『死ぬとうげ』 高久富瑛さく
むかしむかし
三年峠の隣に
死ぬとうげがありました。
ちょっと急な坂道でした。
三年峠とちがって
けしきがあんまりよくありません。
けど、のぼる人は多いです。
昔からこうゆうつたえがありました。
「死ぬとうげで
せき、またはくしゃみが出ると
今すぐ死んでしまう」
といううわさが広がっていました。
ある日しらないおばあさんが
おはかまいりに行って
ゆったりしておったら
日が暮れて、おばあさんは
「急がなきゃ」
おばあさんはあんなに
せき、くしゃみをがまんしたのに
がまんできずくしゃみをした!
でもぎりぎり生き残って家にもどって
おじいさんにだきつきました。
おばあさんは
「死ぬとうげでくしゃみを
してしまった!」と
泣きながら言ったら
おじいさんも泣きました。
そしたら!
とみーマンがやってきて言いました。
「死ぬとうげでくしゃみをしたのか」
「うん・・・・そうだ」
おばあさんが言いました。
「そんなのうそだよっ!
だからあなたは死ななかったのです」
おばあさんは考えて言いました。
「本当!?」
「そうですっ!」
おばあさんはうれしくなりました。
そして三年峠で
いっぱい転び長生きしました。
とっぴんぱらりのプー!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます