Jim Caldwell defends his decision to pull Colts starters(SI.com)
14 and 1 angry fan base(Indystar.com)
Customers take issues with Colts' approach(Indystar.com
2年前のシーズンで、ニューイングランド・ペイトリオッツがシーズン全勝を成し遂げて以降、14勝0敗という成績は
陳腐な数字にすら思えてきます。それを達成していたのがインディアナポリス・コルツだとしたらなおさらです。
あぁ、またあのチームは勝っていたのね、と思ってしまいます。それはまるで、イチローが1試合2安打を打っても
驚きに値しないのと同じです。
しかしNFLの世界で、スーパーボウルまでの全試合を勝利で終えたチームは、1972年のマイアミ・ドルフィンズだけです。
多くのファンはその期待をコルツに対して行っていました。あのチームならばやれる、ペイトン・マニングであれば、
コルツを毎試合勝利に導くことができる、そう考えています。その反面、先のペイトリオッツはスーパーボウルの
試合終了残り2分弱のところで、完全シーズンの達成を逃しました。プレイオフ第6シードでも、シーズン全勝チームでも、
スーパーボウルで勝つか負けるかは天と地以上の差があります。
12月に入り、ESPNや他のスポーツメディアは、コルツはシーズン全勝を目指すための先発陣を使い続けるべきか、
スーパーボウルを目指してスター選手を温存すべきか、と気軽に、かついろいろな考えや経験談を元に議論を
していました。しかし、どちらの結論になろうとも、コルツのジム・コールドウェルHCの決心は固まっていたように
思えます。そして、その決心を実行に移すのに最適な時を迎えました。ニューヨーク・ジェッツを地元に迎え、
15-10でリードしていた3rdQの残り5分強のところで、コールドウェルはスター先発陣をベンチへ下げました。
チームもリードしているし、これならば今日の試合も安泰だろうと思ったのでしょうか。コルツの世界ではこれを
"Organizational Philosophy"と呼ぶのだそうです。つまり、コルツにとっては、記録よりも記憶、目の前にある
1勝よりもスーパーボウルでの1勝、ということを意味します。それは、コルツの社長ビル・ポリアンの発言に
端的に出ています。
The perfect season was never an issue with us.
We've said it time and time and time again. It's somebody else's issue, but not ours.
That was of no concern. Football logic has to come into play, and that logic is
it makes no sense to have guys out there with the potential for injuries.
この哲学に対して、いつも大人しいスタジアムのコルツファンは試合の残り時間をブーイングすることで反論し、
(WRのレジー・ウェイン曰く「コルツは14-1でブーイングされた最初のチームになった」)、その後コルツが
逆転されて敗戦すると、ファンはコルツに裏切られた気持ちをあらわにします。10年以上シーズンチケットを
購入していたあるファンは、2010年からはシーズンチケットを買わないとまで言うほどです。これはコルツが
完全シーズンを狙いにいかなかったことよりも、コルツがこの試合で勝負を捨てたも同然のことを地元ファンの
目の前で行ったことに怒っているのだと思います。
周囲はがっかりしたかもしれないけど、コルツとコールドウェルの選択は一理あるものです。チームは「優勝」を
目指しているのであり、全勝するかどうかは別問題、あるいは付随して起こる結果だと言えるでしょう。おまけに、
このままマニングや主力選手をプレイさせた状態で、万が一ケガをした場合、コルツの勝利への計画が崩壊します。
それは皮肉にも、ジェッツ戦で逆転負けを喫した事で証明されました。
一方、ファンはコルツが勝ちを目指さなかったから怒っているのでしょう。コルツが勝つために応援し、レプリカの
ユニフォームを買い、顔を青くペイントするわけです。しかし目の前で捨てゲームを見せられて、顔を真っ赤にしました。
この調子であれば、仮にマニングたちが下げられてもコルツが勝ったとしても、ファンは同じ反応を見せなければ、
つりあいが合いません。
コルツとインディアナポリスのファンは、素晴らしい調和と協調によって支えられていると思います。そうだからこそ、
何度もプレイオフでコルツが負けても、ファンはコルツを温かく見守ってきました。今回のコールドウェルの判断は、
その協調にひびを入れてしまうのでしょうか?
外部から純粋に見ていると、コルツとファンどちらの言い分も正しく感じます。しかし、今回の敗戦により、コルツには
シーズン全勝以上のプレッシャーが圧し掛かることになります。この日曜日に負けたことでスーパーボウルに勝つという
保証はないし、スーパーボウルで勝たないと、ファンの不満が解消されないことになるでしょう。
14 and 1 angry fan base(Indystar.com)
Customers take issues with Colts' approach(Indystar.com
2年前のシーズンで、ニューイングランド・ペイトリオッツがシーズン全勝を成し遂げて以降、14勝0敗という成績は
陳腐な数字にすら思えてきます。それを達成していたのがインディアナポリス・コルツだとしたらなおさらです。
あぁ、またあのチームは勝っていたのね、と思ってしまいます。それはまるで、イチローが1試合2安打を打っても
驚きに値しないのと同じです。
しかしNFLの世界で、スーパーボウルまでの全試合を勝利で終えたチームは、1972年のマイアミ・ドルフィンズだけです。
多くのファンはその期待をコルツに対して行っていました。あのチームならばやれる、ペイトン・マニングであれば、
コルツを毎試合勝利に導くことができる、そう考えています。その反面、先のペイトリオッツはスーパーボウルの
試合終了残り2分弱のところで、完全シーズンの達成を逃しました。プレイオフ第6シードでも、シーズン全勝チームでも、
スーパーボウルで勝つか負けるかは天と地以上の差があります。
12月に入り、ESPNや他のスポーツメディアは、コルツはシーズン全勝を目指すための先発陣を使い続けるべきか、
スーパーボウルを目指してスター選手を温存すべきか、と気軽に、かついろいろな考えや経験談を元に議論を
していました。しかし、どちらの結論になろうとも、コルツのジム・コールドウェルHCの決心は固まっていたように
思えます。そして、その決心を実行に移すのに最適な時を迎えました。ニューヨーク・ジェッツを地元に迎え、
15-10でリードしていた3rdQの残り5分強のところで、コールドウェルはスター先発陣をベンチへ下げました。
チームもリードしているし、これならば今日の試合も安泰だろうと思ったのでしょうか。コルツの世界ではこれを
"Organizational Philosophy"と呼ぶのだそうです。つまり、コルツにとっては、記録よりも記憶、目の前にある
1勝よりもスーパーボウルでの1勝、ということを意味します。それは、コルツの社長ビル・ポリアンの発言に
端的に出ています。
The perfect season was never an issue with us.
We've said it time and time and time again. It's somebody else's issue, but not ours.
That was of no concern. Football logic has to come into play, and that logic is
it makes no sense to have guys out there with the potential for injuries.
この哲学に対して、いつも大人しいスタジアムのコルツファンは試合の残り時間をブーイングすることで反論し、
(WRのレジー・ウェイン曰く「コルツは14-1でブーイングされた最初のチームになった」)、その後コルツが
逆転されて敗戦すると、ファンはコルツに裏切られた気持ちをあらわにします。10年以上シーズンチケットを
購入していたあるファンは、2010年からはシーズンチケットを買わないとまで言うほどです。これはコルツが
完全シーズンを狙いにいかなかったことよりも、コルツがこの試合で勝負を捨てたも同然のことを地元ファンの
目の前で行ったことに怒っているのだと思います。
周囲はがっかりしたかもしれないけど、コルツとコールドウェルの選択は一理あるものです。チームは「優勝」を
目指しているのであり、全勝するかどうかは別問題、あるいは付随して起こる結果だと言えるでしょう。おまけに、
このままマニングや主力選手をプレイさせた状態で、万が一ケガをした場合、コルツの勝利への計画が崩壊します。
それは皮肉にも、ジェッツ戦で逆転負けを喫した事で証明されました。
一方、ファンはコルツが勝ちを目指さなかったから怒っているのでしょう。コルツが勝つために応援し、レプリカの
ユニフォームを買い、顔を青くペイントするわけです。しかし目の前で捨てゲームを見せられて、顔を真っ赤にしました。
この調子であれば、仮にマニングたちが下げられてもコルツが勝ったとしても、ファンは同じ反応を見せなければ、
つりあいが合いません。
コルツとインディアナポリスのファンは、素晴らしい調和と協調によって支えられていると思います。そうだからこそ、
何度もプレイオフでコルツが負けても、ファンはコルツを温かく見守ってきました。今回のコールドウェルの判断は、
その協調にひびを入れてしまうのでしょうか?
外部から純粋に見ていると、コルツとファンどちらの言い分も正しく感じます。しかし、今回の敗戦により、コルツには
シーズン全勝以上のプレッシャーが圧し掛かることになります。この日曜日に負けたことでスーパーボウルに勝つという
保証はないし、スーパーボウルで勝たないと、ファンの不満が解消されないことになるでしょう。