そのさきへ -Deep Sky Blue version-

このブログは引っ越しています

Real Carpenter~2006ワールドシリーズ第3戦~

2006-10-26 00:29:13 | MLB
MLB=カージナルスが完封勝利、2勝1敗のリード(ロイター) - goo ニュース
Carpenter dominant in Fall Classic debut(MLB.com)
Carpenter shows off his amazing stuff(ESPN)
Carpenter one of game's great postseason pitchers(SI.com)
Tigers trio have bats colder than the weather(SI.com)
Zumaya unravels, Tigers pay the price(ESPN)


デトロイトでの2戦はいずれも勝利チームの先発投手が最高のピッチングをし(手に何が付いていようとも)、
相手打線を抑え込んだため、いわゆる接戦になることはありませんでした。セントルイスに移っての第3戦は、
その流れをさらに強める形になってしまいました。

この試合では、とにかくクリス・カーペンターがあまりにもすばらしすぎました。8回3安打で無失点、
そしてたったの82球で(何と3ボールすら出さなかった!)、なおかつ8回にはキッチリと犠牲バントを
決めました。これ正に今日の勝利を見事に組み立てた「カーペンター」に他なりません。2年前のWSでは、
怪我で出場することもなく、カーディナルスが4連敗をし、それを最も苦々しく見ていたはずです。
2005年にはサイ・ヤング賞を獲得したけどチームはWS進出できず、そして今年は紆余曲折もありながらも
チームがWSに出場を果たし、カーペンターも多くの人が見る前で(今年のWSの視聴率は低いとか、そういう
ことはここでは問題にしない!)最高のピッチングができました。

一方、この試合で個人的に注目していたのは、両チームの1番とキャッチャーでした。エクスタインと
グランダーソンというどちらも不調の1番打者と、モリーナとロドリゲスという若手とベテランのキャッチャー。
1番打者対決では、明らかにエクスタインが勝利しました。ここまで出塁がままならなかったエクスタインは、
この試合では2安打で復調の兆しが見えてきたようです。今日はひとつ四球を選びましたが、四球でも一塁へ
全力で走るエクスタインが、いつも以上に全力で走っているようにすら感じました。2番打者に誰を入れても
おもしろいカーディナルスにとって、エクスタインから中軸に至るまでの流れができつつあるように思えます。

カーディナルスのもうひとり、ヤディア・モリーナはバッティングがものすごくいいというほどではないけど、
好調さをキープしています。そして粘っこさも発揮しました。モリーナが第1打席に入るまで、この試合は比較的
ポンポンと進んでいきました。しかし、モリーナは凡退をしたけど、ただでは転ばず10球以上も粘りました。

こうした粘りは、8回までに82球しか投げさせることができなかったどうも今日のタイガースにはなかったようです。
特にカーティス・グランダーソンとイヴァン・ロドリゲス、それにプラシド・ポランコは「大きなダチョウの卵を
生んでいる」、つまりヒットがないということです。日本風に言うならば3人合わせて「34タコ」です。

今日もグランダーソンはいきなり変化球に手玉を取られて三振(今日は2三振)。ロドリゲスも相変わらずゴロを
打ったり三振したりと、カーディナルスに
アウトを献上しています。おとといはケニー・ロジャーズの好投とロジャーズの左手に話題が集中したのですが、
今日はそうした隠れ蓑もなく、頭を手で抱えていることでしょう。

おまけに今日のタイガースは若いジョエル・ズマヤが完全にモメンタムをカーディナルスに与えてしまいました。
ネイト・ロバートソンが一回余分に首を振ってロドリゲスのサインを変えさせた後にジム・エドモンズが2点
タイムリーを打ったのはまだあきらめが付くはずです。しかし、ズマヤは100マイル級の早合点をしたのか、
ノーアウト1・2塁で3塁に悪送球をしたのを見て、タイガースベンチはうなだれて首を下に向けたはずです。

今日の試合を見ると、タイガース有利という戦前の予想はどこへやら。カーディナルスに追い風が吹いている
ように思えてきました。明日もブッシュ・スタジアムのオルガンが寒空の中で陽気なメロディを奏でそうです。

それにしても、今年のWSは接戦が見られないなぁ。


最新の画像もっと見る