こんばんは。
ここ数日はすっかり春らしい日が続いていて、今日はコートを薄物に替えました。
ですが我が学年では、明日から語学研修旅行だというのに(しろねこはお留守番です)、
密かにインフルエンザが再燃していたり、油断ならない面もあります。
そして春といえば、花粉の襲来!
しろねこはそれほどでもないですが、マスクをしてしんどそうな人も増えてきました。
彼らの苦しみが終わるのは、だいたい桜の見頃が終わるときらしく、ゆったり落ち着いた心で花を眺めることもできないなんて、と、こちらまで何となく落ち着かない気分になります。
ところで、この前の週末は、保護者役員会の管理(土)、新入生予備登校日の運営(日)と、また連続勤務でした。
予備登校日は、新入生代表が入学式で述べる誓いの言葉の指導を担当したのですが、
その子の下の名前には、「琉」の字がつけられています。
他の漢字と「琉」とで2文字、読み方も含め全体的に珍しい名前なので、その名の由来を聞いてみました。
するとその子は、
両親が歴史上のとある人物が好きで、その文武両道を極めた人物のように育ってほしいという願いを込めて、
その人物の字(あざな)の読みになぞらえて自分の名前はつけられたのだ、
ということを、その子なりの言い回しで説明してくれました。
なるほど、歴史上の人物と漢字まで同じにしてしまうと「いかにも」という名前になってしまうから、
音だけとった結果、その2字を使うことになった、ということでしょうか。
謂わば、当て字的な名前であると言えます。
ここで、この2字のうちの「琉」ですが、
その前日ちょうど読み終えた『人名用漢字の戦後史』(円満字二郎氏 2005.7.20発行 岩波新書)で、記憶に新しい一字であっただけに、
先の由来のお話については、少し考えさせられました。
『人名用漢字の戦後史』によれば、
1997(H9)年、沖縄からのある訴えがあったのが7月、
そのことがきっかけで、同年12月には「琉」一字だけが、実にスピーディーに人名用漢字第四次改定として追加されたといいます。
(私も記憶していてもおかしくない頃の出来事ですが、当時はまるでこの分野に関心がなかったのでしょう、記憶にありません。)
「琉」は七宝のひとつ「琉璃」で使われる以上に、「琉球」の一字であり、
沖縄県民にとっては親しみのある常用平易な漢字であるという、
先の著書の主たる柱:「漢字の唯一無二性」によるところが、改定に至る経緯では大きかったようです。
…それから5、6年して、今度の中学新入生たちが誕生しています。
その新入生代表の子の「琉」の由来を聞く限りでは、
「琉」という文字は既に第四次改定当時の物語を離れ、
彼の名付け親が求める、全く別の世界との繋がりを助けるはたらきを担っているのでした。
私たち人間の一人ひとりが、歴代のご先祖さまを背負って生きているように、
漢字の一字一字も、その歴史の意味を地層のように背負いつつ、
その場の新たな文脈においても使われてゆくのですね。
ここ数日はすっかり春らしい日が続いていて、今日はコートを薄物に替えました。
ですが我が学年では、明日から語学研修旅行だというのに(しろねこはお留守番です)、
密かにインフルエンザが再燃していたり、油断ならない面もあります。
そして春といえば、花粉の襲来!
しろねこはそれほどでもないですが、マスクをしてしんどそうな人も増えてきました。
彼らの苦しみが終わるのは、だいたい桜の見頃が終わるときらしく、ゆったり落ち着いた心で花を眺めることもできないなんて、と、こちらまで何となく落ち着かない気分になります。
ところで、この前の週末は、保護者役員会の管理(土)、新入生予備登校日の運営(日)と、また連続勤務でした。
予備登校日は、新入生代表が入学式で述べる誓いの言葉の指導を担当したのですが、
その子の下の名前には、「琉」の字がつけられています。
他の漢字と「琉」とで2文字、読み方も含め全体的に珍しい名前なので、その名の由来を聞いてみました。
するとその子は、
両親が歴史上のとある人物が好きで、その文武両道を極めた人物のように育ってほしいという願いを込めて、
その人物の字(あざな)の読みになぞらえて自分の名前はつけられたのだ、
ということを、その子なりの言い回しで説明してくれました。
なるほど、歴史上の人物と漢字まで同じにしてしまうと「いかにも」という名前になってしまうから、
音だけとった結果、その2字を使うことになった、ということでしょうか。
謂わば、当て字的な名前であると言えます。
ここで、この2字のうちの「琉」ですが、
その前日ちょうど読み終えた『人名用漢字の戦後史』(円満字二郎氏 2005.7.20発行 岩波新書)で、記憶に新しい一字であっただけに、
先の由来のお話については、少し考えさせられました。
『人名用漢字の戦後史』によれば、
1997(H9)年、沖縄からのある訴えがあったのが7月、
そのことがきっかけで、同年12月には「琉」一字だけが、実にスピーディーに人名用漢字第四次改定として追加されたといいます。
(私も記憶していてもおかしくない頃の出来事ですが、当時はまるでこの分野に関心がなかったのでしょう、記憶にありません。)
「琉」は七宝のひとつ「琉璃」で使われる以上に、「琉球」の一字であり、
沖縄県民にとっては親しみのある常用平易な漢字であるという、
先の著書の主たる柱:「漢字の唯一無二性」によるところが、改定に至る経緯では大きかったようです。
…それから5、6年して、今度の中学新入生たちが誕生しています。
その新入生代表の子の「琉」の由来を聞く限りでは、
「琉」という文字は既に第四次改定当時の物語を離れ、
彼の名付け親が求める、全く別の世界との繋がりを助けるはたらきを担っているのでした。
私たち人間の一人ひとりが、歴代のご先祖さまを背負って生きているように、
漢字の一字一字も、その歴史の意味を地層のように背負いつつ、
その場の新たな文脈においても使われてゆくのですね。