かつてミランやイタリア代表を率いたサッキ元監督がアルゼンチン史上最高の選手について、「アルゼンチン最高の選手は、(元アルゼンチン代表MF)マラドーナと(元アルゼンチン代表FW)ディ・ステファノだ。彼らはタイプこそ異なるが、優劣をつけることができない最も偉大な2人だよ。マラドーナはより才能があり、ディ・ステファノはピッチのどんな場所にも顔を出していた。」と、自身の見解を示しました。
一方、その2人に比べるとバルセロナの元アルゼンチン代表FWメッシは劣った存在であるようで、「メッシ? 今日の世界最高の選手だが、マラドーナのようなパーソナリティーは有していない。マラドーナはピッチのどんな所でもプレーできた。例えばイタリア・セリエAのサッカーは美しくなく、ボールを使ったプレーを見せることがとても難しい。しかしマラドーナはセリエA、またスペイン・リーガ・エスパニョーラでも違いを生み出す選手だった。誰もマラドーナを止められなかったんだ。」とコメントしました。
また、メッシがアルゼンチン代表で成功を手にできない理由を問われるとサッキ元監督は「メッシが一人いても、そのチーム自体のポテンシャルにはなりえない。メッシはアルゼンチン代表ではなく、バルサで簡単に勝利を手にしている。アルゼンチン代表に何が足りないか? それはプレーアイデアにほかならない。」と答え、「私は(ミランの)シルヴィオ・ベルルスコーニ会長に常々言って聞かせたのだが、素晴らしい、重要な脚本を持ち得ない映画は、たとえロバート・デ・ニーロ、ジャック・ニコルソン、ジョージ・クルーニーが出演しても絶対に名作とはならない。骨組みというものが欠けているのだからね。サッカーも映画と同じであり、11人の選手がチームとしてのスピリットを持ち、監督がコレクティブかつ決定的なプレーモデルを提供しなくてはならない。それらのことに加えて、チームに才能のある選手がいれば最高だが、たとえいなくてもドイツ代表のように成功を収めることは可能だよ。アルゼンチン代表はおそらく、一貫したプレーモデルとチームとしてのスピリットが欠けているんだ。」とコメントしました。
最後にサッキ元監督はメッシのアルゼンチン代表引退にも触れ、「今のメッシは希望を失っている状態だが、これから考えを改めるはずだよ。彼はサッカー、ファン、そしてアルゼンチンに借りがあり、それを返さなくてはならない。何より我々は、世界最高の選手の失うような事態を回避しなければならない。」とコメントしました。
たらればですが、2008年のオリンピック以降もメッシの後ろに元アルゼンチン代表MFリケルメがいたら、メッシがアルゼンチン代表で手にしたタイトルは、最低でも3度の決勝の内1つは手にしていたと思います。