世界には美しい大聖堂がいくつも点在しており、キリスト教徒が祈りを捧げる場としてだけでなく、観光を目的に訪れても楽しむことができます。実は、世界遺産として知られるスペインのサグラダファミリアも大聖堂の1つなんです。私たち日本人にはあまり馴染みのない存在かもしれませんが、海外では中東の一部地域を除くほとんどの国で見られます。
ヨーロッパを中心にキリスト教を信仰する国々に点在する大聖堂。世界78億人の人口のうち、全体に占めるキリスト教徒の割合は3割弱とされています。つまり、世界の約3人に1人はキリスト教徒なのです。一般的に大聖堂とは、カトリック教会では司教座が置かれている教会を指します。ロシア正教やギリシャ正教では、司教座の有無に関わらず、由緒ある教会を大聖堂とみなし、司教座制度を持たない宗派であっても、大聖堂と呼ばれるものもあります。世界各地には美しい教会が数多くありますが、大聖堂は高い格式を有する一際異なる存在です。
スペイン「サグラダファミリア」
「幾何学と自然の美をも組み合わせ 仲間を信じた大聖堂こそ」
サグラダファミリアは、スペインのバルセロナにある未完の大聖堂です。1882年に建築家フランシスコ・デ・ビヤールが着手し、その後ガウディに引き継がれ130年余りの時が経ちました。
ガウディの死後も、彼が残した基本構想やスケッチなどをもとに建築工事は続けられています。その完成時期は100年後や200年後とも言われ、これまでに様々な憶測が飛び交っていましたが、近年では建築技術の発展などにより徐々に工期が短縮されているのだそうです。
ちなみに、ガウディの生前に完成したのは地下祭室と聖堂東側にある「降誕のファサード」は世界文化遺産に登録されています。気になる完成時期は、ガウディーの没後100年にあたる2026年を目指しているそうです。これまで長きに渡って「未完の大聖堂」とされてきたサグラダファミリアの完成まで残りわずかです。
ガウディはサグラダ・ファミリア聖堂が未完のまま、1926年に死去した。その10年後にスペイン内戦が勃発し、混乱の中で聖堂も襲われた。主任司祭は殺害され、ガウディの仕事場は焼き払われた。図面は焼け、模型はバラバラに。断片や破片をかき集めての復元作業。後世の建築家は不完全な手掛かりで聖堂の建設を引き継ぎ、相当苦労したのでは―。ガウディの後継者である9代目主任建築家ジョルディ・ファウリ(63)に質問すると、即座に答えが返ってきた。「いや、ガウディは完璧な手掛かりを残した」理由は幾何学。例えばガウディの二重らせん柱は下から上に行くにつれ、八角形、十六角形、三十二角形、六十四角形というように円に近づく。ほかにも双曲線面、放物線面、らせん面など幾何学に基づいた形状が多用され、基本構造の多くが「明確なルールに基づいていた」という。「型はわずかしか残らなかったが、ガウディはシステムを残してくれた」とファウリ。回転しているような柱の形は自然の木の形状を再現しただけでなく、十分な強度も備える。一見ばらばらに見える柱の直径や高さなども、規則的な比率があった。また、建物は通常、基礎の土台から建築していくが、ガウディは先に「降誕の正面」をつくった。「自分が生きている間はサグラダ・ファミリアは完成しないと分かっていた。ガウディは明確なビジョンを示し、残りを後世に託しました。
参照
https://dokodemodoors.com/column/cathedral
https://tabichannel.com/article/1191/cathedral
https://www.tokyo-np.co.jp/article/257486
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