インドのカタック舞踊☆東京ガラナ

インド古典舞踊「カタックダンス」舞踊家、振付家の前田あつこのブログです。カダムジャパン主宰。atsukathak.com

Kathak Dance

2017-07-31 | 一言coment
KATHAK
カ タ ッ ク

カタックは数千年の歴史を持つ、北インド亜大陸で踊り継がれる古典舞踊です。
複雑なリズムを刻むステップや早い回転などの美しいムーブメントからなる純粋舞踊と、アビナヤといわれるマイム表現で神様物語などを踊りで表現することもある奥の深い魅力的な舞踊です。


【起源から現代のスタイルが確立されるまで】
「カタック」は北インド亜大陸で踊り継がれるインド古典舞踊のひとつです。
カタカと呼ばれる語り部のカーストの人々が寺院の境内や宮廷の中庭、村の広場において物語をジェスチャーで表現し、踊り歌った事に起源します。
ヴィシュナヴァ(ヒンディ教クリシュナ神)信仰と哲学が「ラダとクリシュナ」の神話をもたらし、カタックは語りと舞踊の要素を強めます。
北インドの歴史を紐解くと、タージマハルの建設などで知られるムガール帝国の時代にはカタックは宮廷で踊られるようになり、ヒンディ寺院での儀式的な舞から、皇族を楽しませるエンターテイメント性の高い舞踊へと変化を遂げます。
カタックはその後もインドの王族に愛され、擁護され続けます。例えばカタックのラクノウ派家元であり偉大なグル(師)ビンダディン・マハラジは、オウドゥの王様ワジット・アリ・シャーに擁護され数々の愛と信心の詩をつくり、現代に踊り継がれるカタックの代表的作品を数多く残しています。美しいシルクサリーの舞台衣装や華やかな金銀・宝石のジュエリーなどから当時を伺い知る事ができるでしょう。
初期のカタックは男性舞踊家のソロによって踊られましたが、1930年代には女性も人々の前で踊るようになり、華やかさを増したカタックは広く親しまれるようになりました。
英国統治時代を経て舞台芸術として発展し、現在では世界中の人々に愛されています。

【カタック舞踊のスタイル】
カタック公演の魅力は、舞踊家が一方的に舞を見せるだけでなく、観客とのコミュニケーションを取りながら即興で舞台を作り上げていくところにあります。ゆっくりとした静かな美しいポーズの舞にはじまり、次第にテンポアップして盛り上ってゆきます。古典的な「純粋舞踊」のパートは、舞踊家が様々な拍子にのせてリズムを朗唱した後、それを舞で表現してゆきます。もうひとつの重要な側面は「アビナヤ」で、これは顔の表情、目の動き、指先の動きなどジェスチャーで詩(うた)の意味を演じるカタック特有のムーブメントです。
カタックの基本的スタイルは、きちんと定められ、安定しています。基本的姿勢は直立で、視覚的に非常に興奮させる速い身動きや旋回、複雑な足のステップを可能にしています。
腕の動きは時に直線的、時に丸みを帯びてしなり、この舞踊に明快かつ叙情的表情を創り出します。
現代、カタックの古典的技法を用いたグループ作品やモダンな振付を施した作品が試みられています。次世代のカタック舞踊家達は互いに影響しあい、意見を交換し、研究会や創作活動を通してカタックの新しい芸術表現を開拓し続けています。
カタックはその時代と観客の要望に応える様に、変化し発展し続けています。

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