With Santana in Role of Ace, Mets Draw Even for Wild Card(The New York Times)
Santana legend grows after victory(SI.com)
Brilliant Santana saves Mets - for one day at least(Sportsline.com)
Santana begs for ball, then won't give it up(ESPN)
ヨハン・サンタナが来る前のメッツは、ナショナルリーグ・イーストの中途半端な金持ちチームでしかありませんでした。
しかし、アメリカンリーグのツインズからサンタナを獲得後、メッツは一気にワールドチャンピオン候補にまで
のし上がりました。サンタナはひとりでメジャーリーグ全体の光景を変えるだけの実力を持った選手なのです。
それでも、メッツはディビジョン内で首位に立ちながらも、昨年同様にプレイオフ進出すら逃してしまう、そういう
空気に包まれていました。9月に入り、地元にカブスを迎えた連戦では、痛い逆転負けを喫し、昨年の再来か、とも
言われていた昨日今日。一方のサンタナはミネソタからニューヨークにやってきても、その能力が落ちることは
ありませんでしたが、ここ数年続いている弱体化したリリーフ陣と、特に今年はビリー・ワグナーの怪我もあり、
好投が勝ちに結びつかない試合も数多くありました。だからといって、そこで腐ったりするサンタナではありません。
そのサンタナが、自ら中3日での登板を志願し、土曜日のシェイ・スタジアムのマウンドに登りました。ヤンキーズが
プレイオフ進出を逃した中、いまやニューヨークでの関心事はメッツのプレイオフ進出に掛かっており、その期待と
運命を託された格好のサンタナです。自分が何をすべきで、何のためにニューヨークへ来たのかを悟っていたのでしょう。
そのサンタナの投球内容は、ジェリー・マニュエル監督曰く、
Using the word 'best' is hard
その代わりに表現した言葉は、
Wow, wow, wow
これに尽きるでしょう。メッツ打線はマーリンズ投手陣から2点しか奪うことができず、残塁の山も築いてしまいましたが、
サンタナはマーリンズ打線をわずか3安打に抑え完封しました。疲れがたまっているであろう、8回や9回などに
奪った三振はとにかく圧巻の一言でしょう。この試合のためにメッツは超高額な契約金でサンタナを獲得した、
そう言ってもおかしくありません。サンタナはひとつでも負ければプレイオフ進出に赤信号となる状況下で、
素晴らしい投球をしただけではなく、沈みかけようとしたメッツベンチを盛り上げ、パッとしないリリーフ陣に
最終戦、そしてもしかしたらあるかもしれない、タイブレイクのために、1日休養を与えた点でも、1勝以上の活躍を
果たしました。
ところで、この試合に関して、サンタナの評価が一気に上がったことは間違いありません。すぐに叩きたがる
東海岸系のメディアもサンタナを絶賛をしていますが、SI.comでは「メッツがプレイオフ進出を果たしたら」、
サンタナの好投はメッツ史上最大の語り草(lore)になるとしている一方で、Sportsline.comでは、「日曜日に何が
起ころうとも」、土曜日の好投(gem)は宝物になる、としているところが興味深いです。
しかし、どちらが正しくともひとつ言えることは、まもなく取り壊されるシェイスタジアムにとって、この試合が
最後の盛り上がりになってもらいたくはない、ということでしょう。ニューヨーク市民、特にメッツファンにとり、
9月のメッツの戦いぶりは、勝ち負けを問わず、神経がおかしくなる(insane)状況の連続でした。サンタナはこの試合と、
その前の登板を含めて、狂気になりつつありメッツファンを、ひとりで興奮へ導くことができました。この大都市で、
この切羽詰った状況で、本当にすごいことをやり遂げる左腕です。
ウォール街は完全にその自信を打ち砕かれた2008年、メッツは監督交代という崩壊劇から立ち直り、今の位置があります。
シェイスタジアムの壁を取り壊すのはもう少し後延ばしにならないものでしょうか。それには、サンタナに刺激された
それ以外の投手、そして攻撃陣の奮起が必要です。
しかし、残念なことは、この試合が日本ではほとんど注目を浴びることがなかった、ということです。こうした試合こそ、
日本の多くの野球ファンに見てもらいたいのですが。
Santana legend grows after victory(SI.com)
Brilliant Santana saves Mets - for one day at least(Sportsline.com)
Santana begs for ball, then won't give it up(ESPN)
ヨハン・サンタナが来る前のメッツは、ナショナルリーグ・イーストの中途半端な金持ちチームでしかありませんでした。
しかし、アメリカンリーグのツインズからサンタナを獲得後、メッツは一気にワールドチャンピオン候補にまで
のし上がりました。サンタナはひとりでメジャーリーグ全体の光景を変えるだけの実力を持った選手なのです。
それでも、メッツはディビジョン内で首位に立ちながらも、昨年同様にプレイオフ進出すら逃してしまう、そういう
空気に包まれていました。9月に入り、地元にカブスを迎えた連戦では、痛い逆転負けを喫し、昨年の再来か、とも
言われていた昨日今日。一方のサンタナはミネソタからニューヨークにやってきても、その能力が落ちることは
ありませんでしたが、ここ数年続いている弱体化したリリーフ陣と、特に今年はビリー・ワグナーの怪我もあり、
好投が勝ちに結びつかない試合も数多くありました。だからといって、そこで腐ったりするサンタナではありません。
そのサンタナが、自ら中3日での登板を志願し、土曜日のシェイ・スタジアムのマウンドに登りました。ヤンキーズが
プレイオフ進出を逃した中、いまやニューヨークでの関心事はメッツのプレイオフ進出に掛かっており、その期待と
運命を託された格好のサンタナです。自分が何をすべきで、何のためにニューヨークへ来たのかを悟っていたのでしょう。
そのサンタナの投球内容は、ジェリー・マニュエル監督曰く、
Using the word 'best' is hard
その代わりに表現した言葉は、
Wow, wow, wow
これに尽きるでしょう。メッツ打線はマーリンズ投手陣から2点しか奪うことができず、残塁の山も築いてしまいましたが、
サンタナはマーリンズ打線をわずか3安打に抑え完封しました。疲れがたまっているであろう、8回や9回などに
奪った三振はとにかく圧巻の一言でしょう。この試合のためにメッツは超高額な契約金でサンタナを獲得した、
そう言ってもおかしくありません。サンタナはひとつでも負ければプレイオフ進出に赤信号となる状況下で、
素晴らしい投球をしただけではなく、沈みかけようとしたメッツベンチを盛り上げ、パッとしないリリーフ陣に
最終戦、そしてもしかしたらあるかもしれない、タイブレイクのために、1日休養を与えた点でも、1勝以上の活躍を
果たしました。
ところで、この試合に関して、サンタナの評価が一気に上がったことは間違いありません。すぐに叩きたがる
東海岸系のメディアもサンタナを絶賛をしていますが、SI.comでは「メッツがプレイオフ進出を果たしたら」、
サンタナの好投はメッツ史上最大の語り草(lore)になるとしている一方で、Sportsline.comでは、「日曜日に何が
起ころうとも」、土曜日の好投(gem)は宝物になる、としているところが興味深いです。
しかし、どちらが正しくともひとつ言えることは、まもなく取り壊されるシェイスタジアムにとって、この試合が
最後の盛り上がりになってもらいたくはない、ということでしょう。ニューヨーク市民、特にメッツファンにとり、
9月のメッツの戦いぶりは、勝ち負けを問わず、神経がおかしくなる(insane)状況の連続でした。サンタナはこの試合と、
その前の登板を含めて、狂気になりつつありメッツファンを、ひとりで興奮へ導くことができました。この大都市で、
この切羽詰った状況で、本当にすごいことをやり遂げる左腕です。
ウォール街は完全にその自信を打ち砕かれた2008年、メッツは監督交代という崩壊劇から立ち直り、今の位置があります。
シェイスタジアムの壁を取り壊すのはもう少し後延ばしにならないものでしょうか。それには、サンタナに刺激された
それ以外の投手、そして攻撃陣の奮起が必要です。
しかし、残念なことは、この試合が日本ではほとんど注目を浴びることがなかった、ということです。こうした試合こそ、
日本の多くの野球ファンに見てもらいたいのですが。