◆深川
江戸の初めの頃、摂津の国の深川八郎衛門が一族を率いて移り住み開拓を行った。当時は葦の生い茂る湿地で住む人もあまりなく、地名もなかった。家康巡視の折出迎えた八郎衛門の名を取って深川と名付けられた。
◆富岡八幡宮
寛永4年(1627)永代島と呼ばれていた小島に菅原道真の子孫といわれる長盛上人が創建した。周辺の砂州一帯を埋め立てて境内と氏子の居住地を開いたのが富岡町、門前仲町。
◆伊能忠敬像
寛政12年(1800)55歳で最初の測量の旅に出てから、文化13年(1816)71歳まで10回にわたり、私財を投じて測量を行った。測量の旅に出る際は必ず富岡八幡宮に参拝をしてから出立していたことにちなみ、伊能測量200年記念として平成13年(2001)建てられた
◆神輿倉
ダイヤをちりばめた黄金の一の宮神輿と二ノ宮神輿が納められている。一の宮神輿は4.5tであまりにも重く実際に担がれるのは2tの二ノ宮神輿。
◆横綱碑と大関碑
富岡八幡宮は江戸勧進相撲発祥の地で、貞享元年(1684)春と秋の二場所が許され、以後100年にわたって境内で本場所が行われ、その間に定期興行制や番付制が確立された。
昭和59年(1984)に建てられた大関碑
明治33年(1900)江戸時代最後の横綱12代陣幕久五郎が発起人となって歴代横綱を顕彰する碑が建てられた。新横綱誕生の時には相撲協会立会いの下、刻名式が行われ、新横綱の土俵入りが奉納される。
◆八幡橋
東京に初めてかけられた鉄橋で、中央区の楓川に架けられた弾正橋が、関東大震災後この地に移されて、下を流れる堀の名から八幡橋と改名された。
地主神の七渡弁天社
◆深川不動堂
元禄16年(1703)、江戸の町民の要望や徳川綱吉の母桂昌院の希望によって、ご本尊の江戸出開帳が永代寺境内で行われた。明治14年(1881)神仏分離令により廃寺になった永代寺跡地に建立された。
真言梵字の壁面の本堂
◆深川東京モダン館
関東大震災の復興事業として昭和7年(1932)に建てられた「東京市営食堂」を改装した建物で、現在観光と文化を発信する施設として、イベントや展示、講座の開催、多目的スペースの貸し出しなど事業のほか、門前仲町周辺の街歩きの拠点として観光案内の地図やパンフレットが入手できる。ボランティアガイドが常駐し観光案内や街歩きツアーガイドも受けられる
昭和初期のモダン建築をしのばせる特徴的な丸窓
竣工時の面影を伝えるタイル
黒江町に住んだ伊能忠敬
渋沢栄一住居跡に建つ福住稲荷神社
◆村林ビル
関東大震災後の復興建物
◆深川正米市場跡
明治19年(1886)現物の米を取引する公開の正米市場が開設された。建物は昭和2年(1927)に3階建てのレンガ造りに建てかえられ、食糧ビルディングの名で親しまれていたが、平成14年(2002)に閉鎖され、跡地にはマンションが建てられ、アーチ型のモニュメントのみがが当時をしのばせる。
◆赤穂浪士休息の地
永代橋たもとにあった味噌屋乳熊屋の主人竹口作兵衛は、元禄15年(1702)吉良邸に討ち入り、仇討ちを果たし高輪泉岳寺に向かう赤穂浪士一行に甘酒を振舞ったという。赤穂浪士大高源吾と作兵衛は俳諧の友であった。
日本橋川最下流に架かる豊海橋
◆永代橋
平成19年(2007)に重要文化財に指定された現在の橋は大正15年(1926)震災復興事業の第1号として架けられた鋼鉄橋。初めて架橋されたのは、元禄11年(1698)。隅田川に架かる4番目の橋として、上野寛永寺の根本中堂の余材を使い、現在地より100m上流の深川佐賀町から日本橋箱崎に架けられた。橋名の由来は、地名からか、あるいは徳川綱吉の長久と幕府の「永代」の存続を願ってのことから。
上手に撮られた写真は おさらいを助けてくれます。
しかも 黒御影石?に映り込んだ伊能忠敬の後姿を 「見ちゃった!」
ふだんは苦手なお相撲ですが、三遊亭圓生の落語に出てくる「小野川」「太刀山」などが横綱碑に刻まれており、急に石碑に血が通ったような気がしました。
深川東京モダン館は 復興建築として貴重な遺産ですが、市営食堂が必要だった時代背景も忘れてはなりませんね。
コメントは尽きませんが あまり長くなるのでおあとがよろしいようで…
深川生まれ深川育ちの友人に深川を案内されてからすでに、28年あまりたっての散策でした。
たまたま彼女と会う機会があり、深川の小冊子を見せました。 あまりにも充実した内容に関心されたり驚かれたり。 こんなにも詳細に調べるのかと関心しきりでした。 友人は最初のページにある散策の行程をコピーしていました。
この団体に入って東京中をいろいろ散策すると、東京生まれの彼女より東京通になるとも言っていました。
いつもボランティアの皆様、内容の濃い散策を提供していただいてありがとうございます。
いつも思うのですが、この小冊子まとめて本にしたらかなり買う人もいるかと思います。
時々気になる場所があると何度も読み返しています。 散策した場所を、個人でもう一度散歩するのも楽しみの一つとなりました。