世情余情口端歌

淡雪のしだいに溶けてなくなるに
　　束の間でさえ生きざるべからず

世情余情口端歌

年並みの花野一面斑雪にて
　　大きなる白牡丹見るごとし

世情余情口端歌

ふたりして未知の手稲に住み着きて　　
　　幾代経しいまひとり思ほゆ

世情余情口端歌

沖縄とただよふ平和を国民は
　　気に掛けつつも暮らしに昏れむ

世情余情口端歌

幾年の君への介護なれたるに
　　なき後のわが手のむなしけり