エリア55レポート 

趣味を追求するオタクな日々

『イミテーションゲーム エニグマと天才数学者の秘密』内容ガンガン語る感想書きます!

2015年03月29日 | ベネディクト・カンバーバッチ




『イミテーションゲーム エニグマと天才数学者の秘密』の内容にズバズバ触れて感想書きます!ネタバレ嫌な方は読まないでください!!




まずは2回目の報告から
公開から2度目のレディースデイの14:30からの回で見たのですが
客席はほぼ満席埋まってました@@
これって結構すごいことなんじゃないかと思うのですがどうなのでしょう?
客層は女性がほとんどで、連れとみられる男性が若干いました
年齢層は高く60前後の感じがしたのは昼の時間にゆっくり映画が見られる環境の方ということでしょう
カップル数組、男子だけのグループは確認できなかったかな?
(3人組がいた気がする)
エンドロールで席を立つお客さんが少なかったのは1回目と同じで
最近見た他の映画とはちょっと違う感じですね
ついでにいっとくとお隣のカップルの女性が「よかったー」と言ってましたw
私は泣いて鼻すすってました(笑)

1回目に見たときは”史実とのすり合わせ”をしてしまったために映画鑑賞ができなかったという
まことに不甲斐ない残念な事態でした><
今回はちゃんと鑑賞してきましたよ~

1回目でも思いましたが今回も音楽が非常によかった!
戦争中のできごとなどのシーンでセリフや語りがなく、映像と音楽だけの長めのシーンがとても心に響くものがありました
ああいった音楽の使い方がとても私的にはよかったです

1回目も2回目のミンギスさんがかっこよかったですが
1回目の時はチューリング宅に泥棒が入った通報の盗聴報告を受けてるシーンには気づいていなかったな
ああ、そうかミンギスさんが軍の資料とか破棄したんだな、と納得

ローリー・キニアはちょっと?かなり?前にツイッターの私のTLで散々目にした俳優の名前だったので
とっても気になってしまいました
結論から言うと、彼が演じる刑事はチューリングがソビエトのスパイであってほしかったのでしょうか?
チューリングが全てを話しても結局信じませんが
それは彼のような同性愛者が国家を戦争の勝利に導いた英雄であってはいけなかったということなのでしょうかね
それとも彼の話が荒唐無稽に感じてしまったのでしょうか?
あの刑事さんは当時の(そして結構今でも)ちょっと頭のいい一般大衆を代表しているような気がします
チューリングを罪人とする違和感には気づいていても、面と向かって彼の業績をそのまま信じることはできない
良心は持っていても、偏見全てを取り払うことはできない普通の市民という感じがしました
世間一般の常識を打ち破るほどの強さや賢さは彼にはないという感じかな
でも正直なことを言うと後半の展開で結構あの刑事さんのことは忘れてしまっていましたが^^;

私が1回目で一番気になってしまったのは
暗号を解きドイツの攻撃がわかり、それを軍に知らせようとなったときに
チューリングが止めさせた一件です
あれがどこまで史実なのかわかりませんが
どうして映画としてあのシーンを盛り込んだのだろうかとずっと気になってしまい
最後まで考え込んでしまい以後のストーリーに入り込めなかったのです
2回目はかなりその辺りのシーンでのセリフに気を付けて観ましたが
やはりなんというか、納得できないというか別のメッセージを感じてしまうというか…

チューリングが軍にドイツ軍の攻撃を知らせないように提案して、納得させるというのはわかるんです
彼が誰よりも冷静に判断できる頭脳を持っていたと表現しているんですよね
でもピーターに兄を見殺しにさせる必要はなかったんじゃないか、ピーターの兄の件はシーンとして盛り込まなくてもよかったんじゃないか
と思ってしまったというか、そこに別のメッセージを読んでしまうというか

暗号を解読したことをドイツに知られないようにするためには、状況分析を綿密にしてからでないと対処できない
今いたずらに解読成功をドイツ悟られてはいけないから、しばらくは状況分析にあてる
即時の対応は大局的に見て悪い状況しか生まない
というチューリングの発想は支持できるし彼一人が気づいた、という設定も映画の中での彼の頭脳明晰度を表現するのによかったのだと思うし
彼の人間味の欠けたところや冷徹な部分もヒューが殴ったことで他のメンバーの気持ちが表現されますよね

でもね、ピーターの兄の件は…
あれはピーターがかわいそうすぎて、そこに私はなんか全て持って行かれてしまったの

チューリング自身もつらいと感じているのがわかるようにピーターに接するけど、それでもチューリングが化け物に見えてしまった
そして、それが彼自身にお返しとして降りかかってきたのが
戦後の泥棒の一件のように思えてしまうというか、そういうことが映画として言いたかったのかと思ってしまって

なぜかというと
ピーター以外の暗号解読チームは全てチューリングを支持しますね
これは多数です
一方ピーターは一人で兄の命を救いたいと懇願します
少数意見です
多数対少数の構図です
そして少数意見は抹殺されてしまいます(大局的に見て正解なわけですが)

一方映画で最初から最後までテーマとして語られているのは
チューリングに代表される少数をないがしろにする大多数(世間一般)の人間の横暴さです
どれだけひどい暴挙か、横暴か、非人道的かが語られます

しかし、ピーターという少数に対して多数の代表のチューリングはその意見を退けてしまい
まさに傲慢な神を演じた、というふうに私には見えてしまいました
そしてその傲慢さのツケを最後に自分の命で贖うことになってしまった
そんなメッセージがあるように感じてしまうのです

映画全体はそんなことはメッセージとして表現していないと思うので
このシーンはどこか別の段階で語られてもよかったし
入れなくてもよかったんじゃないか
このシーンにはそんな感じがしてしまい、どうしてもそれが頭から離れて行かないのです

全体的に見てとてもすばらしい出来の映画だし
映像も素晴らしいし、演技もそれぞれの役者さんが素晴らしかったので
このシーンにこだわる自分がナンダカナなんですが
攻撃を知っていても何もできず、兄を見殺しにしてしまった
というのはピーターにとっては一生持ち続ける負い目なんじゃないかな、なんて気持ちを馳せてしまったために
そんな感想になってしまったのでした



もう一つ、この映画の中で繰り返し語られるのは暴力です
チューリングはいつも暴力を振るわれる側にいて
「暴力は人を満足させる」という意味合いのセリフを言いますね(正確なセリフは失念^^;)
結局チューリングは戦争という巨大な暴力を終わらせるために暗号を解読し
そのために全てを犠牲にし
ピーターの兄の死も戦争という巨大な暴力の前には小さな暴力でしかない
そういう判断なのでしょうね

暴力が人を満足させるというのは今現実におきているテロ、暴力組織の行動なんかを考えるとぞっとします
ISは政治理念や宗教理念で行動しているというよりは
暴力に満足感を見出す人々を巧みに操って、世界を支配しようと試みている感じがします





1回目も2回目も見終わった直後の感想は
チューリングがかわいそう、というよりは
エリザベス2世の死後恩赦のテロップの辺りでものすごく憤りを感じていました
すでに死んでしまった人本人には恩赦の事実は届かない
死後50年以上も罪人扱いしておいて何様のつもりだ、という怒りがこみ上げてきます
ベネディクトが言っていた「許せるのはチューリングだけだ」
という言葉を思い出します
政府や権力者の思い上がり、一般大衆の流されやすさ、常識や良識の危うさ
多数の暴力、そういったものすべてに憤りを感じてしまいます

私たち全てが持っている危うさだと謙虚に感じなければいけないと思います





同性愛についてですが
ホモシェクシュアルという直接的な言葉が3回くらい繰り返されたのは
実は驚きでした
同じセリフが繰り返されて単調な感じさえしました
セックスシーンについては制作側が「数学者の映画でセックスシーンを描く必要はない」みたいなことを言ったのに納得するんですが
リーマン予想のナッシュの映画「ビューティフル・マインド」はどうだったんですか?(見てないので知らない^^;)
あれも数学者が主人公ですが、キスシーンも出てこない映画だったの?
キスシーンはもはや何も感じないくらい普通に登場するのが欧米の映画ですから
それすら出てこなかったのはむしろ『イミテーションゲーム エニグマと天才数学者の秘密』は異常と言えるかもしれません
しかし、それを描かないことが制作側のセクシュアル・マイノリティーを題材にした映画に対する姿勢と受け取れます
映画からはチューリングが愛情表現どころか人間関係も上手く築けないのはヒシヒシと伝わってきますから
これでもし濃密なセックスシーンでも描かれていたら、見ていてすごい不自然さを感じたんじゃないでしょうか
刑事とのやり取りで男娼との関係を「性器を触らせる」と表現するチューリングですが
それが彼のセックス感を物語っていると思います
彼が愛を感じたのはクリストファーだけだったのでしょう

本当は何も感じないくらい自然に描かれ、自然に誰もが受け取れる
記者会見で話題にすらならないというのが理想なのでしょうね…



思いつくままな感じの散漫な感想になってしまいました
演技等にほとんど触れず申し訳ない^^;

こんな感じで感想書いてきてなんですが、やっぱりもう1回見たい
もっと観たいと今も思ってる映画です
何度でも観たいんじゃ!いろんな意味で







**コメントありがとうございます
ハミ~さん
ルイスに早速反応がwww
まだ2話しか見てないんですが、ちゃんと録画予約もセットしてますので
これからじっくりハサウェイ君見ますね~^^

ハナさん
TIGホントにすごくお客さん多いですよね!!!ウレシイ
「相棒」は私も見たことないです
ハサウェイ君の最初の印象はベネさん系だわwwwでした(笑)
フォイルはまだ当分手が出ない気がしますが(戦争物が苦手で)見たら報告しますね^^







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5 コメント

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Unknown (mimi)
2015-03-30 10:02:13
あらすじ&感想
ありがとうございます。
これで(見る機会に恵まれたとき)
名前で混乱、顔で混乱せずにすみます。
実は戦争や悲しい内容の映画は
あまり見たくない派なんですが
べねちーが主演と言うことで
ぜひ見たいと思っています。
返信する
リクエストに答えていただいて光栄です (タイコ)
2015-03-30 12:49:46
でも、まだ観れて無いんですよ(泣)

入りは良いようなので、ホッとしております。

ハナさんがコメされてましたが、『フォイル』好きは『ルイス』も楽しめるのですね!?
スルーしてて失敗した(>人<;)
これから追っかけます!!
ジャガーに乗ってるのは、モースですっけ?
ヤングモースの方はミスティック~の弟の役者なので一度見た気がする...
この辺混ざって見分けがつきません orz
返信する
涙(T_T) (ブレット)
2015-03-30 18:10:15
こんばんは~今回は嬉し涙であります。カンバーコレクティヴの愛と努力のおかげでブレット県でも5月の連休明けに上映されます~♪新幹線で隣県まで遠出しなくて済むので最低2回は観れます^^

大義あるご感想ありがとうございます。深いですね~~ますます観るのが楽しみです。

ローリーさんは「007・SkyFall」にM16の幹部役で出演してます。ウィショー君共々いい演技してますよ~♪

「ハンニバル」観ました。真面目なウィル君が痛々しいです。マッツさんは実際にお料理が上手そう~^^
ジョディ・フォスターとジュリアン・ムーアー主演の映画を観てたので映画の方が怖かったです。ドラマの方は場面によっては静物画を観ているような感じがしました。
返信する
観ました! (kyoko)
2015-03-30 23:04:02
初めてコメントします。
昨年からシャーロックを見始め、このブログをず~っと
拝見させていただいていました~

エリア55さんはピーターのエピソードがあまりにかわいそうで
そこだけ酷く突出していて
全体に比べて浮いて居るようで違和感があるんですね。

私は「これが戦争ってことだよな」と強く感じる場面でもありました。作戦を完遂させるために敵にも味方にも嘘をつき、家族であろうがなかろうが国家の力の前には何もない。

人は愛する本能があり、また同時に闘う本能もあって
それが国家の戦争となるとグロテスクなまでにすべてを巻き込み圧し潰していく。チューリング自身は国家へのプロジェクトを忠実に果たすが都合のいいときだけ使われて捨てられる。しかし、国家に奉職することを選んだのはチューリング自身なんですよね。天才であるための狂気があり、しかしそれが自分を追い込んで行った。ものすごく残酷な話だと思います。
チューリングを見直す動きがこの映画のモチベーションになっているけれど、やはりチューリングは天才であると同時に残酷な人であり、その光と影が嫌悪感を催させないぎりぎりのところでよく出ているのではないでしょうか。

ベネディクトさんは、「あ、チューリングってこんな人だったのね」と納得させる演技力で、職人だなあって感じさせてくれました。魂が入っていた。
映画自体はちょっと短くて、あと15分くらいあったら、もっと人の内面を掘り下げられたのでは?と思うできばえで
予算と時間が少ない中で頑張ったなあ、という感じでしたが
にも関わらず、心にずしっと入ってきて画面が折々に目に浮かぶのです。
イギリスの古い建物や濃い緑の背景、そしてクリストファーという機械が、映画の存在感を強く示してくれているようでした。

もう1回行きたい映画です。

返信する
Unknown (ハナ)
2015-03-30 23:22:47
タイコさんも、ブレットさんも、お楽しみはこれからですから、
かえってうらやましい気もします。
まだまだ上映館も増えると思います。

ヘタレな私は、「フォイル」も「ルイス」も、
あまり怖い場面のない、ほのぼの系ミステリーとして楽しんでいます。
フォイルは、とにかくサムがかわいいし、
ルイスのほうは、いつもバラが咲き乱れているので、
イングリッシュガーデンを楽しむ番組になっています。

ローリー・キニアは、昨年のNTLのハムレットとイアーゴがすばらしかったです。
ノック刑事もよかった。自分が暴き出したことに戸惑っているような、
きっと後悔もあったのではないかなと(これは希望的な感想ですが)。
返信する

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