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一年前の今頃のことでしした。前年の7月に膀胱癌で余命宣告されたにもかかわらず、ずっと元気だったローズに、最初の異変が現れたのでした。
9歳過ぎたころから、時々膀胱炎を繰り返していたローズ。その度に抗生剤で治療してきたのですが、2010年の4月ごろから始まった頻尿とわずかな血尿がなかなか治らず、薬を変えてみてもだめだったので、もしかしたらとエコー検査をした結果、膀胱癌が発見されました。
膀胱癌は犬の癌としては多くはないのですが、発症犬種は圧倒的にシェルティーとコリーに多いのだそうです。初期は膀胱炎と症状がほぼ同じで、膀胱炎の治療(抗生剤と消炎剤)で改善されるため、膀胱炎と思い、手遅れになるのだそうです。ローズも全くそのとおりでした。
膀胱癌は手術が困難なうえ、手術をしたとしても、その後の管理が難しく、手術をした場合と、そうでない場合では、余命がそれほど変わらないということだったので、最初から手術は選択肢にありませんでした。11歳を過ぎていたこともあり、最低限の消炎剤と、サプリメントだけの治療を続けながら、定期的に検査をするという選択肢を選びました。
膀胱癌は発見されてからの平均寿命が3か月と言われていますが、ローズはその後も極度の頻尿(数分~30分)以外は元気そのもので、体重もずっと29キロをキープしたまま、食欲も旺盛でした。長くて半年と言われた余命を過ぎても元気だったので、もしかしたらこのまま寿命まで生きてくれるかもしれないと、希望をもったくらいでした。
それが1年前のちょうどこの頃、突然床で滑って転ぶようになり、足を引きずりだしたのです。最初は一時的に関節を痛めたからだと思って様子を見ていたのですが、なかなか改善されないので心配になり、病院に連れて行ったのが昨年の1月18日の事でした。
診断の結果、変形脊椎症による片足麻痺ということでした。右後ろ足が麻痺しているために、踏ん張れないということだったのです。膀胱癌については、この時は特に調べませんでした。
変形脊椎症は老齢の大型犬には珍しくないので、少しほっとしたものの、不安は残りました。その後、1週間かけて、1階の床全体にクッションフロアを敷き詰め、ローズが滑らないようにしました。苦労した甲斐あって、その後は床で滑ることはなくなり、麻痺と言っても完全麻痺ではなく、半麻痺くらいだったこともあり、そのうち上手に歩くようになったのです。
少しビッコになったものの、元気はあり、食欲も旺盛だったローズ。ただ、尿検査の結果、腎臓の数値が少し悪かったので、療法食に変えるように指示されました。それが、今マーキュンが食べているフードです。
そんなローズに、第二の異変が現れたのが2月の上旬でした。突然の食欲不振、CRP(炎症を示す値)が17に・・・(正常値は1.0以下)。
エコー検査の結果、それまでずっと変化がなかった膀胱癌が増殖していることが判明しました。CRPはその後の抗生剤が功を奏し、正常値までは程遠いものの、4.0まで下がり、危機は脱しました。でも、あれほど旺盛だった食欲は戻りませんでした。
2月10日過ぎ・・・・ついに、半麻痺していた足が悪化し、完全麻痺となり、歩行が困難になりました。同時に頻尿も悪化、ローズは不自由な体を一生懸命引きずって、何度もトイレに行っていました。もし、足の麻痺がなかったら・・・または頻尿でなかったら・・・どちらか一方だったら、どんなに楽だったことでしょう。
その頃には私も覚悟を決めていましたので、食欲が落ちたローズに、なんでも美味しいものを食べされてあげました。腎臓に悪いとわかっていても。
結論からいえば、ローズの足の麻痺は変形脊椎症や馬尾症候群ではなく、骨盤内にできた腫瘍が、神経を侵していたためだったようです。膀胱癌からの転移なのか、それとも、そちらが原発癌だったのかはわかりませんでしたが。
「安楽死を考えておいてください」
それぞれ、別の病院で同じことを言われました。膀胱がんの最期は、それだけ壮絶なのだそうです。私にはどうすべきか、結論を出すことができませんでした。その時、その場に立ってみなくてはわからない・・・その時が来たら、考えようって決めました。
結果的に・・・・
ローズは3月2日の朝、いつものように朝ごはんを食べ、大好きな芋けんぴを食べて、いつものように庭に出て、綺麗な姿のまま、眠るように息を引き取っていました。
その数日前から、少し動くとチアノーゼを起こしていたので、かなり心臓が弱っていたようでしたので、最後は心不全だったのだと思います。腎臓がかなり悪化していたためでしょう。膀胱癌で尿が腎臓に逆流してしまった結果、水腎症が進み、心臓に負担がかかっていたのです。
弱っていたとはいえ、まだ痩せていなくて、顔つきもしっかりしていて、見た目は末期癌の犬には見えなかったので、あまりに突然の別れに、ただただ、呆然とするばかりでした。ただただ、「これでよかったんだ。よかったんだ」ってって、自分に言い聞かせていました。
安楽死と言われた時、私は長く生きなくてもいいから、苦しまないで、最後まで歩いて、最後までご飯を食べて逝ってほしいって願っていました。それがたとえ、突然であっても・・・・って。
私の願った通りに、ローズは逝ってくれました。本当に、よくできた子でした。私を苦しませないようにしてくれたのです。
アメリカの統計によると、大型犬の死因の第一位は癌だそうです。次に多いのは胃捻転。コリーも例外ではありません。
私の知る範囲でも、8歳以下では胃捻転、それ以上では癌で亡くなった子が多いです。それぞれ、血統や出身犬舎、年代は違っていても。
子犬たちのオーナーさんの多くは、先代のコリーを亡くされていますが、その理由をうかがってみると、大半が癌です。特定の癌が多いというわけでもなく、肺癌、進行性乳癌、膵臓癌、肝臓癌、骨肉腫、リンパ腫、脳腫瘍、口腔癌、メラノーマ、鼻腔癌、肛門周囲腺腫、etc....
もっとも、癌であるという確定診断には、綿密な検査が必要です。実際には癌と診断されずに、亡くなっている例も多いと思います。ローズもつっちゃんも、精密な検査をしなければ、どちらも別の病名がついていたと思います。
久しぶりにお出かけして、嬉しそうだったローズ。写真に残った、最後の笑顔です。
マーキュンだって・・・・
全身検査したら、たぶん、どこかに腫瘍があると思います。実際、両性の腫瘍が左脇にあり、ここ数カ月で急に大きくなってきました。良性とはいえ、成長してしまうと、血液や栄養を取られてしまうため、全身に影響を及ぼすようになります。
海浜公園で。この頃のマーキュンはとっても元気でした。
9歳を過ぎたら、癌に注意・・・
これが私の口癖です。なぜなら、9歳過ぎに癌で他界する子が急増するからです。人間で言えば、50代になると癌の発症率が急増するそうですが、それと同じなのかもしれません。多聞に漏れず、ローズもつっちゃんも、最初の症状が出たのは9歳でした。犬の癌は進行が・・というか、異変に気付くころにはすでに進行してしまっているため、9歳の内に亡くなってしまう子が多いです。
はるばる会いに来てくれた息子のアレックス君と。この10日後、虹の橋を渡りました。
愛犬が癌と診断されたら・・・・
誰もが悩み、迷うと思います。その時のグレード、年齢、発症部位などにより、判断が分かれるところでしょう。
時には「なにもしない」ことが、一番いい場合もある。
そんな教訓も、二人に教えてもらいました。そうはいっても、いざとなれば、次はどういう判断をするか、わかりません。
マーキュンは、自然に、マーキュンの天命に任せるつもりです。もうここまで来たら、いつどうなっても「大往生」ですから。この先みんな、そうだったらいいのですけどね。そうあってほしいです。
(画像はすべて、昨年の2月のローズです)
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あれから1年経ったのですね。
つい最近のような夢だったような・・・。
今でも、ローズママやつっちゃんの写真を見ると涙がこぼれてしまいます。
また会いに行きますからね。
辛い選択ですよね。
どうしてやるのが、その子にとっての一番なのか。。。。
その時 最良だと思う選択をしても、必ず後悔が残りますよね。
何度お別れをしても、その都度 後悔します。
でも、ママさんほど知識を持ち、手をかけ、愛情を持ち・・・・
マザーレイクの子は、幸せだと思います。
ローズ婆ちゃんもつっちゃんも、貴女のそばだから穏やかに逝けたんだと思いますよ。
マーク爺ちゃんは、ゆっくりゆっくり・・・ね。 がんばって!!
時間を経て思えば、懸命に旅立ちを留まらせようとしてくださった獣医さんや看護師さんの瞳や手の中で逝ったんだと・・・
2枚めのマーキュンのローズさまのデュエットのお写真、ハモっている声が聞こえそうで、素敵ですね。
いつもローズとつっちゃんの事、思っていていただいて、ありがとうございます。
2月の下旬にローズに会いに来ていただいた時、ローズはとても嬉しそうでした。
頂いたバームクーヘンを、大喜びで食べていました。
あの時はつっちゃん、とっても元気でしたね。
また会いに来ていただけると嬉しいです。
chiakiさん
どの道を選んだとしても、後悔するだろうということは、最初から分かっていましたけどね・・。
誰もがそうなんだから・・・って、自分を納得させようとしても、やっぱり難しいです。
すべてが「運命だった」ということで、納得できるようになるにまでには、まだ長くかかりそうです。
りりぃままさん
病院でだけは避けなくてはと、最初から考えていました。
結局、私は最期を看取ることができなかったのですが、ローズの周りには家族がいたし、好きだった場所で・・だったので、ローズは寂しくなかったと思います。
大家族のいいところです。決して、一人寂しく・・・ということにはなりませんから。
1年前はマーキュンもローズも元気にセキュリティーしていたんですよね。とても懐かしく、大切な瞬間です。