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一見、鰤の塩焼きに見えるだろうが、これは塩鰤の焼きものである。
その昔、富山湾で獲れた鰤は三日間かけて飛騨高山に運ばれ、高級食材として珍重された。水揚げされてから高山に入るまで時間を要するため塩をすり込んでから運ばれたようだ。
鰤一匹丸ごと開き、アラを取り、粗塩をすり込んで、一晩寝かせ、翌日、水で軽く洗ってから1週間から10日ほど天日干しすると、鰤本来の旨みが凝縮される。
切り身を焼いて食べるのが定番らしいが、薄くスライスして食べると生ハムのような食感で、酒の肴として絶品だという。
自宅で大きな鰤を開くのは大仕事になってしまうので、スーパーで買ってきた塩焼き用の切り身で塩鰤を作ることにした。
まあ、今回はなんちゃって塩鰤というところである。
切り身に塩をすり込み、キッチンペーパーで巻き、更にラップで包み込んで冷蔵庫のチルド室で保存する。
一日置くと、かなりの水分が出てきて、キッチンペーパーはびっちょりだったので、それを剥がして、新しいペーパーを巻いて、再びチルド室へ。
三日間寝かせた塩鰤がこれ。
表面はしっとりと濡れているが、かなり身が締まっている。
こいつを凹凸のついたフライパンでじっくり焼いてみた。
ん~、塩鮭のような食感で、ほどよく塩気が効いて、鰤の味もしっかりしている。
また、血合いの部分の生臭さもまったくなくなり、酒の肴にピッタリである。
次回は刺身用の鰤を買ってきて、今回より長く寝かせ、生で喰ってみることにしよう。
出来上がる直前に、有楽町駅前にある富山県のアンテナショップ”富山いきいき館”で、美味い富山の地酒を買ってこなくてはなるまい。
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