![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/3d/f94f3bc1a06e637f4dc9782f618f7e82.jpg)
Japan votes in landmark election (BBC news)
「政権交代」もしくは「政権選択」は恐らく2009年の流行語大賞のひとつに選ばれるはずです。
民主党は衆議院が解散になる前からこの言葉をお題目のように唱えてきました。今朝の朝刊の
全面広告でもデカデカと書かれていました。
その一方、4年前の「郵政選挙」で地滑り的勝利を収めた自民党が選挙戦を通じて唱えてきた
「責任力」は8月30日で死語となりました。同じく朝刊の全面広告では「日本を壊すな」と大きく
書かれていました。かつて「自民党をぶっ壊す」と言い続けてきた政党が今度は「壊すな」とは、
4年ひと昔です。でも、なぜ「責任力」ではなくて「壊すな」を唱え続けなかったのかが不思議です。
こちらの方がインパクトあったと思うのですが。
しかし、この選挙戦の中で完全に死語となってしまった、日本の政治でかなり有名な四字熟語が
あります。「政界再編」です。戦後のかなりの間、日本は選挙で変わることはほぼ皆無でした。
前回、自民党が下野した1993年の直接的な要因は政界再編でした。有権者は決して政権選択を
迫られてたわけではなかったのです。
今回、有権者の投票に基づいて「政権交代」が起こりました。衆参のねじれも結果として解消しました。
そして、衆議院の解散がなければ、あと4年間は民主党政権が続く・・・と思われていますが本当に
そうでしょうか?民主党に残されている時間は4年ではありません。11ヶ月後には参議院の選挙が
行われます。この時期までに民主党は何らかの好ましい結果を出すことができるのでしょうか?
このBBCの記事の中で、御厨 貴教授の以下のようなコメントが引用されています。
Most voters are making the decision not about policies but
about whether they are fed up with the ruling party
つまり有権者は政策ではなく感情で投票をしている、ということです。思えば4年前もそれに近かったと
言うべきでしょう。郵政民営化以外、これといった政策は表に出ることがありませんでした。同様に、
今回は政権交代ばかりが目立つ選挙でした。
恐らく11ヵ月後には多くの国民はこのことを痛感させられるはずです。首相が1年かそこらしか続かない、
首相に「なる」ことと「辞める」ことに価値があり「続ける」ことが忘れ去られているこの国の政治に
欠けているのは、政権交代の機会ではなく、緊張感です。前回の衆院選以降、07年の参院選で簡単に
自民党が負けたのは、緊張感のなさの露呈でした。一方の民主党も、古くは偽装メール事件から、
最近の西松事件まで、それはもう緊張感のなさが目立つ政党でした。
そして政権を取り、緊張感が出てくるのか?およそそこまでは考えにくいです。そもそも11ヵ月後に次の
国政選挙が迫っていることを考えているようにも見られず、4年後にはこうしたいと夢物語を選挙前から
話しているほどです。今、4年後がどうなるかを辛抱強く待っていられる日本人なんていません。誰もが、
すぐに答えがほしいのです。
仮に民主党が11ヵ月後にも2013年の夢物語しか語れず、かつ参院選で惨敗をすることがあるならば
(自民党が相当数の議席を収めなければならないことが条件ですが、今回の衆院選を見ればそのような
できごとがありえることも事実です)、恐らく永田町では忘れられていた「政権再編」という言葉が
出てくるはずです。もしかしたら2010年の9月ごろには、現在ない政党の党首が首相になっているかも
しれません。そして多くの国民は、日本の政治は選挙ではなく有権者が手の届かないところで日本の政党が
壊されることでしか変化は望めないのだと気づくはずです。これも日本の政治であることを忘れずに。
「政権交代」もしくは「政権選択」は恐らく2009年の流行語大賞のひとつに選ばれるはずです。
民主党は衆議院が解散になる前からこの言葉をお題目のように唱えてきました。今朝の朝刊の
全面広告でもデカデカと書かれていました。
その一方、4年前の「郵政選挙」で地滑り的勝利を収めた自民党が選挙戦を通じて唱えてきた
「責任力」は8月30日で死語となりました。同じく朝刊の全面広告では「日本を壊すな」と大きく
書かれていました。かつて「自民党をぶっ壊す」と言い続けてきた政党が今度は「壊すな」とは、
4年ひと昔です。でも、なぜ「責任力」ではなくて「壊すな」を唱え続けなかったのかが不思議です。
こちらの方がインパクトあったと思うのですが。
しかし、この選挙戦の中で完全に死語となってしまった、日本の政治でかなり有名な四字熟語が
あります。「政界再編」です。戦後のかなりの間、日本は選挙で変わることはほぼ皆無でした。
前回、自民党が下野した1993年の直接的な要因は政界再編でした。有権者は決して政権選択を
迫られてたわけではなかったのです。
今回、有権者の投票に基づいて「政権交代」が起こりました。衆参のねじれも結果として解消しました。
そして、衆議院の解散がなければ、あと4年間は民主党政権が続く・・・と思われていますが本当に
そうでしょうか?民主党に残されている時間は4年ではありません。11ヶ月後には参議院の選挙が
行われます。この時期までに民主党は何らかの好ましい結果を出すことができるのでしょうか?
このBBCの記事の中で、御厨 貴教授の以下のようなコメントが引用されています。
Most voters are making the decision not about policies but
about whether they are fed up with the ruling party
つまり有権者は政策ではなく感情で投票をしている、ということです。思えば4年前もそれに近かったと
言うべきでしょう。郵政民営化以外、これといった政策は表に出ることがありませんでした。同様に、
今回は政権交代ばかりが目立つ選挙でした。
恐らく11ヵ月後には多くの国民はこのことを痛感させられるはずです。首相が1年かそこらしか続かない、
首相に「なる」ことと「辞める」ことに価値があり「続ける」ことが忘れ去られているこの国の政治に
欠けているのは、政権交代の機会ではなく、緊張感です。前回の衆院選以降、07年の参院選で簡単に
自民党が負けたのは、緊張感のなさの露呈でした。一方の民主党も、古くは偽装メール事件から、
最近の西松事件まで、それはもう緊張感のなさが目立つ政党でした。
そして政権を取り、緊張感が出てくるのか?およそそこまでは考えにくいです。そもそも11ヵ月後に次の
国政選挙が迫っていることを考えているようにも見られず、4年後にはこうしたいと夢物語を選挙前から
話しているほどです。今、4年後がどうなるかを辛抱強く待っていられる日本人なんていません。誰もが、
すぐに答えがほしいのです。
仮に民主党が11ヵ月後にも2013年の夢物語しか語れず、かつ参院選で惨敗をすることがあるならば
(自民党が相当数の議席を収めなければならないことが条件ですが、今回の衆院選を見ればそのような
できごとがありえることも事実です)、恐らく永田町では忘れられていた「政権再編」という言葉が
出てくるはずです。もしかしたら2010年の9月ごろには、現在ない政党の党首が首相になっているかも
しれません。そして多くの国民は、日本の政治は選挙ではなく有権者が手の届かないところで日本の政党が
壊されることでしか変化は望めないのだと気づくはずです。これも日本の政治であることを忘れずに。
![]() | 民意の主役 無党派層の研究 橋本 晃和 中央公論新社 このアイテムの詳細を見る |