室町末から江戸時代にかけてシャム,ルソン,ジャワほか南洋諸島の地を南蛮といい,ポルトガル人・スペイン人など,南方を経由して来日した西洋人を南蛮人と呼んだ。→紅毛人
→関連項目南蛮屏風
→関連項目南蛮屏風
山川 日本史小辞典 改訂新版 「南蛮人」の解説
南蛮人
なんばんじん
なんばんじん
もともとは古代中国の中華思想にもとづく南方の異民族の呼称。日本の古代~中世でも同様の意味から,東南アジアやインドからの渡来人をさした。16~17世紀には来航したポルトガル・スペイン両国民をさした。これらヨーロッパ人がマカオ,ルソンなど東南アジアを経由して渡来したことに由来する。ついで来航したイギリス・オランダ両国民に対しては,紅毛(こうもう)人の呼称を用いて区別した。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
旺文社日本史事典 三訂版 「南蛮人」の解説
南蛮人
なんばんじん
なんばんじん
室町時代以降,日本に渡来したポルトガル人などヨーロッパ人の呼称
元来,四夷思想(東夷・西戎 (せいじゆう) ・南蛮・北狄 (ほくてき) )により周辺の異民族を野蛮視した中国人が南方の野蛮人を呼んだ呼称。日本では,室町末期からシャム・ルソン・ジャワなど南方貿易が始まると,南方を経由して来航したポルトガル人・スペイン人・イタリア人などを呼ぶようになった。
【南蛮美術】より
…16世紀後期~17世紀中葉の日本で行われた西洋趣味の美術。大航海時代のポルトガル人やスペイン人が南方を経由して渡来したので,南方の外国人という意味で彼らを南蛮人と呼ぶようになった。南蛮人のもたらした西洋の文物や風俗に影響されて生まれた美術を南蛮美術と総称するが,その中には様式,流派,成因を異にするものがあるから,この呼称は文化史の用語としては適当でも,美術史の用語としては必ずしもふさわしくない。…
※「南蛮人」について言及している用語解説の一部を掲