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2022年12月5日世界の食 チャド ウガンダ ウクライナ アフリカ
「パンがなければ芋を食べよ」 上から目線?の発言に波紋!
「パンがなければお菓子を食べたらいい」。
フランス革命の前、王妃マリー・アントワネットが、困窮する国民がパンを求めて抗議する中で語ったとされています。
ベルサイユ宮殿で贅沢三昧の暮らしをしていた王妃の「上から目線」を象徴する逸話です。
ベルサイユ宮殿で贅沢三昧の暮らしをしていた王妃の「上から目線」を象徴する逸話です。
そして、今、世界的な食料価格の高騰で多くの人々が生活に苦しむ中、ある国の大統領が語った「パンがなければ芋を食べたらいい」という発言が、波紋を呼んでいます。
(ヨハネスブルク支局長 別府正一郎)
揚げ物の匂い立ちこめる市場にて
大統領発言の波紋
こうした中、ウガンダでは、ムセベニ大統領が2022年5月に国民向けの演説で、「パンがないならば、キャッサバを食べたらいい」と呼びかけたことが波紋を呼んでいます。
演説するムセベニ大統領 2022年5月
発言について、伝統のキャッサバを見直すものだと好意的に受け止める人もいる一方で、ぜいたくな生活を重ね、フランス革命で処刑された王妃、マリー・アントワネットが、困窮した国民の抗議に対し「パンがなければ、お菓子を食べたらいい」と発言したとされる逸話と似ているといった批判や揶揄する声が出ています。
地元のマケレレ大学政治学部のカサイジャ・アプーリ教授は、波紋を呼ぶ背景には国民と長期政権の大統領との距離があるといいます。
マケレレ大学政治学部 カサイジャ・アプーリ教授
アプーリ教授
「キャッサバの方が安いわけだから、アントワネット王妃の逸話の発言とは趣旨が違う。大統領自身もキャッサバを食べていると話している。ただ、ウガンダの都市部の中間層の多くはキャッサバとは縁遠いのが実態だ。
結局のところ、『大統領は自分たちの生活の実態が分かっていない』という受け止めになっている」
「キャッサバの方が安いわけだから、アントワネット王妃の逸話の発言とは趣旨が違う。大統領自身もキャッサバを食べていると話している。ただ、ウガンダの都市部の中間層の多くはキャッサバとは縁遠いのが実態だ。
結局のところ、『大統領は自分たちの生活の実態が分かっていない』という受け止めになっている」
「食料緊急事態宣言」をした国では
報道局記者別府 正一郎カイロ、ニューヨーク、ドバイ、ヨハネスブルクに駐在
ロシアの軍事侵攻を受けてウクライナで継続的に現地取材
2023年1月から「キャッチ!世界のトップニュース」のキャスター別府 正一郎の記事一覧