赤壁賦 あゝ赤壁賦 赤壁賦
下の静物画は17世紀のフランスの画家ジャック・リナール(1597-1645)が
1638年の作品「赤壁賦」の描かれた中国製の鉢に盛られた果物や花です。
ジャック・リナールは大層気にいったと見えて、丁寧に見事に描いていますね。
絵は3点とも一部分です
上の静物画の鉢や茶碗に描かれている蘇東坡の「赤壁賦」は、その後も、殆ど
上図のものと同じデザインで統一されて描かれています。
これと同じような鉢は大英博物館にもありますし、日本にはずいぶん沢山あります。
「赤壁賦」の詩を書いたのは、蘇軾(そしょく 1037~1101)という人です。
11世紀後半の宋(北宋)の政治家、文章家で、号を蘇東坡(そとうば)といいます。
『前赤壁賦』は、宋の時代(1082)旧暦七月十六日夜、
蘇軾は友人と長江の赤壁の下に舟を浮かべて清遊して、
「この赤壁で覇を競って大激戦をした魏の曹操や呉の周瑜の栄枯盛衰」を偲びつつ、
自らの身の上に比べ、人間は儚いものだと詠じ、だが名月と清風を得て楽しんだと
いう感慨を詠ったものです。
『後赤壁賦』は、同じ年の旧暦十月十五日の夜、蘇軾は二人の客人と風雅な話を
しているうちに、酒と肴を調達して、再び赤壁まで月見に出かけたことを
題材としています。
「赤壁」とは「この赤壁で覇を競って大激戦をした魏の曹操や呉の周瑜が活躍した」と
いう場所なのです。映画「赤壁」または「レッド・クリフ」でおなじみです。
この映画の話を次回いたします。
そして「赤壁」の場所は、今年世界中にその名を轟かした「武漢」の近くなのです。
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