私もつい1ヶ月ほど前まではまったく知らなかった。
それが今、毎日彼の歌を聴かないといられない身体になってしまった。(笑)
きっかけはOffGun関連で流れてきたYouTubeの動画。
「あ、このサビ好き!良い曲だなぁ〜」と思ったのだけど、〈ながら視聴〉だったため、曲名も歌っている歌手名もわからないまま何日かが経過してしまった。
声の感じで最初はSingtoさんが歌っているのだと思って、彼の名前で動画検索したけど見つからず……。でもある日、おすすめ動画でついに再会した!
曲名は『Plur Ruk Mot Jai』歌っているのはBie Sukrit。その動画は最後の方にOffGunがファンミーティングで歌っているシーンが付いていた。(彼らは安定の可愛さだったw)
それからは、Bieのことをググり曲を探す日々。
残念なことにCDはAmazonでは在庫なし表示で買えず。じゃあ、配信で購入しよう!とサイトを検索するも、自分のスマホがAndroid端末だからか正規のルートに辿り着けず……。
やっと見つけたのはMP3の無料ダウンロードサイトだった。
課金したいのに。
でも、それからはgetした『Plur Ruk〜』を毎日何回も、サルのように(言い方!w)聴いた。スマホに付いてきたけど、これまで全く使ってこなかったワイヤレスイヤホンがやっと日の目を見た。
この曲、〈思いがけずあなたに恋をしちゃった〉という内容なんだけど、恋のはじまりを、胸がキューってなるような美しいメロディーで表現している。アレンジもピアノの音が印象的なオーソドックスなもので、誰もが経験したことのある、恋への戸惑いや喜びをまっすぐに伝えてくれる。
そして、Bieの歌唱。彼の声がいい!!
ちょっと乾いていて、でもビブラートはちゃんとあって、ファルセットは伸びやかで。
どんなサウンドにも埋もれない〈立つ声〉をしている。〈立つ声〉っていうのは私が勝手に使ってる表現だけど、ちょっと引っかかりがあって、程よく圧のある声と言ったらいいかな?わかりやすい例えだと、BrightくんよりもWinくんの方が〈立つ声〉を持っている。KristくんよりもSingtoさんの方が〈立つ声〉だ。これは声の質の話で、歌の上手下手の問題ではない。
また、声の好みで言うと、私は音域によって色合いの違う声を持つ人が好きだ。聴いていて飽きない。どんな美声でも一本調子だと、疲れてしまう。Bieの声はいい感じに粗かったりなめらかだったりするのだ。
そして、Bieのピッチ(音程)の正確さ!おかげで、本当にストレスなく聴ける。ちなみに、YouTubeでめちゃくちゃ沢山のBie動画が出てくるんだけど、どの場面でも彼は正確なピッチで歌っている。凄い。
そして、これはBie個人というよりも、タイポップに言えることなんだけど、タイ語が新鮮に響く。特に巻き舌が出てくるところ。イタリア語ともまた違った響き。ポップミュージックとの相性が良い。
さて、この曲に堕ちた私は、頼まれもしないのに採譜し、日本語版の歌詞まで勝手に創作してしまった。
採譜してわかったのだけど、C durで書かれたこの曲、へ音記号のCから、真ん中のCを超え高いHまで使って書かれた非常に音域の広い曲である。約2オクターブに及ぶ。「OffGun凄いな!あの子たち普通に歌ってるよ」と改めて驚いた。
使われているコードはC Dm Em F G7 Am など基本的なもので、借用和音もないと思われる。あ、7thや9thも適宜入っているけれど、なくてもこの曲は成り立つ。
本当にシンプルでオーソドックスな、1980年代、いや70年代の匂いすらするこの曲に、私は何故こんなに魅了されたのだろう?
さすがにこの頃は慣れたけど、聴き始めの頃は、サビの部分で毎度泣きそうになっていた。
音楽っていうものは極めてパーソナルなもので、個人の好みやタイミングで、同じ曲でも心に響いたり響かなかったりする。こんな風に私は熱く語っているけど、他人が聴いても「ふーん」ぐらいにしか思わない曲かもしれない。
でも今、この時期に私の心を揺らし満たしてくれるBieの楽曲たち。きっと何らかの意味があるんだろう。
久しぶりの嬉しい音楽との出逢いだった。まさに『Plur Ruk Mot Jai』である。
そして、私のタイ沼もここまできたかと思った。音楽まで?!って……。
まさか、毎日タイ語を聞く日々が来るなんて、去年の私は夢にも思っていなかった。
そして、苦しくなった。〈好き〉を吸うばかりで、吐き出さないから。
「タイの沼は海ですか?」
で、このブログを始めた次第である。