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最もローマ人は奴隷の解放はよく行い、ことに主人の下で管理人のような任務を務めた奴隷は経済的にも豊かになり、自由身分を容易に買いとる

最もローマ人は奴隷の解放はよく行い、ことに主人の下で管理人のような任務を務めた奴隷は経済的にも豊かになり、自由身分を容易に買いとることができた。ローマでは解放された奴隷には市民権が与えられ、社会的に成功する者も少なくなかった。ローマの奴隷制は1世紀までが最盛期で、以後はしだいに衰えるが、古代末期にいたるまで存続した。





ユリウス・カエサル
カエサルは任期10年の独裁官となり、最高軍司令官・最高神官の地位を占め、護民官の神聖権をも手中にして実質的な君主のごとき存在となった。彼は兵士と民衆には極めて人気があり、元老院派の降伏者は寛大に赦して、内乱終了後精力的な改革を進めたが、今や民会は有名無実のものとなっていた。彼は部下の騎士を元老院議員として定員を600から900としたが、元老院には権限を許さなかった。
共和制ローマの独裁官

退役兵のためには多数の植民市を建設して入植させ、また一般民には安価な穀物を供給し、豪華な剣闘士や野獣のショーを数多く催した。自分の名をつけたフォルムを建てるなど、公共建築も盛んにした。属州人にはローマ市民権を惜しみなく与えた。これらの仕事を彼は自分の部下の騎士や解放奴隷に行わせたが、このようなカエサルの政治はのちの元首・皇帝の先駆けをなすといえよう。
カエサルの独裁政治は性急に進められたから、なお生き残っていた共和派は反感を募らせた。ことに紀元前44年にカエサルが終身の独裁官となり、またパルティア遠征をも計画して、そのために「王」の称号を得ようとしていると噂されるにいたって、カッシウス、ブルートゥスらがカエサルを暗殺した。兵士や民衆は彼の死を悲しみ、カエサル派のマルクス・アントニウスがそれを利用してカエサルを神格化し、ブルートゥスらは追放された。
この時元老院のリーダーは修辞家・哲学者でもあったキケロで、彼はオクタウィアヌスを支持しながらブルートゥスらを救おうとした。キケロはマルクス・アントニウスに憎まれ、やがて殺された。





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