今日は、笠間クラインガルテン(体験農場)のある本戸地区に
点在する7つの陶工房の工房開放「オープンアトリエ」の日。
午後2時からガルテン(写真遠望)に水戸在住の仲根さんと集合
して16時まで、4つの工房を見物して歩いた。
工房の周辺はこんな風景。各工房は自然の中にある。
霧雨に煙る吾国山が真近に見える。
仲根さん、秋元さんとOZf actory(小堤さん)を始め4軒を訪問。
「オープンアトリエ」とは、陶芸作家の作品を個展やギヤラリーで
見たりするのと異なる、作家さんとの交流の形。
秋元さんに言わせると、このアトリエやスタジオを自宅とともに来訪者
にオープンするイベントは「笠間の底力に感じる」という。
こうしたオープン工房の仕掛が年に5,6ケ所で行われるのが笠間。
まさかという贅沢な交流光景が繰り広げられる。
その交流のかたちの第一は、かわいい作品を見たりしながら、作家
さんの作業机、作業場の中に入って一緒に見る。
製作工程の匂いを嗅げることである。
オープンアトリエの交流の第二は、作家さんの人柄を、生活空間の
中で、話を聞いて知ることである。
笠間には250人からの陶工が居る。この人たちの大半は全国からの
移住者である。しかし、少数ながら土着の地元出身の作家さんも居る。
2番目に訪問した佐陶工房(佐藤さん)はその一人。
こんな話もしてくれた。集落の田んぼや畑を眺める工房の窓辺で。
「街のギャリーさんや近所の消費者と”しがらみ”がいろいろある。
移住してきた作家さんは、作品の価値を個展で決め価格を押して
ゆくが、地元陶工は、作品を取りに来る様々な知人の要望に応え
柔軟に価格の対応もしたりする必要もある」
こうした「息づかいを感じるような話ができる」のがオープン
アトリエでの交流。ギャラリーや個展とは違う雰囲気である。
N. ceramic studio(額賀章夫さん)もそうした里山の中に
ある。ここに居を構えて、今は海外を含めた個展中心の創作
活動をする笠間の精鋭の陶芸家だ。
個展中心の作家は、オープンスタジオをこう説明してくれた。
・一つは「はねモノ」を安価にお客様に提供できる。
・作家の作風を工程を見せながら、伝えられる。
・家族や生活も見せて、人柄を発信できる。
東京出身で笠間で陶芸を学び、修行して自立して30年。
この工房に移って20年。笠間に定着している。
最後は、羊窯(小林東洋さん)アトリエを訪問した。
ギャラリーには大きな陶の椅子や小物の器作品が沢山。
こんな「仏壇」も作品である。
東洋さんのアトリエで秀逸なのは、大谷石のギャラリーと雑木林の
中のパティオの贅沢な、佇まいだ。
里山にこんなところがあり、愉快な会話が奥様と一緒にできる。
ここに移住して45年だそうだ。
とても楽しい雰囲気だ
笠間の底力、様々な個性に触れることができる。
オープンスタジオの魅力である。