こんばんは。
この度の集中豪雨で、浸水の被害を受けた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復旧をお祈りいたします。
そのようななかですが、第14回 漢検生涯学習ネットワーク研修会に参加してきました。
今回の会場は、仙台駅前会議室で、本当に駅を出てすぐのところ。開会のご挨拶のお話では、このビルのエレベーターも、先日の豪雨の影響で一時運転できておらず、この会の開催が危ぶまれたとのことでした。
大木一夫先生(東北大学大学院文学研究科 准教授)の『漢字・漢文に出会った日本語』と題したご講演を拝聴しました。
はじめに文字のある言語・ない言語のお話があり、次に西洋料理を例に、「影響を受けることの典型的類型」の説明がありました。それは、次のようなものです。
類型A:ステーキ
(本場西洋のものを、ほぼそのまま日本で受け入れたもの)
類型B:ナポリタン
(本場西洋の素材、日本独自の組み合わせで作ったもの)
類型C:オムライス
(西洋の影響を受けて作った独自のもの)
類型D:カリフォルニア・ロール
(日本のものが西洋の影響を受けて変わったもの)
……そういえば数ヵ月前だったか、ナポリタン特集の雑誌を読んだときも、“ナポリでナポリタンは食べられない”みたいなことを読んだっけなあ……どの類型も、おいしそうな料理の写真付きで示されていたので、今後は当てはめられた言葉のパターンを目にするたびに、これらの料理が瞼に浮かんできそうです。国字を見たら、ナポリタンだ!……とか。
これらA~Dの類型を踏まえ、「影響を受ける」ということ自体について理解をした上で、漢字・漢文に影響を受けた日本語について、5つの観点--(1)文字、(2)単語、(3)発音、(4)語彙・語法、(5)文章の観点から、お話を伺いました。
個人的には、発音のお話で「語頭濁音語」のことが特に興味深かったです。昔の和語では濁音が語頭に立たず(勿論漢語では濁音が語頭に多く立ち)、後からできた和語の語頭濁音語を並べてみると、なぜか印象の悪い言葉が多い(「ブレル」「ボケル」「ガニ(股)」「ザマ(見ろ)」などなど)、というお話です。
資料に列挙された語を、先生が濁点の無い、もとの形と対応させて発音していくのを聞いているのが楽しかったです。「ブレル」→「振(ふ)れる」、「ボケル」→「惚(ほう)ける」、「ガニ」→「蟹(かに)」、「ザマ」→「様(さま)」、……というように。なるほど~~と納得する傍ら、
--じゃあ、「ダブる」は??
と疑問が頭を掠めたので、あとで確認してみたら、
「double」が動詞化した語。
--そうだ、これはまた違うパターンで、外来語がもとだったんですね……! いろいろあるものです。
ご講演の後、質疑応答が4、5名続いてから、恒例の参加者の交流会があって、しろねこは同業者の方お二人と、束の間お話ができました。有難うございました。
プロフィール交換もして、この職業ならではの、自己研鑽のための隙間時間の見つけ辛さのお話などもしました。まったく初対面の方に改めて自分の漢検ライフについて説明すると、やはり少なからず初心にかえるところがあります。
また、そのうちのお一人とは出身中学校も同じだということが判明しました! まだ漢字に興味があるどころか、寧ろ苦手にまでなった、しろねこの中学時代。またひとつ、過去の自分に話しかけたくなる出来事でありました。
この度の集中豪雨で、浸水の被害を受けた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復旧をお祈りいたします。
そのようななかですが、第14回 漢検生涯学習ネットワーク研修会に参加してきました。
今回の会場は、仙台駅前会議室で、本当に駅を出てすぐのところ。開会のご挨拶のお話では、このビルのエレベーターも、先日の豪雨の影響で一時運転できておらず、この会の開催が危ぶまれたとのことでした。
大木一夫先生(東北大学大学院文学研究科 准教授)の『漢字・漢文に出会った日本語』と題したご講演を拝聴しました。
はじめに文字のある言語・ない言語のお話があり、次に西洋料理を例に、「影響を受けることの典型的類型」の説明がありました。それは、次のようなものです。
類型A:ステーキ
(本場西洋のものを、ほぼそのまま日本で受け入れたもの)
類型B:ナポリタン
(本場西洋の素材、日本独自の組み合わせで作ったもの)
類型C:オムライス
(西洋の影響を受けて作った独自のもの)
類型D:カリフォルニア・ロール
(日本のものが西洋の影響を受けて変わったもの)
……そういえば数ヵ月前だったか、ナポリタン特集の雑誌を読んだときも、“ナポリでナポリタンは食べられない”みたいなことを読んだっけなあ……どの類型も、おいしそうな料理の写真付きで示されていたので、今後は当てはめられた言葉のパターンを目にするたびに、これらの料理が瞼に浮かんできそうです。国字を見たら、ナポリタンだ!……とか。
これらA~Dの類型を踏まえ、「影響を受ける」ということ自体について理解をした上で、漢字・漢文に影響を受けた日本語について、5つの観点--(1)文字、(2)単語、(3)発音、(4)語彙・語法、(5)文章の観点から、お話を伺いました。
個人的には、発音のお話で「語頭濁音語」のことが特に興味深かったです。昔の和語では濁音が語頭に立たず(勿論漢語では濁音が語頭に多く立ち)、後からできた和語の語頭濁音語を並べてみると、なぜか印象の悪い言葉が多い(「ブレル」「ボケル」「ガニ(股)」「ザマ(見ろ)」などなど)、というお話です。
資料に列挙された語を、先生が濁点の無い、もとの形と対応させて発音していくのを聞いているのが楽しかったです。「ブレル」→「振(ふ)れる」、「ボケル」→「惚(ほう)ける」、「ガニ」→「蟹(かに)」、「ザマ」→「様(さま)」、……というように。なるほど~~と納得する傍ら、
--じゃあ、「ダブる」は??
と疑問が頭を掠めたので、あとで確認してみたら、
「double」が動詞化した語。
--そうだ、これはまた違うパターンで、外来語がもとだったんですね……! いろいろあるものです。
ご講演の後、質疑応答が4、5名続いてから、恒例の参加者の交流会があって、しろねこは同業者の方お二人と、束の間お話ができました。有難うございました。
プロフィール交換もして、この職業ならではの、自己研鑽のための隙間時間の見つけ辛さのお話などもしました。まったく初対面の方に改めて自分の漢検ライフについて説明すると、やはり少なからず初心にかえるところがあります。
また、そのうちのお一人とは出身中学校も同じだということが判明しました! まだ漢字に興味があるどころか、寧ろ苦手にまでなった、しろねこの中学時代。またひとつ、過去の自分に話しかけたくなる出来事でありました。