哲学日記

10m超えの銀杏の枝を切る。

 

自宅の庭はごく狭いのだが、道路ぎわ宅地内に銀杏が植わっていて、今や葉が茂る時期には電線を覆うばかりになる。

 

枝の先が電線に近づいてるように見える。



去年台風の時期に、万が一断線の原因になったらと、急に不安に襲われた。

 

そこで今年、この不安を払拭すべく、動く決意をした。


まずネットで必要な情報を集めた。

7m以上の樹の枝切りは、プロの庭師にとっても「特殊作業」「応相談案件」で、決して安い料金ではないようだ。

おれが金持ちだったら、電話一本で業者任せにしたのだが、ひどい貧乏なので、自分でやる以外の選択肢がないようだ。

安全を考えたら庭師並みの装備を揃えたいが、調べたら専用ロープ一本、カラビナ一個でもいちいち予想外に高価で、とても一式買う余裕はない。

 

買える範囲の道具だけ買った。

 

 

事前の勉強不足で、庭師仕事には不向きなフルハーネスセットを買ってしまったために、必要だが予算不足で買えなくなったもの(腰回りの転落制止装備等)を、家のありものを寄せ集めて手作りせざるをえなくなった。上の写真にちょっと写ってるが、安全には程遠い、素人がテキトーに作ったしろものに過ぎない。なので決して誰も真似しないでください。

めちゃくちゃ危険だが、金の無いおれは、これでやるしかない。悲壮な決意(-_-;)

 

 

 

 

交通量が減る9時ちょっと過ぎまで待って枝切り作業開始。言わずもがなだが、当方一切未経験者。

できる限り注意しつつ、思い切って登っていく。腕を伸ばし電動鋸が目的の高所枝にたらう位置で、足を踏ん張って切る。

枝を見おろす位置で上から切れば楽なのだが、そんな高い場所まで怖くて登れないのだ。

降りかかる木くずはニット帽と花粉対策サングラスで防いだ。

時おり通る車とのタイミングを計り、枝を切り離す(理想は1本1本ロープを掛けて吊るし切りしたいが、高所の不安定な体勢での一人作業では、とてもそんな余裕はなく、断念した)

情けないことに、登って10分足らずで恐怖心の抑えが利かなくなり、体が震えてくる。それでもトップジンだけは切り口に塗り、すみやかに地面に降りると心底ホッとする。

たったこれだけで疲労困憊し、1日の枝切り作業強制終了。マジで、70過ぎたジジイのやることじゃない。

 

しかしやるしかないとおもい直す。このheavyな繰り返しを3月中続けた。素人のおれは、晴れた無風の日しかできないので、作業可能日はごく限られる。それでも、28日、トータル20本ほどの枝を切り落とし、困難なミッションは奇跡的に完遂された。

…見上げておもう、やれやれ死なずに済んだと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(My Favorite Songs)

I'm A Man - Chicago (Leonid & Friends cover) - YouTube


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