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教養としての建築入門の本を読んで


建築の設計は、設計図を描いて表現する。設計図は1990年代前半までは紙に鉛筆で描かれていた。1995年頃からWindows95が世に登場し、急激にコンピュータ化された。


しかし紙であろうと、コンピューターであろうと、じつは設計はいきなり図面を描くことから始まらない。


そもそも建築家の仕事は、建築を建てたい人=クライアントが建築家に依頼するところから始まる。建築家が自分の自由意志で建築を設計するということはまずない。


依頼を受けた建築家はクライアントに会い、建築を立てる敷地を訪れ、その場所の法律、気候、文化(異国の場合もある)、近隣の様子などを調べ、依頼者の要望を反○する。しかしそこでも、スケッチブックに建物の外観のイメージなどを描くことはない。その前にもう少し下準備がいる。



経済停滞期に生まれたのが、リノベーションである。現存する建物を壊さず、うまく使う。リノベーションは建築に限らない。ファッションでもインダストリアルデザインでも同じだ。既存のものを改造することが、新しい価値を生み出すことになるのだ。


建築家は、真に新しいピカピカのものばかりを作る時代ではなくなってきた。建築の幅が広がるにつれ、建築家のタイプもおのずと増える。病院には多くの科があるように、建築も専門文化が起こりうそうであおる。




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