ぼくが生まれた日は、中秋の名月で満月の日だった。
なのでこの時期になると思い出すことがある。
ぼくの母親が誕生日が来るたびに
「あなたは中秋の名月の満月の日に生まれたの。
だからお月様がいつもあなたのこと見守ってくれてるんだよ。」と言っていた。
子どもながらにぼくはすごく嬉しい気持ちになったことを覚えているし、
今でもこの時期になると、
ぼーっと月を見てその時感じていたことを思い出す。
そして昨日、中秋の名月で満月であった。
30歳を過ぎ、結婚もして奥さんにこの話をしたところ、こんな言葉をもらった。
奥さん「マジで?」
奥さん「すごいじゃん」
「満月男じゃん!!!!」
「…」
満月男ってなんだ
ぼくのお月様が見守ってくれているというある種のノスタルジーはその一言で見事に消え去り、
満月男となって見守る側へとなぜか変貌してしまった。
ぼく「いや、満月男やったら見守る側になってしまうやん」
奥さん「はい〜?なんですか!?」
斜め上過ぎる発言でなかなかびっくりさせられることが多いが、
そこが面白いと感じるポイントでもある。
そんなかんじで談笑しながら、昨日という日を終えました。
こんなあほみたいな会話をしても月はいつも通りキレイでした。

おしまい