にランナーは、必要以上に摂食する事を誘起するような周囲の環境からの影響に抵抗する必要が生じる場合もある。

 周囲の環境が人を「快楽の追求としての食事」に導くということに関する新たな研究結果が、イタリア人研究チームから報告された。彼らの実験は、健康的な体重≒肥満でない成人男女を被験者とした。まず最初に、標準的な朝食を摂取させ、その時点での空腹程度を点数化させた。1時間後、被験者の前に被験者の好物を提示し、空腹程度を点数化させた。次に日を改め、実験を繰り返した。但し、2回目の実験においては、朝食から1時間後に被験者が嫌う食べ物を提示した。

 被験者は、1回目の実験(好物を提示された)では急激に食欲が亢進した。しかし2回目の実験(嫌いな食べ物を提示された)では、食欲は亢進しなかった。この結果は、空腹ホルモンである血液中のグレリン(ghrelin)濃度の変化でも裏付けられた。

 現実の世界では、朝食の1時間後に誰かがあなたの好物を持って現れるなんてことはまず無いだろう。しかし今のアメリカ社会は、多種多様な狡猾な方法で人に過食を薦めている状態である。例えば、1980~2000年にかけ、レストランで提供される食事/スーパー等で売られているお惣菜の一人前の量は、食品価格の低下に伴い有意に増大した。それは、そうすることが顧客にとっての「価値」を提供する方法の一つだったからである。”Mindless Eating”の著者Brian Wansinkを始めとする研究者らは、人間が本質的には「出された物は全て食べる」生き物であることを立証した。つまり、人間は空腹でなくとも、眼前に出された物は全て食べる傾向があるのだ。なので、消費者は提供される食事の量が増えれば食べる量も増え、その結果として体重が増加する。

 現代のアメリカ人の大半は、「快楽の追求としての食事」に対しある程度の罪悪感を抱いているように思われる。そうでない(から体重が殆ど増えない)人もいる一方で、慢性的に食べ過ぎて、それに対し健康的な体重になろうと悪戦苦闘している人もいる。

 スポーツ栄養学者/”Racing Weight”シリーズの著者として筆者は、アスリート達に対し減量したいのであれば、食事の量を減らすのでなく、食事の内容を改善することに注目することを薦める。ただ、中には食事量そのものを減らす必要があるアスリートも存在する。実は、筆者もその一人であった。

 今年の3月に開催されたL.Aマラソンの2週間前、筆者の体重は(レーシングウェイト+2.3kg)であった。この余計な2.3kgを減らそうと必死になったが、その時点で既に食事内容を改善する余地はなかった。なので筆者は、食事量を減らすことを決心した。ただ、減らす量は控え目にした。というのも、摂取カロリー量を急激に減らすとトレーニング自体に悪影響が及びかねないことを理解していたからである。そこで筆者は、間食を止めることにした。筆者の間食(ナッツ類、果物類)は完璧に健康に良い物であったが、それらを止めることで250kcal/日を減らすこととなった。

 最初は精神的に少しおかしくなるかもと危惧していたが、結果としては何も起こらなかった。それ迄は、空腹感を覚えたら直ぐに間食をつまみ食いしていた。減量期間の2週間においては空腹感を無視したが、その内に空腹感がだんだん強くなるかもと予想していた。しかし、筆者の予想は外れた。そこで筆者は、以前覚えていた空腹感は、空腹状態から生じたものでなく、「快楽の追求としての食事」に対する欲求を代弁したものであると結論付けるに至った。

 さて、読者は慢性的に僅かな過食を続けることで、レーシングウェイトの実現から遠ざかろうというのだろうか。そうかもしれないし、そうでないかもしれない。過食を止められそうだというのであれば、是非試してもらいたい。まず最初に、食事内容をもう一度改善出来ないかどうか精査してみよう。その上で、食事の量を少し減らしてみよう。具体的には、自らの食欲に注意し、真に空腹を覚えていなければ食べるのを止めよう。この結果がどうなるかは神のみぞ知る、であるが。



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今日は雨で休み/Hansons式テンポ走について

2013年12月13日 | Competitor Running
朝食を食べて、仕事場で食べる昼食&夕食を作って、洗濯物を干してイザ!と玄関を開けてみると、雨が…。
ということで、そのままコタツへUターンしてしまいました。

この時期、雨で濡れると風邪をひくかも知れませんし…、と大人の判断も下りました。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
テンポ走について"Competitor Running"誌の記事です。

サブ4狙いだと5分40秒/kmみたいですが、これだと大阪城公園の外周を20分24秒/周で走ることになり、感覚的にはわりとゆっくりペースかと思います。
その分、最終的には16km≒5周弱を走ることにはなりますが、これだとテンポ走と言うよりかむしろレースペース練習になる気がします。

ちょっと眉唾的な記事かもしれません。
ご参考まで。

テンポ走トレーニングについて:Hanson式の紹介
by Luke Humphrey, Dec. 11, 2013


 昔から、テンポ走トレーニングは長距離走のトレーニング種目として不可欠な要素として認識されており、多くのランナーがテンポ走トレーニングに取り組んでいる。テンポ走の定義は様々であるが、Hanson式(”Hansons Marathon Method”)ではテンポ走のペース=フルマラソンでのレースペースと定義している。テンポ走に取り組む期間は数ヶ月に渡る
 
 ランナーにとって、ペースを感覚と摺り合わせることは最も難しいことの一つである。レースのスタート時点で調子が良く、仮に計画より20秒/km速いペースで走りだしたとすれば、折り返し地点では既にヘトヘトになっているに違いない。これ迄フルマラソンで、(前半のペース>後半のペース)という走り方で世界最高記録が樹立された例は無い。なので、フルマラソンで良い結果を出そうとするのであれば、レース全体を通じて一定のペースを維持するのが適切である。この点で、テンポ走トレーニングでは、ランニングペースをコントロールする能力が強化される。仮にそのペースがゆっくりだと感じられたとしても、大切なのはそのペースを維持することである。またテンポ走では、様々な飲料/ジェル食品/サプリメントを試してみる良い機会となり得る。というのも、テンポ走ではマラソンでのレースペースで走ることになるので、そのような状況で何が効いて何が効かないのかが判断出来る。この点については、ウェアやシューズ等の道具についても当て嵌まる。要は、テンポ走トレーニングは、レースのシミュレーションになるのだ。

テンポ走トレーニングの指針
 繰り返すが、Hansons式では「テンポ走のペース=マラソンでのレースペース」である。他のやり方では、テンポ走で走る距離はずっと短いし、ペースも乳酸閾値付近(最大心拍数の90±2%)であるが、Hansons式はこれらとは異なる。スタート時点ではややゆっくりだと感じられるかもしれないが、そのペースを維持することが肝心である。テンポ走でのペースを感覚として認識するには数多くの練習回数を要するだろうが、一旦習得すれば、練習全体を感覚でコントロールすることが可能となる。また、練習量は走行距離でコントロールすることになる。数週間毎に徐々に走行距離を延ばしていこう。具体的には、ビギナーは8kmから、経験者は10kmから始め、最終的には16kmを走る。なお最終的には、ウォームアップ&クールダウンを含め、総走行距離は20km程度とする。

テンポ走の方法例
 ここで示す例は、初めてor 2回目のフルマラソンに挑戦するランナーが基礎的持久力を養成する段階を想定したものである。

ウォームアップ :2~5km
テンポ走 :8km。ペースは以下の通り
サブ5:約7分/km
サブ4:約5分40秒/km
サブ3:約4分20秒/km
クールダウン :2~5km

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やっぱりちゃらんぽらんでした/故障を予防する食べ方

2013年12月12日 | Competitor Running
昨日のBlogで「明日はLSDラントレーニングを…」と書きましたが、今冬一番の寒さに負けました。

まぁ、ランニングと長く付き合うためには、これくらいのちゃらんぽらんさも必要かもしれません(と自分自身に言い訳しておく)。

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後半は"Competitor Running"誌の記事です。

当たり前、といえば当たり前の内容ですが、これが意外と抜け落ちてしまいます。
吾輩でも、何となくスピードが落ちたなぁ…という時はエネルギー摂取量(≒E.A.で評価)が少なくなっていたりします。
何度か試行錯誤して、適切な食事量を決めるのが大切なんでしょう。

故障リスクを低減させる食べ方
by Matt Fitzgerald, Dec. 11, 2013


 定期的にラントレーニングを実践しているランナーで発生しがちな、オーバーユースに伴う故障(ランナー膝/足底筋膜炎等)を予防する方法を考える時に、食事について考える人は少ないだろう。確かに、オーバートレーニング/ランニングシューズのサイズ間違いが原因で発生する故障の予防に食事が役立つとは考え難い。しかし、食事内容を改善することは故障予防方法としてはそこそこ合理的である。

 言うまでもないことであるが、身体は食べた物で出来ている。きちんと建てられた家は地震に強いのと同様に、きちんと食事を摂って出来た身体は頑丈である。以下に、故障の発生リスクを低下させるのに役立つ4つの食べ方を紹介する。

(1)カロリーはちゃんと摂取する
 故障の予防という観点からすると、「最悪の食べ方=カロリー摂取量が少ない」である。組織の維持/必要なエネルギーの供給に見合うカロリーが摂取出来ていなければ、身体は異化状態に陥る。異化状態とは、筋肉が自らを消費し始める状態である。その結果、組織がトレーニング時に受けた損傷を修復する能力は低下し、筋肉の回復は遅延し、故障の発生リスクは増大する。

 では、どうすれば適量のカロリーが摂取出来ているか判断できるのだろうか?。摂取した食材の質量を測り、カロリー計算をする必要は無い。その代わりに、運動能力/体重/体組成を定期的に記録しよう。適量のカロリーが摂取出来ていなければ、最初に現れる兆候は運動能力の低下である。そして身体が異化状態に陥っていれば、体重が減少する一方で体脂肪率は不変のままとなる。これは、身体が必要なエネルギーを産生するのに脂肪ではなく、筋肉を消費していることを示す。
 
(2)脂肪も忘れず摂取する

 今や脂肪は悪者呼ばわりされている。しかし、トレーニングで受ける衝撃に抵抗する為には健全な細胞膜が必要であるが、その為には脂肪を摂取する必要がある。また、特定の種類の脂肪は、抗炎症物質の生成に必須である。Buffalo大学で行われた最近の研究では、食習慣と故障状態について86名の女性ランナーにインタビューしている。その結果から、脂肪摂取量が故障状態を予見する指標になり得ることが明らかとなった。具体的には、脂肪摂取量が少ない女性ランナーは故障がちであった。

 逆に見ると、最も故障発生リスクが低い女性ランナーは、一日当たりの総エネルギー摂取量の30%が脂肪由来であった。なので、脂肪の種類(飽和脂肪酸/不飽和脂肪酸等)を適切に選択すれば、この程度の脂肪は摂取すべきであろう。なお、飽和脂肪酸の摂取量は、一日当たりの総摂取エネルギー量の10%未満とすること。また、不飽和脂肪酸を飽和脂肪酸の2倍程度摂取するように務めること。更に、出来ればω-3必須脂肪酸を3,000mg/日摂取するのが望ましい。

(3)カルシウムは継続して摂取する
 水泳/サイクリングをやっている人では、骨の歪み/疲労骨折は余り見られない。しかしそれらは、ランナー(特に骨密度が低い人)ではよく見られる現象である。これに対しては、カルシウムが解決の決め手となる。カルシウムの推奨摂取量は1,000~1,300mg/日であるが、現状では成人(訳者注:アメリカ人)のカルシウム摂取量は500~700mg/日である。低脂肪/無脂肪タイプの乳製品を3食分/日摂取すれば、カルシウム不足→骨関係の故障発生を予防出来る。また、サプリメントでカルシウムを摂取するのも有効である。

(4)トレーニング直後に食べる
 故障予防という観点からすると、「いつ食べるか」は「何を食べるか」と同じ位重要である。トレーニングで損傷した筋肉/関節は、トレーニング終了後の2時間以内においてその再生が最も盛んとなる。なので、この時間帯にきちんと食事を摂るのが必要となる。具体的には、その時間帯において最も摂る必要がある栄養成分は(タンパク質+炭水化物)である。その理由は、炭水化物を摂取することにより、筋肉のタンパク質合成が促進されると共に、消費した貯蔵グリコーゲンが再補充されるからである。
 
 アメリカ海兵隊の新兵を被験者としてある実験が行われた。この実験では、新兵訓練施設で54日間に渡って毎日行われる体力トレーニングの後に、
・実験群:(炭水化物+タンパク質)のサプリメントを摂取する
・対照群:炭水化物のサプリメントのみを摂取する
とさせた。その結果は、
・医療機関を受診した回数:実験群は対照群の2/3
・筋肉/腱の故障発生数 :実験群は対照群の37%減
・筋肉痛の発生数    :実験群<対照群
であった。
 巷には、トレーニングで損傷した筋肉の回復を促進することを謳った(炭水化物+タンパク質)のサプリメントも数多く販売されているが、そのようなものをわざわざ購入しなくても、普通の食材によって(炭水化物+タンパク質)を摂取するので十分である。例えば、低脂肪乳+七面鳥のサンドイッチ(パンは全粒粉パン推奨)といった感じで。そうすれば、運動後の空腹は満たされるし、美味しいし、故障の予防にもなると一石三鳥である。



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1日20分間以内で出来る、ランナー向けの筋力トレーニング

2013年12月11日 | Competitor Running
…という"Competitor Running"誌の記事です。

ダンベルがあれば、取り組む価値はある内容だと思います。
せめてクランチ&片脚ジャンプだけでもやる価値はありそうです。

…はい、わかりました。片脚ジャンプは自らの身体で効果を確かめてみます。

1日20分間以内で出来る筋力トレーニング
by Matt Fitzgerald


 筋力トレーニングをすることで、ラントレーニング量が減ってもランニング能力は向上することは既に証明済みである。にも関わらず、大半のランナーは筋力トレーニングを敬遠しがちである。どうすればいいのだろうか?。
 
 筋力トレーニングとラントレーニングを両立するには、短時間で効率良く筋力トレーニングを行うのが最適な方法である。幸運なことに、これは可能である。以下に4つの筋力トレーニング種目を掲載するが、これらを実行するのに要する時間は20分間以下である。それぞれの種目は、ランナーにとって最も必要とされる筋肉をピンポイントで強化する為に選択した。

 なお、
・ウォームアップとして(3)をごく軽い負荷で数回行う
・各種目はサーキット形式で行う
・種目間の休息時間=1分間とする
・2~3回/週行う
ようにする。

(1)スプリット・ダンベル・デッドリフト
  この種目は、ランニングに特化した形でハムストリング/大腿四頭筋/臀筋群を強化するものである。左右の脚を個別に鍛えられる/股関節を安定させる筋肉が鍛えられるという点で、通常のデッドリフトより優れている。

1:直立状態から、左脚を一歩後ろへ引く。右足底を床にベタっとつける。この時、左足は爪先だけが床面に着いている状態である。
2:右足の両側にダンベルを置く。
3:股関節/膝関節を屈曲し、両手でダンベルを掴む。
4:右足底で床を押すようにし、股関節/膝関節を完全に伸展する。この際、臀筋を使っていることを意識する。
5:直立した状態を数秒間維持し、その後股関節/膝関節を屈曲し、ダンベルを床に下ろすようにする。
6:ダンベルが床に着く直前で動きを止める。
7:1~6を10回繰り返す。
8:左右の脚を入れ替えて1~7を行う。

(2)ツイステッド・クランチ
 腹筋が強靭だと、上体と脚の間で力の伝達が効率良く行われ、ランニング能力が向上する。また、ランニング時における下部腰椎/骨盤/股関節の安定性が高まり、故障の発生リスクが低減する。この種目では深部腹筋(訳者注:腹横筋?)が鍛えられ、ランニング時の脚の運び方が改善される。

1:床に仰向けに寝て、膝関節を90°屈曲し、足底は床面にベタっと着ける。
2:腰を床面に押し付ける。なお、エクササイズ中腰が床面から離れないよう注意する。
3:右脚を股関節から屈曲し、右足首を左膝に接触させる。
4:右脚を元の位置に戻す。
5:右足底が床に着き次第、直ぐに3の動作を開始する。
6:3~6を12~20回繰り返す。
7:左右の脚を入れ替えて3~6を行う。

 なお、この種目が簡単に思えるのであれば、それは腰が床面から離れている可能性があるので注意すること。

(3)片手ダンベルスナッチ
 この種目は、ランナーにとって優れた上体の筋力トレーニングとなる。というのも、ちょっと逆説的であるが、上体のみを鍛える種目ではないからである。この種目ではランニング同様、上体と下肢を連動させる必要がある。言い換えると、ランニングと同様に、上体を重力に反する形で動かす動作
が含まれている。この種目で鍛えられるのはハムストリング/臀筋群/上背部全体(肩~腰)である。

1:両脚を広めに開いて立ち、脚の間にダンベルを置く。
2:膝関節屈曲位/股関節屈曲・前屈位で左手でダンベルを掴む。
3:左腕は完全に伸ばす。
4:膝関節/股関節を伸ばし(この時、ハムストリング/臀筋群/腰部筋群を動作させていることを意識する)、直立位となる。
5:次に腕の力でダンベルを肩まで持ち上げる。
6:ダンベルを頭上に持ち上げる。
7:6の状態で数秒間静止し、それまでと逆の動きでダンベルを床に下ろす。
8:2~7を数回繰り返す。
9:左右の手を入れ替えて2~8を行う。

 この種目で大切なのは、ダンベルを体の長軸(=身長方向)に沿って振れないように動かすことである。

(4)片脚ジャンプ
 この種目は、プライオメトリクス(”plyometrics”)と称される、爆発的なパワーの発揮を要求するものであり、ランニング効率の向上に資することが立証されている。ランニングとは詰まる所、一種の跳躍動作である。この片脚ジャンプは単純だが、ランナーにとってはかなり効果のある種目である。

1:床面に右脚だけで立つ(左脚は膝関節を軽く屈曲させる)
2:右膝関節を軽く屈曲し、そこから出来る限り高く跳躍し、右脚だけで着地する。
3:2を20回繰り返す。
4:30秒間休息し、脚を入れ替えて2~3を行う。



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「菜食主義者&アスリート」となる為のヒント

2013年12月11日 | Competitor Running
…という"Competitor Running"誌の記事です。

ここでも日本食が幅をきかしそうです。テンペは以前、いつものイオン野田阪神店でこっそり並んでいるのを見た記憶がありますが。

ちなみに吾輩は未だ「反養殖主義者」です。

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「菜食主義者&アスリート」になる方法
by Cielestia Calbay, Dec. 04, 2013


 未だに「菜食主義(に基づく食事)と持久力トレーニングは両立しない」という考えが普遍的である。そして、トレーニングに必要なエネルギーを摂取する為/身体に掛かる負荷に対抗する為には、動物性食品を含む高タンパク質食を摂取する必要があると信じているアスリートも多い。

 現時点では「アスリートにとって適切な菜食主義的食事」というものはきちんと定まっていないが、試している人は多くいる。ウルトラマラソン・ランナーのScott JurekやトライアスリートのBrendan Brazierはその典型的な例である。彼らは完全な菜食主義を守り、野菜/穀類/豆類/果物類/種実(ナッツ)類のみを摂取し、逆に動物性食品を完全に排除している。

 雑誌”Vegetarian Times”によると、現在のアメリカでは100万人が菜食主義者である。そして専門家達は、菜食主義的な食生活が健康に良い=病気・がんの発生リスクを低減する/平均余命が約3~6年間長くなる、という健康上の利点を大々的に主張している。

 では、アスリートはどうやって菜食主義的な食生活を取り入れればいいのだろうか?。ニューヨークを拠点に活動する栄養士のLaura Cipullo(”Whole Nutrition Sevices”所属)が5つの基本原則を紹介する。

(1)炭水化物とタンパク質のバランスを保つ

 動物性食品を摂らない≒主たるタンパク質源を摂らない、となりがちである。この点についてCipulloは「食事から充分な量のタンパク質を摂取しなければ、炭水化物の消化→吸収が早まり、結果としてインスリンショックが発生し易くなる」と語る。このインスリンショックに伴う低血糖≒低エネルギー状態を回避する為に、Cipulloは三度の食事の間にタンパク質を間食として摂取することを推奨している。その目的は、炭水化物の消化→吸収スピードを緩やかにし、空腹感の発生を遅らせると共に血糖値を一定に保つことである。彼女が推奨するタンパク質食品はテンペ(大豆食品)/セイタン(小麦グルテンが原料)/大豆/ナッツ類である。また、回復/筋肉の修復に必要なタンパク質を摂取する為として、炭水化物:タンパク質の摂取量比(重さ)を4:1とすることも提唱している。なので、(ベーグル+ピーナッツバター)とか調整豆乳(糖分が添加されている)等をトレーニング後に摂取してみてはいかがだろうか。

※訳者注:インスリンショックとは、血中の糖濃度が急上昇するのに対応してインスリンが大量に分泌され、その結果逆に血中インスリン濃度が急低下し、低血糖状態になること

(2)タンパク質源を多様化する

 内分泌物質の生合成や筋肉の修復の為には8つの必須アミノ酸を摂取する必要がある。その為には、多様なタンパク質食品(豆類/ピーナッツバター/豆腐/キノアなど)を満遍なく摂取するのが望ましい。Cipulloは「豆類に種実類/穀類を組み合わせると、アミノ酸の摂取という点ではバッチリである」と語る。なお、テンペ/豆類はリジン(アミノ酸の一種、抗ウィルス効果を発揮する)が多く含まれている。

(3)必要な栄養成分はサプリメントで摂る

 食事から動物性食品を排除すると、カルシウム/ビタミンB12/ビタミンD/鉄分の摂取量が減少し、その結果として貧血を始めとする欠乏症が発生するリスクが増大する。カルシウム/鉄分はアーモンド/濃緑色の葉物野菜/青い豆類/廃糖蜜に含まれているが、ビタミンB12/ビタミンDは動物性食品にしか含まれていない。なので、それらをサプリメントで摂取すると共に、15分/日は日光を浴びることが赤血球の生成を促進する為に必要となる。更に付け加えると、亜麻仁油/麻実油等は抗炎症作用を有しているが、これらと一緒にサプリメントを摂取すると、その吸収が促進される。

(4)藻類を食べる
 魚類(特に青魚)がΩ-3脂肪酸を多く含む理由の一つは、それらが微細な藻類を摂取しているからである。なので、魚類を食べないというのであれば、適量のDHA(Ω-3脂肪酸の一種)を摂る為に藻類の粉末/サプリメントの摂取を検討してもらいたい。例えば、スプーン一杯のクロレラ/スピルリナ粉末をスムージー等に混ぜればいいのだ。

(5)ファストフードは食べない
 いわゆる「ベジバーガー」とか「肉に似せた加工食品」といった大豆製品はなるべく避けたい。Cipulloによると「これらの加工食品に用いられる大豆は高度に精製されているし、塩分や増量剤が多く含まれている。大豆食品は1食/日で充分である」とのことである。彼女が勧める大豆食品は豆腐/テンペ/味噌/枝豆などである。




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