「浅間山明鏡止水」あさまやま めいきょうしすい

「後期印象派・ロートレック1864年-1901年」~口語短歌と写真で綴る「世界文化紀行」

「後期印象派・ロートレック1864年-1901年」~口語短歌と写真で綴る「世界文化紀行」
カラフルな色彩が特徴で、ポール・セザンヌ、ファン・ゴッホ、ゴーギャンとならんで後期印象派の代表的な作家の一人として知られています。また、アール・ヌーヴォーのイラストレーターであり、リトグラフ作家として活躍。19世紀後半のパリにおけるボヘミアン・ライフスタイルの様子を描写しました。ロートレックは、南フランスの貴族の家に生まれました。特権階級の暮らしの中で育った彼は動物を愛し、乗馬を好んだそうです。 生まれながらに病弱だった彼の骨は弱く、二度の大きな事故で両足の大腿骨を骨折した後、脚の成長が止まってしまいました。ロートレックが成人したときの身長は152cmで、上半身は大人だが脚は子どものままでした。
正式名はアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック


「洗濯女1889年」
口語短歌
「ロートレックの 繊細さと 暖かさ 苦労に対する 情愛示す」



彼の好んだモデルの一人であったカルメン・ゴーダンを、仕事で疲れ果てて休憩する洗濯女として描きました。女性と彼女の苦労に対する情愛が伝わって来るこの作品には、繊細さと暖かさがあります。この自然主義的な絵画技法は、ロートレックの初期作品に基本的なものであり、ドガの影響を反映しています。2005年のクリスティーズ・オークションで、ロートレックの初期作品である「洗濯屋」は、2200万ドル(約30億円)で落札されたと言われています。

キャバレー「ムーラン・ルージュ」とポスター画家
ムーラン・ルージュからポスター制作を依頼されまして、このころからロートレックはキャバレーに入り浸ります。彼自身が身体障害者として差別を受けていたこともあってか、夜の世界のマイノリティで差別をされている女たちに共感するようになります。そして、彼女らを愛情のこもった筆致で描きました。ムーラン・ルージュやほかのナイトクラブのために制作した作品は、非常に人気が高くなり、このころの作品が一般的にロートレックの代表作として認知されるようになりました。描かれた女性としては、キャバレー歌手で女優のイヴェット・ギルベール、フレンチ・カンカンのダンサーであるラ・グリュ、同じくフレンチ・カンカンのダンサーであるジャンヌ・アヴリルなどがいます。


キャバレー歌手で女優「イヴェット・ギルベール」
口語短歌
「イヴェットは 黒い手袋 トレードマーク 身に着けた衣装 好評博す」


イヴェット・ギルベール(1867-1944)は、有名なキャバレー歌手です。1889年にクラブ・エルドラドで歌い始め、その後1890年にムーラン・ルージュに出演するようになりました。1895年にはアメリカ巡業を行い、以前よりもさらに有名となってパリに戻りました。黒い長手袋が、彼女のトレードマークでした。ロートレックは手袋を身に着けた彼女を描き、二つのリトグラフ画集を彼女に捧げました。


フレンチ・カンカンのダンサー「ラ・グリュ」
口語短歌
「ラ・グーリュは 一流キャバレー ダンサーで 尽きない食欲 大食いニックネーム」



ラ・グーリュとして知られるルイーズ・ウェバー(1870-1929)は、当時最も成功したフレンチ・カンカンのダンサーでした。彼女はムーラン・ド・ラ・ギャレット、アルカザール、エリゼ・モンマルトル、ジャルダン・ド・パリ、そしてムーラン・ルージュなどで、パートナーである曲芸師ヴァランタンと共にカドリーユを踊りました。彼女は尽きない食欲の持ち主だったため、「ラ・グーリュ(大食い)」というニックネームを与えられたそうです。


フレンチ・カンカンのダンサー「ジャンヌ・アヴリル」
口語短歌
「ジャンヌは ムーランルージュの 踊り子で ダンサー本業 大成功を遂げる」



ダンサーのジャンヌ・アヴリルは、1868年にパリのベルヴィル地区で生まれました。親から虐待を受け、家から逃げ出したジャンヌは、シデナム舞踏病と診断されてピチエ・サルペトリエール病院に入院しました。伝記によれば、ジャンヌは病院の従業員と患者の前で社交ダンスを披露したと言います。ジャンヌはダンサーを本業とし、大成功を遂げます。1943年、74歳で亡くなりました。


「シンプソンのチェーン1896年」 
口語短歌
「ロートレック 依頼主への テクニック 躍動感や おもしろデザインも」



ポスターのデザインは、躍動感のあるおもしろいデザインです。この「シンプソンのチェーン」という作品は、自転車とチェーンを製造するイギリス・シンプソン社のパリ支店用広告。中央の青い背広の人物は、支店長だそうです。こんなふうに自分を描き込まれたら、嬉しくなります。顧客の心を掴むためかどうかはわかりませんが、こういったテクニックもロートレックは上手でした。

参照
https://www.artpedia.asia/henri-de-toulouse-lautrec/
https://www.musey.net/16526
https://www.musey.net/15828
https://www.musey.net/15641
https://www.musey.net/15439

「2021年軽井沢レイクガーデンに咲いた薔薇」
「ザダークレディ」2021年9月7日撮影

コメント一覧

knsw0805
あんりママ、おはようございます。
私も好きな画家です。「大正ロマンのアールヌーボー、アールデコ」を思い出させてくれる作家で素敵ですよね。このアンニュイな感じが堪りません(笑)
あんりママ
kenさん、こんばんは♪

ロートレックも好きな画家さんなので興味深々で拝見しました。
だいぶ前ですがロートレック展へ行き、映画も観て、家にはポスターが貼ってありました。

ロートレックの低い目線から描かれているので、どれも躍動感溢れる作品ですね。
knsw0805
さわさん、こんばんは。
昔からロートレックは好きでした。
実は若い頃ムーランルージュに行きましてカンカン踊りを目の当たりにしています。そして劇場のそこかしこにロートレックのリトグラフポスターを見ています。ムーランルージュでのロートレックのポスターを見た時本当に感動しました。
さわやか♪
こんにちは
解説を読みながら絵を見ると
描いている画家の状況がわかり描かれていない絵の奥を
想像してしまいます
ロートレックが少し身近に感じました
詳しい解説 ありがとうございます
knsw0805
@pmr8559goo さわさん、おはようございます。
了解しました。
pmr8559goo
こんにちは
ロートレックですね
またゆっくり説明文を読みながら 見させていただきます
楽しみです♪ リコメしてあります
  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「写真と短歌で綴る「世界文化紀行」」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事