8月○○日 早朝
携帯のアラームが鳴る。久々のデジタル音がうるさく感じた。
起床
体がだるい、やはり、本調子には程遠い。(もう少し休めばよかったかなぁ)
目覚めのシャワーへ
発症中、入院中はふらつきながらだったが、今は普通に入浴できる。
少し安心した。
シャワー後
スマホで天気予報を確認したり(外回りの仕事なもんで)、歯磨き、朝食、身支度。
段々と日常の空気感に身を包まれる
不思議な感じだ
さて、そろそろ時間だ。
家を出て、徒歩でバス停に向かう(自分、バス通勤なんです。)
ゆっくりと呼吸し、足腰の調子を確かめながら、テクテク歩く。気温は高め、少し、汗ばむ。
バス停到着
誰もいない。少し早かったかな?
バスを待ちながら、ぼんやりと自宅待機中や入院中の出来事を思い出す。
コロナ発症時の不安、保健所とのやり取り、PCR検査で見た行列、入院初日に乗せられた車椅子、担当医が熱心に説明してくれた治療方針、酸素吸入時の呼吸が楽になった感覚、病院食を完食できた日、頭上からティアドロップ型に落ちていく点滴を眺めていた時間、本当に色々あった。
濃厚接触者認定から職場復帰まで、一ヶ月近くを要した。ようやく、ここまで来た。
バスが到着し、ゆっくりと踏みしめるように乗り込む。
車内は混んでもなく、空いてもいない。空席もあるが、今日は座らないでおこう。理由は自分でもわからないが、そう思った。
会社に着いたら、まずは"あの人"に挨拶しないとな。厄介だなぁ。
外の気温とは裏腹に、荒涼たる思いだ。
そんな事はお構い無しとばかりに、バスは普段通りに発車した。
続きます
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