ボーダーコリーは、その俊敏性と優れた作業能力により、多くの人々から愛される牧羊犬の代表格です。一日中走り続けるスタミナと聡明さに加え、アジリティ競技でも活躍する姿を見ることができます。しかし、この犬種の歴史は意外と知られていないかもしれません。8世紀から11世紀にスコットランドに持ち込まれた牧羊犬が、ボーダーコリーの先祖とされ、19世紀末に現在の姿になりました。牧羊犬として長い間活躍していたため、ドッグショーでの競技が導入されるまではあまり国外に知られることはありませんでした。
1. 特性:優れた牧羊犬としての能力とスタミナ
ボーダーコリーは、その優れた作業能力と持久力で知られています。牧羊犬としての役割を果たすために生まれついたこの犬種は、俊敏な動きと共に一日中走り続けることができる驚異的なスタミナを持っています。また、アジリティ競技にも適性を発揮し、その聡明さと素早さが光ります。ただし、適度な運動が必要な一方で、足や関節の負担に注意しなければなりません。
2. 歴史:スコットランドから世界へ
ボーダーコリーの歴史は古く、8世紀から11世紀にバイキングによってスコットランドに持ち込まれたトナカイ用の牧羊犬がその先祖とされています。その後、スコットランドに元々いた牧羊犬やラフ・コリーとの交配を経て、19世紀末に現在の姿に近づきました。ラフ・コリーがショードッグとして世界的に知名度を持つ一方で、ボーダーコリーは牧羊犬としての才能が重視され、イギリス国内の牧場で活躍していました。しかし、ドッグショーでの競技が始まると、その賢さと俊敏性が認められ、公認犬種となりました。なお、名前の由来はイングランドから見たスコットランドの国境地帯であることに由来しています。
3. 容姿:均整が取れた美しい姿
ボーダーコリーの容姿は、体高よりも体長がやや長めで、骨格がしっかりしています。特徴的な立ち耳または半立ち耳と広めの頭部、聡明な目が愛らしい表情を演出します。毛質は直毛で硬く長いものと、滑らかで短いものの2種類があります。さまざまな毛色があり、ブラック&ホワイト、ホワイト&タン、グレー&ブラック、セーブル、ブルーマールなどが見られます。
4. 飼育のポイント:知的で従順な家庭犬
ボーダーコリーは非常に頭の良い犬種で、与えられた作業を熱心にこなします。その俊敏な動作と注意深さ、粘り強さに加えて、責任感が強いため、家庭犬や番犬としても適しています。神経質な一面もありますが、攻撃性はなく、しつけも比較的容易です。ただし、豊かな被毛は毎日のブラッシングが必要で、特に脱毛の多い季節には注意が必要です。さらに、持久力に優れているため、十分な運動が欠かせません。他の犬を追いかける癖があるため、しっかりとトレーニングし、コントロールできるように心掛けることが大切です。