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「早よ 更新せんかい!」と 誰かに叱られました。
p(*・ ・*)qワアアアア それで 手抜きです。
数年前、○○新聞で紹介されてから
いつか私も書きたいと思っていた
「きみまち恋文全国コンテスト」秋田県二ツ井町主催
結局、書けないまま このコンテストは 終わってしまいました。
でも、大賞に輝いた作品群は どれも素晴らしいものだと
思いますので ひとつ紹介させて頂きます。
「恍惚の日日」
2002年 きみまち恋文大賞受賞作品
記憶はおろか、身体の自由も、言葉の交流さえも失って、
かれこれ十年以上 ほとんど寝たきり状態のあなた。
過去と現在との境も、自分と他人との見分けもつかないまま
あなたは、音程のずれた小学唱歌をつぶやきながら
茫洋とした花野の中を 一人とぼとぼ さ迷い続けて
いるのだろうか。
「起き上がりたい」「寝返りしたい」「おむつを替えたい」
そんな時のあなたは、空ろな眼で「アーアー」とか
「ウーウー」とか言葉にならない声を出しながら
懸命に私に訴えかける。それがあなたに残された
たった一つの、かなしい意思表示に なってしまったね。
そんなあなたの 棒のように硬直した肢体に、日に何度となく
慣れた手つきでおむつを当ててやる私。
ときおりその手のひらに あなたは、ちょろちょろと 熱い尿を洩らす。
そのような姿を目の当たりにしながら
あなたを介護していると いたわりとか やさしさとかの
本当の意味が、あなたが病気になる前よりも、
返って深まったように思う。
今日もまた、あなたが呼びかける 声の抑揚や高低、
何気ないしぐさやそぶり・・・
そんなかすかなシグナルから、あなたの訴えを読み取る。
そして粉々に砕けてしまった あなたのかけらを、
一つ一つつなぎ合わせながら、たとえ一方通行の
コミュニケーションでもいい、私はあなたとの
心温まるふれあいを求めているのです。
今のあなたの、この安らかな恍惚の日日は、
過去の苦難に堪えたあなたの生涯に対して、
神様が授けて下さった 癒しの恩寵なのかも知れません。
にもかかわらず私は 敢えて、もとのあなたに
戻って欲しいと願うのです。
私の手を胸の高みに導きながら、「わたしの潮騒を聞いて」
とささやいた、遠い日のもとのあなたに。
月に何度となく 水茎の跡も美しい手紙をくれた、
遠い昔のもとのあなたに 早く戻ってほしいのです。
※長い年月にわたって介護して来た、痴呆症の妻への
思いを綴ったもの。
p(*・ ・*)qワアアアア それで 手抜きです。
数年前、○○新聞で紹介されてから
いつか私も書きたいと思っていた
「きみまち恋文全国コンテスト」秋田県二ツ井町主催
結局、書けないまま このコンテストは 終わってしまいました。
でも、大賞に輝いた作品群は どれも素晴らしいものだと
思いますので ひとつ紹介させて頂きます。
「恍惚の日日」
2002年 きみまち恋文大賞受賞作品
記憶はおろか、身体の自由も、言葉の交流さえも失って、
かれこれ十年以上 ほとんど寝たきり状態のあなた。
過去と現在との境も、自分と他人との見分けもつかないまま
あなたは、音程のずれた小学唱歌をつぶやきながら
茫洋とした花野の中を 一人とぼとぼ さ迷い続けて
いるのだろうか。
「起き上がりたい」「寝返りしたい」「おむつを替えたい」
そんな時のあなたは、空ろな眼で「アーアー」とか
「ウーウー」とか言葉にならない声を出しながら
懸命に私に訴えかける。それがあなたに残された
たった一つの、かなしい意思表示に なってしまったね。
そんなあなたの 棒のように硬直した肢体に、日に何度となく
慣れた手つきでおむつを当ててやる私。
ときおりその手のひらに あなたは、ちょろちょろと 熱い尿を洩らす。
そのような姿を目の当たりにしながら
あなたを介護していると いたわりとか やさしさとかの
本当の意味が、あなたが病気になる前よりも、
返って深まったように思う。
今日もまた、あなたが呼びかける 声の抑揚や高低、
何気ないしぐさやそぶり・・・
そんなかすかなシグナルから、あなたの訴えを読み取る。
そして粉々に砕けてしまった あなたのかけらを、
一つ一つつなぎ合わせながら、たとえ一方通行の
コミュニケーションでもいい、私はあなたとの
心温まるふれあいを求めているのです。
今のあなたの、この安らかな恍惚の日日は、
過去の苦難に堪えたあなたの生涯に対して、
神様が授けて下さった 癒しの恩寵なのかも知れません。
にもかかわらず私は 敢えて、もとのあなたに
戻って欲しいと願うのです。
私の手を胸の高みに導きながら、「わたしの潮騒を聞いて」
とささやいた、遠い日のもとのあなたに。
月に何度となく 水茎の跡も美しい手紙をくれた、
遠い昔のもとのあなたに 早く戻ってほしいのです。
※長い年月にわたって介護して来た、痴呆症の妻への
思いを綴ったもの。