繁華街をうまくすり抜け、宿の中に無事たどり着けた。
「しかし、問題になってくるのは衛兵に見つかっている点だ」
ガトーが大きな剣を壁に立てかけると、ベッドの上に腰を下ろした。
「遅かれ早かれ、王女には伝わるだろう。そうなってくると身動きも取りづらい」
「王女さんって、どんな人なの?」
私はというと、アンティーク調のイスに、ガトーと向き合うように座っていた。
「王女に関しては、あまり関わりを持たない方がいい……」
その話になるとトーンが一気に下がった。この話は、まずかったのかな……。
「とりあえず、今後のことは明日にするとして……。ちょっと出かけてくる」
「どこにいくの?」
「偵察がてら、着替えとか調達してくる。リリーはシャワーでも浴びたら?」
肩まで伸ばした自分の髪を触ってみた。
「うん……。そうだね……」
いろいろ動き回ったからなぁ……。確かに洗い流したい。
一時間後、さっぱりした私の前に、ガトーが食料などを携えて戻ってきた。
「この服、どうしたの?」
「このあたりの町娘がよく着ている。少しはまわりとも溶け込むだろう」
いくつか持ち込んできたが、その中の一つ。赤をベースに白を織り交ぜた、エプロンドレス調の服を手に取ってみた。
「ありがと」
「着てみたら?」
今すぐ着てみたいのは私もそうなんだけど、一つ問題が。
「その……。ねぇ?」
ちらっとガトーの方を見た。
「なんだ?」
「だからね……。私、着替えるんだけど……」
「それで?」
「出てって、くれない?」
「女同士なんだから、別にいいだろう」
「え? え! えええー!!」
同性だから着替えを見てもいいという問題は、こっちに置いといて――。
「お、女の子だったの?」
「見れば分かるだろう」
「どう見たって、十四くらいの男の子でしょ!」
「十八なんだけどな……」
苦笑いしながら、ベリーショートの髪を掻いてみせた。
「私よりも一個上……」
どこまで見た目にギャップがあるんだ。
ダブルベッドを二人でシェアして寝ることにした。ガトーのことを知らなかったら嫌がったかも知れない。
よっぽど疲れていたのか、早々と彼……じゃなかった彼女は寝てしまった。
その寝顔は、起きているときの凛々しさはなく、可愛らしい優しい顔だった。
でも、なんで私のことを助けてくれて、面倒も見てくれるのだろう。
ガトーは、よく分からないことだらけだ。
≪ 第2話-[目次]-第4話 ≫
------------------------------
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「しかし、問題になってくるのは衛兵に見つかっている点だ」
ガトーが大きな剣を壁に立てかけると、ベッドの上に腰を下ろした。
「遅かれ早かれ、王女には伝わるだろう。そうなってくると身動きも取りづらい」
「王女さんって、どんな人なの?」
私はというと、アンティーク調のイスに、ガトーと向き合うように座っていた。
「王女に関しては、あまり関わりを持たない方がいい……」
その話になるとトーンが一気に下がった。この話は、まずかったのかな……。
「とりあえず、今後のことは明日にするとして……。ちょっと出かけてくる」
「どこにいくの?」
「偵察がてら、着替えとか調達してくる。リリーはシャワーでも浴びたら?」
肩まで伸ばした自分の髪を触ってみた。
「うん……。そうだね……」
いろいろ動き回ったからなぁ……。確かに洗い流したい。
一時間後、さっぱりした私の前に、ガトーが食料などを携えて戻ってきた。
「この服、どうしたの?」
「このあたりの町娘がよく着ている。少しはまわりとも溶け込むだろう」
いくつか持ち込んできたが、その中の一つ。赤をベースに白を織り交ぜた、エプロンドレス調の服を手に取ってみた。
「ありがと」
「着てみたら?」
今すぐ着てみたいのは私もそうなんだけど、一つ問題が。
「その……。ねぇ?」
ちらっとガトーの方を見た。
「なんだ?」
「だからね……。私、着替えるんだけど……」
「それで?」
「出てって、くれない?」
「女同士なんだから、別にいいだろう」
「え? え! えええー!!」
同性だから着替えを見てもいいという問題は、こっちに置いといて――。
「お、女の子だったの?」
「見れば分かるだろう」
「どう見たって、十四くらいの男の子でしょ!」
「十八なんだけどな……」
苦笑いしながら、ベリーショートの髪を掻いてみせた。
「私よりも一個上……」
どこまで見た目にギャップがあるんだ。
ダブルベッドを二人でシェアして寝ることにした。ガトーのことを知らなかったら嫌がったかも知れない。
よっぽど疲れていたのか、早々と彼……じゃなかった彼女は寝てしまった。
その寝顔は、起きているときの凛々しさはなく、可愛らしい優しい顔だった。
でも、なんで私のことを助けてくれて、面倒も見てくれるのだろう。
ガトーは、よく分からないことだらけだ。
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