ハワイ島に到着後、コンドミニアムのチェック・インまで時間があったので、
コナの町を散策した後、ケアウホウ・ショッピング・センターへ、買い出しに。
午後3時過ぎ。
ようやく滞在予定のコナ・マカイへ。
飛行機の中で眠れなかったせいか、この時点でかなりの疲れが・・・。
駐車場の空いているスペースに、一旦車を停めた後、
Sun Quest(ハワイ島のコンドミニアムを予約する際、利用しています。)からの指示通り、
コンドミニアムのオフィスへ。
日曜日なのでオフィスは閉まっていましたが、
ドアには封筒がいくつか貼り付けてあります。
私たちの名前が書かれた封筒を手に取り開けてみると、
中には、
部屋の鍵の取り出し方とゲートの暗証番号、
コナ・マカイのルール
(コンドミニアム毎に、決まりがあります。)の書かれた用紙、
見取り図等が入っていました。
用紙に書かれている通りに、ドア横のLOCK BOX から、部屋の鍵を取り出します。
[#3204]のタグが付いた鍵を持って、いよいよ予約した部屋へ。
3号棟の2階に上がり、3204号室のドアに鍵を挿し開けようとしますが、
「?・・・」開きません。
何度か試しますが、やはり開かない。
何故だろうと焦りながらも、
ここでビシッと男らしくドアを開けて見せないと、
滞在中の主導権を妻に奪われると思い必死で開けようと試みますが、
ビクともしません。隣で妻がじれてきているのが分かります。
部屋番号に間違いはないし、鍵も間違いないはず。
それなのにドアは開かない。
「どうして?」と焦る私に、
ついに痺れを切らした妻が、「貸して!」と、手を差し出します。
『案外、簡単に開いたりして・・・』と嫌な予感がしながらも妻に鍵を渡すと、
2、3度ガチャガチャとドアノブを回した後、私の前で堅く閉じられていたドアは、
いとも簡単にあっさりと開きました。
「・・・・・」
妻が誇らしげに、「さぁ、どうぞ。」と、部屋に招じ入れます。
どうやら、私には分からなかったコツを妻はマスターしたようなので、
以後滞在中のドアの開け閉めは、妻の担当としました。
荷物を運び込み、ようやく一息。
コナ・マカイは、海岸線に対して縦方向に建てられているので、
ほとんどの部屋が中庭に面しています。
リビング側のラナイに出れば海も見えます。
ラナイはもうひとつ、寝室側にもあります。
もちろんキッチンもあります。
そして、この3204号室の最大の特徴は、寝室の壁が真っ赤なこと。
昼間は、「この壁の色はどうだろう?」と思いましたが、
夜になってスタンドの明かりを点けると、
不思議なことにとても落ち着いた気分になれました。
バスルームのシャワーは壁からノズルが出ていて、
その下にドアノブのようなものがひとつ・・・。
これを回せばお湯が出るのだろうと回してみますが、
いくら回してもお湯どころか水さえも出てきません。
回し方が足りないのかと、
10回以上回して回して回し続けても一滴たりとも出てきません。
今度は意地を張らずに、素直に妻と交代。
試しに回してみていますが、ドアノブとは違い、これにはお手上げ。
止む終えず、隣の部屋の人に尋ねてみることに。
緊張して「Hello!」と声を掛けると、出てきたのは日系アメリカ人の男性。
少し安堵して事情を説明すると、親切にも部屋に来て見てくれることに。
彼もノブを握り右に左にと回してみますが、やはりお湯は出ません。
しかし、「・・・!!」と、彼は思いついたように、
握っていたノブを手前に引っ張りました。
するとその瞬間、ノズルから水がほとばしり出て来ました。
彼は片腕を濡らしながらも、
「このシャワーは、引っ張ってお湯を出すんだよ。」と、笑顔で言い、
さらにノブを回して、「こうして熱さを加減するんじゃない?」と、教えてくれました。
私が交代して試してみると、
確かにノブを引っ張ってから回すと、お湯加減が調整できました。
ノブを押し込んでシャワーを止め、彼に感謝。
「Thank you very much.」
タオルを渡して礼を言うと、
実は彼の奥さんは宮崎出身の日本人で、息子と3人、1ヶ月ほど隣の部屋に滞在する予定だとのこと。
私たちは今日から9日間ですと言うと、「じゃ、その間はヨロシク。」と握手。
「本当にありがとう。」と、もう一度礼を言うと、
「You are welcome. 」
彼は手を振って隣の部屋に戻っていきました。
シャワーの問題も無事に解決して、一安心。
夕暮れ時、中庭にサンセットを見に出て行くと、
お年寄りたちが手に手にワインやカクテルを持って、
日没の瞬間を待っていました。
グリルもあり、肉の焼ける美味しそうな匂いが漂ってきます。
日が傾くにつれ、
私たちも乗ったことのあるCaptain Bean's のディナー・クルーズ船が、
太陽の前をゆっくりと横切って行きます。
やがて、太陽が沈みきった瞬間、その場にいた全員が「Oh !」と、ため息。
無事一日が終わったことを祝福するかのように拍手をして、
それぞれ部屋に引き上げていきます。
この夕暮れのミニ・セレモニーは、私たちの滞在中、毎日のように行われていました。
さすがにお腹が空いたので、フロント・ロウにあるババ・ガンプへ夕食を食べに行きました。
翌月曜日の朝、レジストレーションを持ってマネジャー・オフィスへ。
デスクに年配の女性がひとり座っていて、
その脇では老夫婦がコーヒーを飲んでいました。
3人が談笑しているところへ入って行き、
「おはようございます。私は○○です。昨日からコナ・マカイに滞在しています。
レジストレーションを持ってきました。」と、
記入しておいたレジストレーション・カードを、デスクの女性に差し出しました。
「これで、いいですか?」と訊くと、彼女は名簿と見比べた後、「Perfect!」と一言。
何か問題がありますかと聞くので、
「No problem. Everything is O.K.!」と答えました。
その遣り取りを見ていた老夫婦のご主人が、
ニコニコしながら「君もコーヒーを飲んでいくかね?」と訊いてきました。
とても人懐こそうな笑顔の老人で、時間があればご馳走になりたいところだったのですが、
これからコーヒー・ベルトをドライブする予定で、妻を部屋に待たせたままなので、
「ありがとう。でも、私の妻が部屋で待っているので、
私は今すぐ戻らなければなりません。」というと、
ご主人は何かを勘違いしたらしく、
「そりゃ、急いで戻ってあげないといけない。」と、意味ありげにウィンクをし、
ガンバレと言わんばかりに親指を立てて見せます。
私は内心、『新婚じゃないんですよ』と呟きつつ、苦笑するしかありませんでした。
デスクの女性から「楽しく過ごしてね。」と言われ、サンキューと応えてオフィスを出ようとすると、
老夫婦からは、 「A Happy New Year !」の声。
『あ、そうだった。』
言われてみて、まだお正月なのだということを思い出した私は、
笑顔で振り向き、ハッピー・ニュー・イヤーと3人に声をかけ、部屋に戻りました。