しかし、被害者はそうではありません。作家で公衆衛生アドバイザー、そして児童への性的虐待問題を提起するNPO団体「Stop the Silence: Stop Child Sexual Abuse(沈黙するのをやめよう:子どもへの性的虐待をなくそう)」のスピーカーでもあるジョアン・ステべロスさんは、次のようにまとめています。
またジョン・ジェイ刑事司法大学がカトリック教会の公的なデータにアクセスしてまとめたレポート「1950~2002年、アメリカで発生したカトリックの神父と奉仕者による未成年者への性的虐待の性質と範囲」によると、1950~2002年に活動していたアメリカ在住の神父(司祭)の4%が性的虐待を行ったとして告発されていたことが判明しています。 一方で、前出の「Stop the Silence」によると、子どもへの性的虐待が報告されるのはその3分の1ほどであり、上記の数値は事実よりもずっと少ない数値だと想定されているんだそう。
ジョン・ジェイ刑事司法大学の報告書によると、1950年~2002年の間に性的虐待を告発されたアメリカ在住の神父のうち、有罪判決を受けたのはわずか6%。現在までに実刑判決を受けたのは約2%と、とても少ない数字です。 しかし、世界はこうした負の遺産の清算に向けて動き出しています。「Bishop accountability(司教の説明責任)」によると、アメリカの196の教区の内、約152の教区が「確かな証拠」と共に告発された加害者(神父)の名前を公表しています。