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[MLB短評]Halted Junior

2008-09-28 17:01:26 | MLB
Junior still shows flashes, but he's hardly ignited the White Sox(SI.com)
Five Cuts: Reeling White Sox not deserving of playoff consideration(SI.com)


今週末で延期になった試合を除き(開催の必要性がある場合)、ほぼ全てのメジャーリーグの日程が終了します。
今になり、7月末に行われた大型トレードのいくつかが大成功を収めたことに気づかされました。ブリューワーズは
プレイオフ戦線でギリギリの戦いを強いられているけど、C.Cサバシア加入でチームに勢いづきましたし、エンジェルズも、
もともと分厚い打線にマーク・タシェアラが加入し、よりその分厚さを増しました。そして、何といっても、ドジャーズは
マニー・ラミネスを獲得したことが大成功でした。

そういえば、レッズにいたケン・グリフィJr.もホワイトソックスへ移籍していました。これも間違いなく大型スター選手の
トレードでした。あの当時、アメリカンリーグのセントラルで確固たる首位にいて、MVP候補のカルロス・クウェンティンが
大活躍していたのにもかかわらず、なぜグリフィを獲得したのかは、やや疑問にもたれていました。2005年は、
「スモールベースボール」で世界一を獲得したのとはまるで逆です。一方で、600号を達成しながらも、
ワールドシリーズ出場すら叶っていないグリフィも、優勝を狙えるチームで戦うことを望んでいたことでしょう。

ところが、グリフィは今年の大型トレード成功事例から漏れてしまいました。おまけにクウェンティンは怪我で
9月上旬に戦線離脱し、いつの間にか、やっぱり浮上してきたツインズとの首位争いを演じることになりました。
そして、先ごろ行われたツインズとの3連戦で全敗し、ホワイトソックスはツインズに首位の座を明け渡しました。
このシリーズでグリフィは2本塁打を打ちましたが、これはグリフィがホワイトソックスへ移籍後3本塁打のうち、
2本でした。打率は.250前後。チーム成績も、グリフィ加入後26勝25敗と、全くもって負のスパイラルに陥りました。

もちろん、グリフィの不調がチーム下降の全ての要因ではありませんが、グリフィを加入させたことで、
どうしてもグリフィを使わざるを得ない状況になったのではないかと思います。オジー・ギーエン監督は、
「好むと好まざるとにかかわらず、自分がラインアップを形成するんだ」と、以前ほどの守備力を発揮できない
グリフィをセンターで守らせました。DHでもよさそうなのですが、ジム・トーミの指定席です(打率.245でも)。
さすがに今日のインディアンズ戦ではグリフィは控えに回り、ブライアン・アンダーソンがセンターを守りました。
それでも地元でインディアンズに2桁得点され負けてしまいましたが。

必ずしもグリフィのパワーが劣ったというわけではないのでしょうが、ホワイトソックスは、結果論ながらも、
グリフィという名前だけで獲得に走ってしまった印象もあります。ツインズ1塁コーチのジェリー・ホワイトが、
「グリフィは昔ほどの動きができないようだけど、コーチたちは昔の名馬について話をしてしまうものだ」と
言うように、グリフィがラインアップにいるということは、相手チームには脅威なのでしょうか。一方でツインズの
抑えのエース、ジョー・ネイサン曰く、グリフィのような選手が相手チームに入ることはやっかいではあるけど、
「同時に、グリフィが入る前もすごいラインアップだった」。

残り1試合もしくはタイブレイクがあれば2試合、ここでグリフィを獲得したに値する活躍ができるかどうかが
ホワイトソックスの10月の運命に掛かっているように思えます。ホワイトソックスがだめになったとしたら、
シカゴ南部の人たちは、嫌々ながらもカブスを応援することになります。そしてプレイオフにすらなかなか
出場できないグリフィに取り付いた呪いは、今年も解けずじまいになりそうです。


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