そう。『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレ東)(BSテレ東)
通称『チェリまほ』です。
以前、【色々と試される】という記事で演じる役者さんの覚悟について書きましたが、今回の4話を見て制作側も相当な覚悟を持ってこのドラマに取り組んでいるんだなって思いました。
Twitterで読みましたが、脚本家・吉田恵里香さんの「BLも腐女子もネタとして消費されるのは嫌」っていうコメント、かっこ良すぎてチビリそうです。
4話では藤崎さんという女性にスポットが当たるのですが、1話30分全12話というドラマの尺を考えてキャラクター設定を原作と変えたそうです。
私は原作を読んでいないので、元のキャラクターを詳しくは知りません。原作者は藤崎さんを読者視点になれる存在として設定したそうなので、安達くんと黒沢くんの恋を近くでドキドキ、キュンキュンしながら見守るキャラ設定なのかな?まあ、見方によっちゃ腐女子ですよね。そこを単なる人の恋路を楽しんで見ている人と誤解されないよう、ドラマではキャラクターを変えたそうです。
藤崎さんは〈恋愛に興味が持てない女性〉として描かれています。デリケートな問題なので、カテゴライズするのはたとえドラマの中の人物でもやめておこうと思います。でも、彼女自身、自分はマイノリティだと感じていて、生きづらさを感じています。いや、周囲に上手く合わせるという彼女持ち前のソーシャルスキルで、表面上はどうにか攻略しています。でも、ふとした瞬間に本音がもれる……。(それを安達くんが〈魔法〉で聞いてしまうのですが)うまくやり過ごしていても、それはやはり疲れるよね……。
同じように恋愛に興味が持てない女性として、私が思い出すのは、同じテレ東のドラマ『来世ではちゃんとします』に出てきた「梅ちゃん」です。
セフレが5人いる主人公「モモエちゃん」とは対象的に、人から恋愛対象として見られるだけでサブイボたっちゃうような恋愛NG
のキャラクターでした。

対象的な二人ながら、なぜか気が合って仲良し。この二人の関係、私はとても好きでした。
日本人って、セックスの話となると途端に緊張して小学生か中学生みたいになっちゃうんだけどw、この『来世ちゃん』というドラマは性をこじらせた大人たちのお話として、軽いタッチでおおらかに、でも真面目に描いていてとても面白かったです。主演の内田理央さんが下手すりゃ下品になってしまいそうなモモエちゃんを、可愛らしく時に切なく演じていて秀逸でした。

ちょっと前ならアメリカのドラマじゃなきゃ見られなかったようなお話を、日本の、テレ東さんが作って届けてくれたことに拍手です。



興味がある方は見てみて下さい。ゆうたろうくんも出てますよ。(残念ながら無料のはないみたいだけど
)

性とか恋愛に関することって、本当に人それぞれですよね。とてもとても個人的なこと。ついマジョリティの意見に同調しがちだけど、無理する必要はないんです。だって基準も標準もないじゃん
話したい人は話せばいい。でもそれを楽しまない、という選択も許されていい。

私は職場でOL民であることを話した事があるけど、中にはホモフォビアと思われる人もいるので(あからさまに他人を批判するような人ではないけど
)相手を選んで話すようにしています。『チェリまほ』の話も、タイドラマの話もね。(笑)

LGBTQへの理解を!と言われて久しいです。でも、どうしてもそういう話を聞きたくないという感覚も無視できない。何か深刻な理由があるのかもしれないし……。
何かを押しつけるのは、やっぱり怖いこと。様々な立場の人に配慮して作らなければならない昨今のドラマは本当に大変ですね。
そこを逃げずに真正面から取り組んでいる『チェリまほ』制作陣、マジで推せます










※そして、なんとその『チェリまほ』がタイで放送されるらしいですよ。事実ならとても嬉しいです。😊
