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- 60代女性の3人に1人といわれる骨粗しょう症の最新検査事情|骨密度検査とあわせて骨代謝マーカーを専門家が解説
健康2024.03.24 07:000
60代女性の3人に1人といわれる骨粗しょう症の最新検査事情|骨密度検査とあわせて骨代謝マーカーを専門家が解説
高齢になると気になる「骨粗しょう症」。血液検査を受けるだけで、骨粗しょう症の進行リスクがわかると知っていますか。骨がもろくなる速度が「骨代謝マーカー」で調べられるという。特に女性は更年期の前と後で大きな違いがある。そのメカニズムを含めて専門家が解説します。
血液検査で骨粗しょう症のリスクがわかるという(写真/GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)
教えてくれた人
よしかた産婦人科分院 綱島女性クリニック院長 粒来拓さん
日本骨粗鬆症学会認定医。2020年から横浜市大センター病院非常勤講師として女性ヘルスケア外来も担当。
骨粗しょう症の進行リスクがわかる血液検査
骨粗しょう症治療の際に行われる血液検査が「骨代謝マーカー」だという。3割負担の保険適用の場合、1350円程度で受けられる。
「そもそも、骨粗しょう症とは、骨の量や質が低下して骨折などが起こりやすくなる病気です。女性ホルモンの減少が主な原因のため、閉経後の女性に多く、60代で3人に1人、70代では2人に1人が骨粗しょう症といわれています」
と、婦人科医の粒来拓(つぶらいたく)さんは言う(「」内、以下同)。
骨には、古い骨を壊そうとする「破骨(はこつ)細胞」と修復しようとする「骨芽(こつが)細胞」があり、女性ホルモンのエストロゲンによって、両方がバランスよく働くよう調整されているという。骨粗しょう症は、このバランスが崩れて起こる。
「骨粗しょう症の診断には骨密度検査が用いられますが、病状が今後どれほどのスピードで進行していくかについては、『骨代謝マーカー』という血液検査が有効です」
骨代謝マーカーは、骨粗しょう症治療薬により、骨が溶けにくくなっているかの治療効果判定のために用いられる。
「骨粗しょう症と診断された人にのみ保険適用になる検査なので、そうでない場合、厳密には保険適用外として約1万円の自己負担になります。女性に多い骨粗しょう症は閉経後からリスクが高くなるので、まずは骨密度検診を。併せて骨代謝マーカーも測定できるとリスクの参考になるでしょう」
骨粗しょう症には遺伝的要素が強いので、特に母親や祖母が骨粗しょう症という人は検査を検討しよう。
■エストロゲンの分泌量が正常な場合