8月○日 入院生活6日目の朝
担当医「○○さん、おはようございます。順調に回復してますね。予定通り、明日で退院しても大丈夫です。退院後はあまり無理せずに、体力回復に努めてください。あと、今日で点滴最後ですから。」
担当医から正式に退院の許可が出た。明日、帰れるんだ…長かった…
朝食を食べ終えてから、しばらくぼんやりしていると、看護師がやってきた。
「○○さん、今から採血しますね。」
また右腕に刺されるのか。人生二度目、両腕に針が刺さった。
退院決まってるのに採血かぁ。普通の検査なのか?それとも、他の用途に使われるのかはわからない。一応、コロナ回復者の血液だもんね。データ集めたり、ワクチンや製薬とかで使われたりするのかも。などと考えていた。
昼
看護師「食事お持ちしましたー」
自分「ありがとうございます」
ん、おぉ…おぉ…カレーライスだ!いわゆる日本の一般家庭でよく食べられる、あのジャパニーズカリーだ。
まさか、病院食でカレーが食べられるとは…(テンションが無駄に荒ぶるおじさん。)
実は退院の日まで病院食の献立を知らされてなかった(看護師さんに聞けば教えてくれたんだろうが、聞く気がしなかった。だって、味覚、嗅覚障害だし。)
退院日に聞いたら、月の献立表が病棟の掲示板に貼ってあったらしい。
あのさ、俺…病室から一歩も出られないんだけど。
話を戻して
カレーに集中しよう。期待と不安が入り交じりながら、ご飯とルーが単独で盛られた容器の蓋を開けた。
別の容器の蓋も開ける。福神漬け、サラダピクルス(ドレッシング付)、デザートのスイカ。
いただきます!
さて、どうやってこの華麗來栖を攻略してやろうか。
ルーを全て、ご飯側の容器にぶちまけてやろうか、いや、逆にご飯側をルーの容器に…
結局、ルーを少量ずつスプーンにすくい、ご飯側にかけていただきました。
大人ですから。
味覚障害だから、味はぼんやりしてたなぁ。それでも、美味しかったけど。
カレーを一口、二口、ゆっくりと味わいながら、もうひとつの喜びも噛みしめる。
明日で退院だ…
※
写真は実際に食べた病院食のカレー
ご馳走様でした
続きます
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