大雪

米で大雪、経済損失1200億円の試算も、首都機能まひ
2016/1/24 20:55日本経済新聞　電子版
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　【ワシントン＝川合智之】米東部を襲った歴史的な大雪は23日も降り続き、少なくとも計19人が交通事故や除雪中の事故などで死亡した。首都ワシントンと、ニューヨーク州など11州が非常事態を宣言。15万人以上が停電の被害を受け、航空便は１万便以上が欠航となるなど市民生活に大きな影響が出た。首都機能はまひし、経済損失は10億ドル（約1200億円）にのぼるとの試算もある。

23日、ワシントンの議会議事堂前での除雪作業＝ロイター
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23日、ワシントンの議会議事堂前での除雪作業＝ロイター
大雪が降った米東海岸の上空の様子。国際宇宙ステーションから撮影された＝ロイター
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大雪が降った米東海岸の上空の様子。国際宇宙ステーションから撮影された＝ロイター
23日、米首都ワシントンで、車を動かすために雪かきをする警察官＝ＡＰ
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23日、米首都ワシントンで、車を動かすために雪かきをする警察官＝ＡＰ
23日、米ニューヨークで、大雪の中、ベビーカーを押す人＝ＡＰ
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23日、米ニューヨークで、大雪の中、ベビーカーを押す人＝ＡＰ
　首都ワシントンの積雪は各地で50センチメートルを超え、近郊のダレス国際空港では約１メートルに達した。地下鉄やバスは週末、すべて運休。公共施設やスーパーマーケット、レストランなど多くの店舗が休業し、そりや雪合戦で遊ぶ人などを除き、街は閑散としていた。

　ニューヨークのセントラルパークでは60センチを超える過去最大の積雪を記録した。クオモ州知事は23日、緊急車両を除く通行禁止を命じた。地下鉄などの交通機関が運行停止し、ブロードウェーのミュージカルなども中止となった。週明けのニューヨーク株式市場への影響は不透明だ。

　ワシントンやニューヨークなどの主要空港では運休が相次ぎ、22～24日の米国内の運休は１万便を超えた。運航が通常に戻るには数日かかる見通しだ。

　全米12州で州兵2200人以上が出動し、交通事故や住民の避難、火災などの対応に従事した。バージニア州では激しい暴風雪になった。ノースカロライナ州やニュージャージー州で大規模な停電が起きたほか、沿岸部では洪水も発生した。

　アーカンソー州やノースカロライナ州などで道路の凍結による交通事故が相次ぎ13人が犠牲になった。ニューヨーク州などで雪かきの作業中に４人が死亡し、バージニア州で２人が低体温症で死亡した。

　オバマ米大統領は22日にホワイトハウスで予定していた科学者の表彰式を延期。週末は公式行事なしで過ごした。政府機関は22日昼から閉鎖しており、週明けの25日に再開するかどうかは未定だ。雪の状況によっては混乱が続く可能性もある。

　米国では異常気象ともいわれる現象が頻発している。米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）などによると、2015年の世界の平均気温は観測記録が残る1880年以降で最も高く、この冬も15年末までは記録的な暖冬だった。