インドのカタック舞踊☆東京ガラナ

インド古典舞踊「カタックダンス」舞踊家、振付家の前田あつこのブログです。カダムジャパン主宰。atsukathak.com

Padma Bushan Kumudini Lakhia ji

2017-07-31 | 一言coment
Kumudini Lakhia
クムディニ・ラキアについて

60年以上に渡る年月をカタックに注いできたクムディニ・ラキア女史は、誰もが認める
カタック舞踊の第一人者です。76歳の現在もカダムにおいて日々新たな振付を模索、創作し、舞踊家の育成に取り組み、その舞踊団は世界中の様々な舞台で公演活動をしています。

【舞踊家として】
1930年5月にムンバイに生まれ、音楽や舞踊に対し学問と同じように価値を置く家庭にあって9歳でカタックを学び始めます。
舞踊家としてのキャリアは1974年、当時ヨーロッパで活躍し名声を得ていた舞踊家ラム・ゴパールが彼女に新しいダンスパートナーになるよう申し出た事にはじまります。彼の舞踊団の最年少ダンサーとして世界中で公演し、この経験が彼女の美的感覚を育て、後の彼女の世界観のベースとなりました。
その後、インド政府の奨学生としてニューデリーのバラティヤ・カラ・ケンドラで舞踊の研鑽を積みます。この頃よりソリストとして広く認められ、トップダンサーでラクノウ派家元Pt.ビルジュ・マハラジュ氏のパートナーとしていくつもの作品に主演します。また40ヶ国を超える国々で公演を行い、この世代で最も著名な舞踊家のひとりとなります。

【演出家として】
‘60年代後半、舞踊家として第一線を退いた後、彼女は若手ダンサーの育成に焦点をあてます。1967年にはカダム(舞踊と音楽のセンター)を設立、ここで古典舞踊における自己表現の新たな世界観を創りだします。自由で適応性のある舞踊としてのカタックという舞踊の可能性を探り、作品における時間と空間の要素を追求する事に従事し始めます。
彼女のこうしたカタックにおける研究は、数々の作品を生み出し、独自の視野はカタックの新しい時代を創り、彼女はその先駆者的役割を果たすことになります。

【作品について】
彼女の作品は常に芸術としてのカタックであり、細部にこだわり、特に音楽については伴奏の域を超えて、美しく、舞踊と密接な関係を持ち品格を湛える作品として仕上げられています。更に彼女の持って生まれた色彩感覚、空間演出の感覚は古典舞踊として様式化されてきた衣装や照明、舞台装置等の常識、概念を覆し、新たなスタイルを提示する事となります。

カダムの設立から30余年経った現在、彼女のスタイルによって生まれた数々の舞踊テクニックと振付は、多くの弟子を通して広く知られ、現代カタックに重要な功績を残してきました。今では彼女の作品と振付の多くはカタックの模範となっています。

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