関税をめぐるトランプ大統領の発言は、フェンタニル取引と単純な経済的利己心の両方を中心に展開されている。
トランプ大統領は日曜夜、メディアに対し、当初は経済的な理由で関税を正当化した。
「彼ら(カナダ)は多くのものを受け入れないが、私たちはあらゆるものを受け入れている。これは一方通行だ。私たちはカナダに年間約2000億ドルの補助金を出している。何のために?私たちはそこから何を得るのか?私たちは何も得ていない。」
しかし、大統領は、関税の公式理由であるフェンタニルに対するカナダの緩い扱いについても批判した。
記者から関税撤廃のためにカナダとメキシコは何をする必要があるかと問われると、トランプ氏はこう答えた。「フェンタニルは今年、少なくとも20万人を殺した。フェンタニルは中国からメキシコとカナダを通じて流入しており、彼らはそれを止めなければならない。そして、もしそれを止めなければ、関税はもっとひどくなるだろう。かなりひどくなるだろう。」
トランプ氏は翌日も約束を守った。
トランプ大統領は月曜日、メキシコのクラウディア・シャインバウム大統領と電話会談し、フェンタニルの米国への流入を阻止するためメキシコ軍1万人を直ちに国境に派遣すると約束した後、関税を1カ月間保留することに同意した。
メキシコとカナダはともに、フェンタニルの米国への流入を阻止するために軍隊を派遣することを約束した。(ISAAC GUZMAN/AFP via Getty Images)
そのわずか数時間後、カナダのジャスティン・トルドー首相が北部国境の警備に自国の兵士1万人を派遣すると約束したことを受け、トランプ大統領は同様に関税を1か月間停止した。
トランプ大統領のフェンタニル危機への取り組み方は前例のないものだったが、効果的だったようだ。
一方、関税が最終的に復活するかどうかは不明なままであり、米国のビジネスリーダーたちは事態の展開を注視している。
自動車業界コンサルタントでコックス・オートモーティブのアナリスト、エリン・キーティング氏はデイリー・シグナル紙に対し、メーカー各社はすでに慌ただしく行き来する貿易交渉に備えているとの考えを語った。「私の感覚では、多くの自動車メーカーはここ数ヶ月、サプライヤーと連携して、少なくとも数日間の不確実性を乗り切り、これが実際にどこに向かっているのかを把握できるように態勢を整えてきた。これは、政権が時々行動を揺るがすことがあるという事実に基づくものだ」
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