先週の日曜日に読み終わったこの作品。きちんと出汁をとって作られた料理、という印象。材料は【今、この時代】。
つまりは本格派。楽しめた。
一人称(あたし)で語られる文章は比喩が詩的で濃ゆい。でも、わかる。☺️
ただ、地の文と主人公の特性(学習に対する脳の働きにやや偏りがあると見受けられる)とのバランスが、少しどうかな?と思った。つまり、言語的に高度な表現が多用され過ぎている気がしたのだ。主人公のあかりは地の文では非常に聡い子である。
もう少しふわっと平坦な言葉で綴って、時々ズバッと真を突くような表現でも良かったかも……?その辺りの力加減は21歳の作者にはまだ難しいのかな?
いや、芥川賞とるにはこのぐらいの【常に全力】の文章が必要なのか……。
ストーリーは、推し事をしている人ならわかりみが過ぎるもの。😁
もちろん、推し方は人それぞれなので、共感出来ない部分もあるだろうが、私はスルスルと読めてしまった。
ネタパレはしないが、すべてを読んであかりに言いたいことを書こう。エールとして。
そうなのだ。人生は…、暮らしは、綿棒を拾うことから始まるのだ。不格好な四つん這いで。まずは、あなたのやり安い格好で始めればいい。まずはやってみよう……。
😉✨
読み終わって、目に入ってきた栞紐の色に泣きそうになった。翳り始めた窓からの光に照らされて、それはとても美しく輝いていた。
そう、あかりが推してきた上野真幸のメンバーカラーである。
なんとも憎い仕掛けだ。
紙の本ならではの仕掛けに拍手。