8代目クワヒロカーのトヨタのオーリスですが、中古車故にキーバッテリーがあとわずかと警告が出ましたので、本日洗車とセットで交換しました。
そのオーリスですが、6代目クワヒロカーのフォルクスワーゲンのゴルフ7から乗り換えて間もなく4ヵ月ということで、改めてレビューしたいと思います。
というのも、オーリスには過去にも試乗して記事にも書いているのですが、実際に所有してみてその印象は変わりました。
やれ狭いだの(⇒試乗した時の感想はコチラ)、それこそゴルフ7と比較して高いだの(⇒オーリスよりもゴルフやフランス車はコチラ)、ネガなことを書いていました。
私が敬愛するジェレミー・クラークソンも2013年のレビューでオーリスを " 可能な限り運転してつまらない車として故意に設計されているかとしか思えない "と、酷評しています。
実際にBBCの「トップ・ギア」でもニュージーランドで青いオーリスとヨットを競争させ、荒い運転で青いオーリスをボコボコにしていました。
一方、ジェレミーはオーリスとゴルフを比較し、" ゴルフは笑顔の道化師がカラスと戦うドイツのアートハウス映画であるのに対し、オーリスはコップ一杯の水道水に過ぎない " と評しています。
確かにオーリスとゴルフ7をそれぞれ所有してみて、多くはゴルフ7の方が上回っていると思います。
思ったよりもオーリスの後席は狭くなかったのですが、後席用のエアコン吹き出し口を備えるゴルフ7に対し、オーリスはその位置に何を入れるのかよくわからない収納スペースしかありません。
また、9エアバックの影響も含めて剛性の高さを感じるゴルフ7に対し、当時の燃費スペシャルな背景で生まれたであろうオーリスのボディはペラペラな感じで、剛性の高さよりも軋んでいるのではないかと思うこともあります。
ゴルフ7のDSGに比べるとオーリスのCVTはマニュアルモードを備えるもお世辞にも味気があるとは言えません。
何より両方肘掛けを備えますが、オーリスのそれは引っ張り出さずともシフトノブを握ろうとすると肘を掛けることができ、引っ張り出して肘を掛けるとシフトノブを握ることが難しくなってしまいます。
そもそもシフトノブ自体も、重厚感のあってまるでマニュアル車みたいなゴルフ7のそれに比べるとオーリスのシフトノブは味気がありません。
ナビはもちろん車のコンディションも司るDiscover Proを搭載するゴルフ7に対し(⇒Discover Proはコチラ)、オーリスのナビはニンテンドーDSとの接続が可能なぐらいで、オーディオもセルジオ・メンデスとジャミロクワイとリップ・スライムとでイコライザーを変えないとまともに音楽を楽しむことも出来ません。
他のメディアでも所謂Cセグメントでランク付けした際にも、ゴルフ7はベンチマークとされる一方、オーリスに関してはスバルのインプレッサやマツダのアクセラよりも下の最下位もしくはブービーといった感じ。
私自身もゴルフ7があれば、他に何も要らないと思うこともありました。
この春までは。
しかしながら、この3ヵ月ちょっとでオーリスは3000kmオーバーを走りましたが、それは今年になってからゴルフ7を手放すまでに乗った距離を上回っています。
緊急事態宣言もあったので当然、と言いたいところですが、3月下旬から8月にゴルフ7を手放すまでの間にゴルフ7が走った距離は1000km走ったかどうかといったところ。
その多くはゴルフ7の代車、アウディのA4もしくはゴルフ6に乗っていました。
それはゴルフ7がエンジンの触媒エラーが起こっいる可能性があり、最寄りのフォルクスワーゲン正規ディラーで点検を受けるようにとの警告灯が度々点灯するようになり、何度持ち込んでもこのエラーがなくなることはないような状況に陥りました。
それが起こったのは、何も異常がないと一年点検が終わって2か月後の出来事でした。
また、一年点検は4万円払った延長保証の範疇で行ったので、以降ゴルフ7を見るには5千円入りますとのことで点検に出し、当初はエンジンに異常は見られず添加剤でおろらく良くなるとの診断でした。
それが再発を繰り返し、原因はエンジンにカーボンスラッジが溜まって失火が起こっている、オーバーホールが必要だがオーバーホールをしても元に戻る保証はできないから添加剤で凌いでいく、プラグ類は交換する必要はない⇒その後車検時にやっぱりプラグは変えましょうと追加で10万近く支払って交換するも車検終わって受け取って5分もしないうちに警告灯が点灯、やっぱりオーバーホールが必要だがいつ・いくらでオーバーホールができるかどうかはわからない、車検終わって車検証が郵送されるも肝心のゴルフ7は車検終わって5日後に入院して3週間も放置プレイ。
それで、ゴルフ7を手放して、たまたま通勤経路にあるTアップで見かけたオーリスに乗り換えた次第。
なので、それを差し置いてもゴルフ7よりもオーリスと言い辛いところではあります。
ですが、そんなこともあったせいか、余計にゴルフ7よりもオーリスだった、オーリスだと今は思っています。
ゴルフ7よりもペラペラな分、軽快に走ってくれます。
前オーナーが付けてくれていたモデリスタのエアロには特に段差で気を使いますが、より軽快さを増すと同時に曲がる時のクイックさにその恩恵を感じますし、ゴルフ7よりも曲がりやすい。
アウトバーンなゴルフ7に比べると高速では劣りますが、それでも1.5リッターと軽さでオーリスは軽快に走ってくれます。
故障リスクがあり、かつ実際に保証期間内に壊れたので70万円コースにはならななかったゴルフ7のDSGに比べるとオーリスは安心のCVTですし、そのシフトノブはクラシカルで、ジェームズ・ボンドのアストンマーチンのDB5にも似た形だと勝手に思ています。
そして、お世辞もあるのでしょうが、オーリスに乗るようになって、周りにカッコイイ車に乗っていると声を掛けらることが増えました。
正直オーリスは後期型の方がカッコイイと思っているのですが、前期型も前期型で悪くないと思っています。
また、赤いオーリスは気持ちを若くしてくれますし、何より運転したい時に運転できることがオーリスの軽快さと相まって、運転するのが楽しくてしょうがないといった感じ。
逆にゴルフ7は運転して楽しい部分もありましたが、1人で運転するよりも家族で乗る方が、といった感じでした。
最後にジェレミーは " 私は別にオーリスを買うべきでないと言っている訳ではないが、車好きかつ情熱を持っているなら、トヨタの科学的アプローチに怒りを禁じえないはず。むしろ車好きであれば、素晴らしいものも、欠点さえも許容できるはず " と綴りましたが、私は正直フォルクスワーゲンは長く乗れるものではないし、手放すことを前提に買うべきだと思います。
少なくともジェレミーが指摘するトヨタの科学的アプローチも許容できますし、オーリスを運転してつまらないどころか、楽しいと思うばかりです。
それは3000kmの大半は通勤ですが、その中には寄り道も含まれています。
そして、それは素晴らしいものも、欠点さえも許容できるからです。