Homers, Pettitte pace Yanks to victory (MLB.com)
Pettitte's gem puts Yanks in control of Series (MLB.com)
Versatile Andy Pettitte vaults Yankees to Game 3 victory (SI.com)
Hamels loss looks like ominous sign (FOX Sports.com)
フィラデルフィアの公共交通機関である「SEPTA」のストライキ危機を潜り抜け、雨による80分間の開始遅延にも
耐えたフィラデルフィアの市民にとって、今日のシチズンズ・バンク パークでのフィリーズの戦い方は満足いくものでは
ありませんでした。
それでも、得点はなかったが粘った1回裏と、3得点をした2回裏の攻撃のときは、スタジアム全体も盛り上がりました。
2回裏が終わるまでに相当を要しましたが、そのほとんどがフィリーズの攻撃に費やされました。つまり、ヤンキーズの
先発アンディ・ペティートの立ち上がりがよくなかったことと、フィリーズの先発で今シーズンとポストシーズンいずれも
不調のコール・ハメルズが見違えるほど好調だったことの証明になります。ハメルズは2回裏、1アウト1-2塁の場面で、
自らを助けるための犠牲バントを試みましたが、ボールの転がり方が幸いし、ハメルズ自身も生き残りました。
NFLの殿堂入り元RB、ジョン・リギンス曰く
Cole Hamles bunt, unbelievable.
このイニングまで見た人は、今日はフィリーズのペースになるだろうと思っていたでしょうし、中には3回表に打席が
回ってきたペティートに代打を出せと考えていた人もいたようです。しかし、3回裏にマウンドへ上ったのは先発投手の
ペティートでした。これは当然の判断です。ジョー・ジラルディ監督は、かつてペティートとチームメイトとして一緒に戦い、
どのような選手であるかを熟知しているので、2イニングであれだけの投球をしたからといって、それでもペティートに
信頼を置いたのでしょう。そのペティートの3回表は、
Howard struck out.
Werth flied out to right fielder Swisher.
Ibanez lined out to center fielder Cabrera.
と簡単に3人で攻撃を終わらせました。ペティートは初回から押せ押せだったフィリーズの勢いをここで止めました。
この回こそがこの試合の流れが変わった瞬間だと思います。
ヤンキーズの攻撃陣はペティートの立ち直りにすぐ反応しました。4回表にこれまでシリーズ通じてノーヒットだった
アレックス・ロドリゲスがライトスタンドのカメラに当たるホームランを放ちました。このホームランはワールドシリーズで
初めてビデオ判定によるホームランとして記録されることになります。昨年のレギュラーシーズンにこのシステムが
導入されたとき、初めてその判定がなされたのも、ロドリゲスのホームランに対するものでした。
そして、攻撃陣のがんばりにペティートもバットで応えます。5回表にまさかのセンター前に落ちるヒットで試合を同点に
持ち込みました。DH制を敷くことができないフィリーズのホームで、ヤンキーズは難儀するだろうと見方は崩され、
その後の連打によりハメルズを降板させました。これでさらに気を良くしたペティートは6回裏にポストシーズンを
通じて好調のジェイソン・ワースに2本目のホームランを打たれたものの、連打を浴びることなく、6回を投げきりました。
ペティートは、ヤンキーズ復帰についてワールドチャンピオンになるために帰ってきたと先日の記者会見でコメントを
していましたが、それに見合う粘り強い投球をしたのではないでしょうか。
ヤンキーズはシリーズを2勝1敗にしました。それもシリーズのコントロールを握るにはもってこいの逆転、中押し、そして
ダメ押しという形で勝利しました。第4戦は中3日でC.C・サバシアが登板します。前回の登板では決して悪い内容ではない
サバシアでしたので、ここで一気にシリーズ王手をできる環境になりました。さらに、ワールドシリーズに入ってからずっと
眠っていたロドリゲスがいい時期に目覚めました(守備ではまだちょっとというところもありますが)。いろんな意味において、
ヤンキーズの今日の勝利は非常に大きいものがあります。
一方、フィリーズはこの場面であまりにも多くの問題を抱えていることに気づいたことでしょう。フィリーズ攻撃陣が後半に
追い上げをできなかったのは、2番手のJ.A・ハップ以降の投手陣が、ヤンキーズを無失点で抑えられなかったからだと
思います。ペティートが三者凡退を機に立ち直り、ヤンキーズがモメンタムを奪ったのとは対照的なところです。1点ずつの
失点がフィリーズには雨をたっぷり吸ったユニフォームのように重たく感じら、ハメルズのunbelievableなバントが昔の
出来事に思われてきました。フィリーズは初戦、クリフ・リーの素晴らしいピッチングで勝利を収めましたが、明日以降、
継投策で勝つことができるかどうかが今日の中継ぎ陣の出来を見ると不安です。
そして、フィリーズのリリーフ陣の出来よりも顕著な問題は、言わずもがな、ライアン・ハワードです。ハワードが活きないため、
その前を打つチェイス・アトリーまでも当たりが止まってしまいました。チャーリー・マニュエル監督は打順を変えることが
あまりない監督として有名ですが(今シーズンの打順はたったの68通り)、心のどこかでは、ハワードではなくてワースを
4番に据えたいと思っているのではないでしょうか。「SEPTA」のストライキは当面回避され、ワールドシリーズ中は問題なく
スタジアムへ向かうことができそうですが、6打席連続三振(ストライク-アウト)を喫したハワードの復帰とフィリーズ打線の
全面復旧はまだまだ先になりそうです。それとも、復旧することなくシリーズが終わるのでしょうか。
Pettitte's gem puts Yanks in control of Series (MLB.com)
Versatile Andy Pettitte vaults Yankees to Game 3 victory (SI.com)
Hamels loss looks like ominous sign (FOX Sports.com)
フィラデルフィアの公共交通機関である「SEPTA」のストライキ危機を潜り抜け、雨による80分間の開始遅延にも
耐えたフィラデルフィアの市民にとって、今日のシチズンズ・バンク パークでのフィリーズの戦い方は満足いくものでは
ありませんでした。
それでも、得点はなかったが粘った1回裏と、3得点をした2回裏の攻撃のときは、スタジアム全体も盛り上がりました。
2回裏が終わるまでに相当を要しましたが、そのほとんどがフィリーズの攻撃に費やされました。つまり、ヤンキーズの
先発アンディ・ペティートの立ち上がりがよくなかったことと、フィリーズの先発で今シーズンとポストシーズンいずれも
不調のコール・ハメルズが見違えるほど好調だったことの証明になります。ハメルズは2回裏、1アウト1-2塁の場面で、
自らを助けるための犠牲バントを試みましたが、ボールの転がり方が幸いし、ハメルズ自身も生き残りました。
NFLの殿堂入り元RB、ジョン・リギンス曰く
Cole Hamles bunt, unbelievable.
このイニングまで見た人は、今日はフィリーズのペースになるだろうと思っていたでしょうし、中には3回表に打席が
回ってきたペティートに代打を出せと考えていた人もいたようです。しかし、3回裏にマウンドへ上ったのは先発投手の
ペティートでした。これは当然の判断です。ジョー・ジラルディ監督は、かつてペティートとチームメイトとして一緒に戦い、
どのような選手であるかを熟知しているので、2イニングであれだけの投球をしたからといって、それでもペティートに
信頼を置いたのでしょう。そのペティートの3回表は、
Howard struck out.
Werth flied out to right fielder Swisher.
Ibanez lined out to center fielder Cabrera.
と簡単に3人で攻撃を終わらせました。ペティートは初回から押せ押せだったフィリーズの勢いをここで止めました。
この回こそがこの試合の流れが変わった瞬間だと思います。
ヤンキーズの攻撃陣はペティートの立ち直りにすぐ反応しました。4回表にこれまでシリーズ通じてノーヒットだった
アレックス・ロドリゲスがライトスタンドのカメラに当たるホームランを放ちました。このホームランはワールドシリーズで
初めてビデオ判定によるホームランとして記録されることになります。昨年のレギュラーシーズンにこのシステムが
導入されたとき、初めてその判定がなされたのも、ロドリゲスのホームランに対するものでした。
そして、攻撃陣のがんばりにペティートもバットで応えます。5回表にまさかのセンター前に落ちるヒットで試合を同点に
持ち込みました。DH制を敷くことができないフィリーズのホームで、ヤンキーズは難儀するだろうと見方は崩され、
その後の連打によりハメルズを降板させました。これでさらに気を良くしたペティートは6回裏にポストシーズンを
通じて好調のジェイソン・ワースに2本目のホームランを打たれたものの、連打を浴びることなく、6回を投げきりました。
ペティートは、ヤンキーズ復帰についてワールドチャンピオンになるために帰ってきたと先日の記者会見でコメントを
していましたが、それに見合う粘り強い投球をしたのではないでしょうか。
ヤンキーズはシリーズを2勝1敗にしました。それもシリーズのコントロールを握るにはもってこいの逆転、中押し、そして
ダメ押しという形で勝利しました。第4戦は中3日でC.C・サバシアが登板します。前回の登板では決して悪い内容ではない
サバシアでしたので、ここで一気にシリーズ王手をできる環境になりました。さらに、ワールドシリーズに入ってからずっと
眠っていたロドリゲスがいい時期に目覚めました(守備ではまだちょっとというところもありますが)。いろんな意味において、
ヤンキーズの今日の勝利は非常に大きいものがあります。
一方、フィリーズはこの場面であまりにも多くの問題を抱えていることに気づいたことでしょう。フィリーズ攻撃陣が後半に
追い上げをできなかったのは、2番手のJ.A・ハップ以降の投手陣が、ヤンキーズを無失点で抑えられなかったからだと
思います。ペティートが三者凡退を機に立ち直り、ヤンキーズがモメンタムを奪ったのとは対照的なところです。1点ずつの
失点がフィリーズには雨をたっぷり吸ったユニフォームのように重たく感じら、ハメルズのunbelievableなバントが昔の
出来事に思われてきました。フィリーズは初戦、クリフ・リーの素晴らしいピッチングで勝利を収めましたが、明日以降、
継投策で勝つことができるかどうかが今日の中継ぎ陣の出来を見ると不安です。
そして、フィリーズのリリーフ陣の出来よりも顕著な問題は、言わずもがな、ライアン・ハワードです。ハワードが活きないため、
その前を打つチェイス・アトリーまでも当たりが止まってしまいました。チャーリー・マニュエル監督は打順を変えることが
あまりない監督として有名ですが(今シーズンの打順はたったの68通り)、心のどこかでは、ハワードではなくてワースを
4番に据えたいと思っているのではないでしょうか。「SEPTA」のストライキは当面回避され、ワールドシリーズ中は問題なく
スタジアムへ向かうことができそうですが、6打席連続三振(ストライク-アウト)を喫したハワードの復帰とフィリーズ打線の
全面復旧はまだまだ先になりそうです。それとも、復旧することなくシリーズが終わるのでしょうか。