まさかの笠間生活

三鷹に住む私が100㎞離れた笠間に月の半分住んで気づいた。平凡なはずの笠間は「まさか」が一杯の街。

オープンスタジオを巡る>笠間市本戸の自然の中で・・・

2017-11-19 01:06:29 | まさかの笠間生活

今日は、笠間クラインガルテン(体験農場)のある本戸地区に
点在する7つの陶工房の工房開放「オープンアトリエ」の日。

午後2時からガルテン(写真遠望)に水戸在住の仲根さんと集合
して16時まで、4つの工房を見物して歩いた。

工房の周辺はこんな風景。各工房は自然の中にある。


霧雨に煙る吾国山が真近に見える。

仲根さん、秋元さんとOZf actory(小堤さん)を始め4軒を訪問。


「オープンアトリエ」とは、陶芸作家の作品を個展やギヤラリーで
見たりするのと異なる、作家さんとの交流の形。

秋元さんに言わせると、このアトリエやスタジオを自宅とともに来訪者
にオープンするイベントは「笠間の底力に感じる」という。

こうしたオープン工房の仕掛が年に5,6ケ所で行われるのが笠間。
まさかという贅沢な交流光景が繰り広げられる。



その交流のかたちの第一は、かわいい作品を見たりしながら、作家
さんの作業机、作業場の中に入って一緒に見る。

製作工程の匂いを嗅げることである。


オープンアトリエの交流の第二は、作家さんの人柄を、生活空間の
中で、話を聞いて知ることである。

笠間には250人からの陶工が居る。この人たちの大半は全国からの
移住者である。しかし、少数ながら土着の地元出身の作家さんも居る。

2番目に訪問した佐陶工房(佐藤さん)はその一人。

こんな話もしてくれた。集落の田んぼや畑を眺める工房の窓辺で。
「街のギャリーさんや近所の消費者と”しがらみ”がいろいろある。
移住してきた作家さんは、作品の価値を個展で決め価格を押して
ゆくが、地元陶工は、作品を取りに来る様々な知人の要望に応え
柔軟に価格の対応もしたりする必要もある」

 こうした「息づかいを感じるような話ができる」のがオープン
アトリエでの交流。ギャラリーや個展とは違う雰囲気である。

 

 N. ceramic studio(額賀章夫さん)もそうした里山の中に
ある。ここに居を構えて、今は海外を含めた個展中心の創作
活動をする笠間の精鋭の陶芸家だ。

個展中心の作家は、オープンスタジオをこう説明してくれた。
・一つは「はねモノ」を安価にお客様に提供できる。
・作家の作風を工程を見せながら、伝えられる。
・家族や生活も見せて、人柄を発信できる。

東京出身で笠間で陶芸を学び、修行して自立して30年。
この工房に移って20年。笠間に定着している。

最後は、羊窯(小林東洋さん)アトリエを訪問した。

ギャラリーには大きな陶の椅子や小物の器作品が沢山。

こんな「仏壇」も作品である。

東洋さんのアトリエで秀逸なのは、大谷石のギャラリーと雑木林の
中のパティオの贅沢な、佇まいだ。

里山にこんなところがあり、愉快な会話が奥様と一緒にできる。
ここに移住して45年だそうだ。

とても楽しい雰囲気だ
笠間の底力、様々な個性に触れることができる。
オープンスタジオの魅力である。

 

 

 

 

 

 

 

 


起業するシニア事例>NPOを設立、社会貢献の夢膨らむ

2017-09-20 01:52:54 | アクティブシニア

 朝日新聞(東京版夕刊)
 2017年9月6日 1面に
 大きく掲載された記事。

 元気なシニアが第2の人生
 で、世のために働く「ソ
 ーシャルビジネス」という
 生き方がある。

 その先駆的な事例が茨城県
 ・笠間市にある。

 平均年齢が70歳で28人の
 スタッフが働く、市内・
 ギャラリー通りにある人気
 カフェ「グランパとグラン
 マのお店」を運営するNPO法人グラウンドワーク笠間だ。  

 笠間市で2012年に設立され、目的は社会貢献。

 シニア世代の集いと活躍の場を作り、地域の活性化にも貢献する。

 夢はさらに膨らんで、カフェが立地する25店舗の観光スポット
「民芸の里」を資金を出し合って新会社運営に乗りだした。
 この目的も、「週末のイベント開催」と「起業支援」である。

 記事内容は以上であるが、
 実際のNPO理事長塙茂さんたちが、これから何をしようとしているか、
を記事は明確に書いている。

 発行部数50万の全国紙に、このように掲載された意義は大きい。TV
番組の取材は何回もあるが、テレビメディアは断片的で、社会的な意義
は新聞記事がはるかに大きい。これを契機に、様々な反響が起るはずで
ある。

 ともすれば地方小都市でにありがちな、市民の優れた人材が行政に集
中する。笠間でもこうした社会的な先行活動を、市民が自由に展開する
事例は少ない。

 これを機会に、第2、第3の「グラウンドワーク笠間」が出来てくる
可能性がある。
 行政はそのような、動きをバックアップする必要がある。

 大きな、笠間の魅力が膨らむ。
 アクティブシニアの活躍・起業、という形で。


まさかの話9>生物多様性を回復し「田んぼの生き物調査」する地域

2017-07-05 20:20:35 | まさかの笠間生活

私が勝手に「笠間アルプス」と呼ぶつくば山塊の支脈に囲まれた盆地。
笠間市・岩間上郷地区は山の御影石で磨かれた水が流れ、田圃を潤す。

ここ農地は全国と同じように、黒変米を作るカメムシ駆除の殺虫剤漬
だった。わずかな黒変米のために地域全体の生物を駆除してしまった。

(無農薬化のリーダー農家・生駒さん
この地の人たちは米栽培を、数十年かけて全面的に無農薬化した。

結果として、絶えていたホタル生育が実現できた。
黒変米対策は光学処理選別する機械を自力導入して対策している。

最近、この地区のコメのブランド化に寄与する動きが出てきた。
江戸時代からの製法を守る市内の酒蔵(磯蔵酒造)が参加して
「酒米オーナー制度」という市民の理解を奨める運動が始まった。

年間1万円の会費で「田植え」「田んぼの生き物調査」「稲刈り」
「酒の仕込み」を体験する「市民参加の酒米生産プロセス体験」の
活動である。

私もそれに参加している。最後に4合瓶新酒6本手に入るのが嬉しい。

7月2日(日)はその「田んぼの生き物調査」体験イベントだった。

田植えした酒米田んぼの近くのビオトープと水路、田んぼで各種の
水生生物を捕まえて「こんなに居る」というのを証明する活動。

今日小学校分校跡のグランドには、会員の家族連れが100人集まって
いた。なんと大人一人での参加は私一人であるらしい。
どうもこれは「小学校低学年児童家族の遊び」になっている。
 

(主催者であるコメ農家生駒祐一郎さんの趣旨説明が始まる)
無農薬化した農業により「生物多様性が確保されつつあり、地域
の環境が良くなってる。その確認イベントなのだ。

農水省やら、環境保護のNPOとの連携でイベントが実行される。

生駒さんの家の前の田んぼに移動して、専門家の林鷹央先生が、
「田んぼの周りで生物の捕まえ方」の説明をする。

子どもにゆっくり諄々と説く。
「小さい虫から見ると君は巨大なブロントザウルスより大きな
怪物なんだ。草を踏むと靴の下に何百匹の生物が踏みつぶされ
る。丁寧にあるくのだ」

何と、6,7歳の子どもたちがよく聞いている。
そしていよいよあぜ道にしゃがんで田んぼの中の生物を捕る。

子どもたちの体は柔らかく、機敏だ。
それに、水中生物の動きを見つける集中力がすごい。

子どもでもこういう動物的な捕獲能力は備わっているのかな。
大人よりも子供たちの捕獲がすごく進む。

林先生がどんどん、虫や魚の名前を上げ、カエルの声がすると
「絶滅危惧種の”トウキョウダルマガエル”の声がするな」など
と励ます。

先生は,畦に咲く草花にも注目を促す。

「シロツメクサの花が咲いている。これは江戸時代の鎖国の頃、
唯一オランダから入ってきて日本中に広まったクローバー」
「小さい白い花は『トキワハゼ』。日本中にある花で4-11月
まで咲くのでそう呼ばれる」
などと勉強になる。

水路ではアメリカザリガニを捕った人が出た。
配られたテキストによれば、この生物は外来種なので駆除対象。あとで
水路に戻さず処分するのだが、生物環境調査シート上は「減点」にする。

私は初めてで服装も不十分で捕魚網も水槽も持参せずで借りた。
実際の成果は、9点程度。子どもたちは100点ではなかろうか。

それにしてもアマガエル、アメンボの数が半端でない。1枚の田んぼで
万を超えるカエルがいる感じだ。それだけ餌の昆虫がいると言える。
もの凄い生物の数であり量だ。

環境シートのテキストには42種類を探せ、となっている。
種類もすごいのだ。

こんなに生物がいるのか、というのが実感。 

 小一時間虫取りをして、分校の教室に戻る。
林先生の解説と、個別判定(?)の時間だ。
 

私は暑さに負け、教室を出て木陰で休んだので個別判定の
結果を見ていないが、長時間かかった様だ。

100人で捕まえた生物は何種類あったのだろうか。
昨年の時より増えているのか、減っているのか。

 それにしても「生物多様性の確認」というテーマでこれだけの人が
参加するというのは大したもの。

 それには、こうして家の前の田んぼを「調査用に提供する」「ビオ
トープを作る」という取組をしている生駒さんたちの努力である。

 米をどんどん作って稼ぐ農業、という枠を超えて生物多様性の地域
環境を作る、という経営目標を掲げているのかもしれない。

 「まさか」こんな面白い体験に参加ができるとは。と思いながらお米
、野菜のおかずで美味しいカレーライスをお昼に頂いた。

 なお、ネットで調べてみたが、この活動の成果として「確認された
生物の種類数」は公表されていない。 
国や関連団体への報告にはあるのかもしれないが、参加者がわかる
ように一般向けに報告があると良い。

6月27日に行われた宮城県JAみどりの
「平成29年度田尻田んぼの生きもの調査」
では、下記のような報告がWeb上に記載されている。
=====
生きものをリストアップしていきました。

結果として久保純雄さんの圃場では32種(うち外来種3種)、
山村恭治さんの圃場は28種(同3種)、
中澤繁信さんの圃場(ここは無農薬田だそうです)は37種(うち2種)
が確認され、3か所合計としては全体で48種となりました。

また、中澤さんの圃場にはキクモという雑草が確認されましたが、
これはいわゆる「金魚藻」と呼ばれ観賞魚用に見かけたことがある有名な
草ですが、いまや多くの地区でレッドリスト
(絶滅危惧種や準絶滅危惧種)に指定されているのだそうです。
=====

こんなレポートを発信して欲しいと思う。
農業公社やそのスタッフの役割はイベントの準備作業や片づけなどの
協力だけでなく、こうしたツボを押さえる部分で発揮してもらいたい。
そうすると、農家さんも誇りになり次回の活動につながるのではないか。

今回は大変面白くお世話になった。来年も参加して100点を目指す。  


子ども会役員と竹工作交流>笠間市友部公民館

2017-04-24 08:12:34 | まさかの笠間生活

笠間市の友部公民館。
作った竹とんぼの色塗りに熱中する12人の大人たち。
子どもに還った時間を過ごした2時間。
 

子ども会連合会。会長さんはじめ役員の皆さんが総会のあと、
初めての竹とんぼ作りに挑戦しました。

・笠間の自然素材を使って子どもが自分で遊び道具を作る。
・昔あったガキ大将がまとめる集団で遊ぶ体験をさせたい。
そんな意図(なのかな?)の「子ども会交流会」が5月ある。

姉妹都市・矢板市の子ども会と連携の「子ども会交流会」
に竹とんぼ作りをしてみようということになった。 

100人もの子どもが交流して小グループ行動をする体験。
竹とんぼ教室の講師の集団である「平成竹とんぼ協議会」
の支部「どこ竹武蔵野三鷹」メンバーである私に協力の
依頼があった。
笠間在住だけでなく桜川、東京三鷹、埼玉からの認定講師
10人が講師担当するが、安全面でのサブ講師が必要。

それで役員さんたち十数名の講習となったもの。

「8歳の子どもに帰ってやってみてください」という指示
で始めたに、「竹とんぼはなぜ良く飛ぶのか」の質問に
思わず、「均等に回転するから」と子どもらしくない答え
が返ってくるのは仕方ないなあ。 正解だけど。


でも、見ているとムチャクチャ楽しそうにやってます。
 

竹とんぼ作りが完成してからは、体育室に移動し「飛ばし練習」の
写真撮りそこないましたが、これも盛り上がりました。
安全に飛ばす練習と、チームごとに飛距離を競います。

上に飛ばすのも楽しいが、距離を飛ばすのも面白い。
子どもたちには褒めてあげよう。初めて自分で初めて作ったモノを初めて
手で飛ばすのだもの。

自分の背の高さをこえれば「成功」です。6㎡を超えれば「大成功」です。 
この日、大人たちの飛距離平均は7㎡ほどでした。 

 

材料は、講師陣が写真の状態まで準備します。
「ナイフを使わないで作れてよく飛ぶ」 竹とんぼ作りの羽根材は笠間の竹
から作ってます。

本番は、5月28日(日)に行われ、午前中は北山公園でグループゲーム。
お昼から友部公民館に移動して「竹とんぼ教室」をします。

子ども会役員さんは、竹とんぼ講習を終えて、北山公園のゲームの下見に
向かいました。
本当に、ご苦労様です。

子どもたちが存分に楽しめるよう、当日と準備に私たちも頑張る。  


まさかの話8>「瑞穂の国は最近の外来種」を栗やの試食会で学ぶ。

2017-04-18 17:17:59 | まさかの笠間生活

 

驚いたなんてものじゃない。この多彩な美味しさ。
このお弁当、創作料理4種と、デザートが2種類詰まっている。

何と、オール栗。6種類の調理が全部材質と味付けが異なる。
こんなに多彩な味が「クリだけ」で出来るのか!!

 

4月8日雨でハイキングの予定が流れて、替わりにと栗やさんで開催の
「 大試食会」のチラシを見て出かけてみた。会議室みたいなところで、
試作料理が並び、ちょっとづつ食べて感想を言わされるくらいの感じで
出かけたが、違った。

各種商品販売コーナーのテーブルに座らされ「順にお料理が出ますので」
と言われ、次々と出てくる7種の試食とこの7品の詰まったお弁当。
量は少ないがすごいフルコース。一組づつお客に説明付き。
たっぷり堪能してしまった。

試食の方で「衣栗ペーストときくらげのチュー」でびっくり。
ベトナムの著名なきくらげ入り甘味料(チュー)に衣栗を使う。
絶妙な食感の品の良い甘さ。

ここは日本一の栗の産地笠間市・岩間地区にある栗の商社「小田喜商店」。
毎月第一土曜日に「大試食会」を無料で開催。

この創作料理が、なんと毎月全く違う内容なのだという。

お弁当の内容が下記(上写真の試食会メニューに記載ある)
1)ぽろちゃんくりおこわ
2)いが栗ナゲット
3)栗とエビの淡雪仕立て
4)衣栗のバルサミコサラダ
5)抹茶と栗の水羊羹
6) 抹茶団子 栗ソース添え

2)の「ナゲットがうまい!」と言ったら「酒が要りますね」と来た。
お店の料理人が客と会話を楽しんでいる。

壁に掛けてある液晶ディスプレーがクリの解説を流しているのに説明
があった。
「1万5千年間、栗は日本人の主食」「コメは外来種でたった2千年」
栗は日本食の原点 

社長さんが出てきて「瑞穂=米の国」が日本の代表というけど、ありゃ外来種」
日本古来の食は『栗』だという。すべての栄養素が詰まっていて動物に
食われないように「いが」で守っている。

さらに栗の薄皮(衣)は認知症予防になるポリフェノールだという。
小田喜社長 

この話は印象的だった。
栗の良い栄養分はこの薄皮の部分にある。これをナイフで剝いてしまって
冷蔵庫で熟成させると糖分が増して甘くなるが、栄養分は偏る。衣付きの
ペーストが、甘すぎず栄養的には良い。

この和栗の性質は、「クリ」にしかなく中国栗、アメリカ栗、ヨーロッパ栗
にもない日本原産だけとのことである。
だから、社長は語る。
英語やマロンとかフランス語で呼ぶのは間違い。「クリ」と呼ぶべきだ。 

栗をすっかり見直してしまった。

毎月の「大試食会」。見逃せないな。 次回は5月13日である。